25.甦る記憶
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「ああああああああああ」
逆流してくる記憶の波で叫び声にならない呻き声が出る。
それは遠い記憶……………………
広大な果樹園の中をバタバタと駆け回りながら、わたしはみんなを探しまわる。
太い木の陰に体を丸めて隠れているスタンリーを見つけた。
「スタンリー、みっけ!」
優しいスタンリーはニコニコしながら立ち上がる。
「みつかっちゃった。ロージーはみつけるのはやいね」
四つ年上のスタンリーはもう大きいから隠れんぼでは圧倒的に不利だ。
それに大らかなスタンリーはわたしが鬼だと
わざと見つけやすいところに隠れてくれるのだ。
「はい、スタンリー」
わたしが右手を差し出すとスタンリーはその手をぎゅっと握りしめるように繋いだ。
「ふふ、さいしょにみつかるとロージーとずっと、てをつないでいられるからうれしいな」
ニコニコしてスタンリーが呟くと別の木陰からデュランがひょこっと顔を出す。
「にいさん、ずるいよー。
ロージーとてつなぎしたいから、わざとみつかっただろ!」
「ふふ、デュランみっけ!」
「あー、おもわずでてきちゃったよ。
いいもんね、おれはこっち、つなぐから」
そう言ってデュランはわたしの左手と自分の右手をさっと繋いだ。
「へへへ」
デュランが嬉しそうに笑う。
「じゃあ、さんにんでさがそう!
あとはエリオットと△△だけだね!」
横一列になり果樹園の更に奥へ進む。
ガサガサガサ
「あそこからおとがした!」
音のした木へダッシュで駆け寄るとエリオットが渋い顔で出て来た。
「みつかった」
「わーい、エリオットもみっけ!」
エリオットはノロノロと近づき、繋がれている右手と左手を交互に見た。
「エリオット、おまえはおれと!」
デュランが左手を差し出すとエリオットは渋々右手を繋いだ。
「おまえ、わざとおとをだしてみつかっただろう」
デュランが小さな声でエリオットを咎めている。
「うるさいな。
どうせおまえだって、わざとみつかったんだろ?あーあ、もうすこしはやくみつかっていればおまえじゃなくロージーとてつなぎできたのに」
悔しそうなエリオットの声が聞こえてくる。
「どうしてわたしとてをつなぎたいの?
そんなにおにになりたい?」
スタンリーに疑問を投げかけると、困ったようにハハハと笑って誤魔化された。
解せぬ。
「さぁ、あとは△△だけだね!」
意気揚々と更に奥へ進む。
果樹園の最奥部の先には道を隔てて魔物の森。
その為果樹園には結界が張られているが、あまり奥へは行かない様、大人たちに言い含められていた。
そうは言っても子どもの事、危険な場所は大好物。
ずんずんと突き進んで行くと、
「お、おまえ、なにものだーーーーーー」
大きな声が聞こえた。
「△△だ!」
わたしたちは顔を見合わせ△△の声がする方へ一斉に駆け出した。
果樹園の最奥部に着くと、その先の魔物の森で△△が、怪物の様な人型の魔物と対峙していた。
「△△ーーーーーー」
エリオット、スタンリー、デュランは△△を庇う様に前に出た。
「ググググルーーーググルグル」
人型の魔物が不気味な呻き声で威嚇してくる。
「グーーーーーーーーーー」
人型魔物は叫び声と共にエリオットたちに襲いかかろうとするが、すかさずエリオットが雷魔法で応戦した。
デュランは水魔法でエリオットの雷魔法の効果を高めている。
スタンリーは土魔法で人型魔物の周りを土塀で囲み逃げ場を無くした!
素晴らしいいつもの連携だ!
そして最後に△△が光魔法でトドメを刺すのだ。
「じょうか」
△△が光魔法を放つ。
すると人型魔物は体から大量の黒い靄を出して光魔法を消し去る。
「やみまほうだ!」
エリオットが叫ぶ。
みんなの魔法は大したものではあるが、あくまで、まだ10歳にも満たない子どもたちだ。
ワイルドボア程度なら簡単に倒せるが、闇魔法を駆使する人型魔物では束になってかかっても勝てないだろう。
「く、くるしい」
黒い靄が押し寄せてみんなが苦しみ出す。
このままではみんな死んでしまう!
助けなくてはと前に駆け出した瞬間、人型魔物は鋭く長剣ほどにのばした長い爪を△△に振り翳した。
「ギルーーーーーーーーー!!」
辺り一面が真っ白になった瞬間、わたしは意識を手放した。
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