20.嵐が去ってまた嵐
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嵐は去ったのに、おじ様、おばさま、エリオットそしてスタンリーが帰宅する度にブルックス侯爵家の振舞いについてひと騒ぎになってしまった。
わたしへの気遣いは勿論だけれど、ブルックス侯爵家の理不尽な行動、言動に怒り心頭といったところだ。
おじ様「あの家は叩き潰さなければな」
おばさま「社交界に顔出し出来ないようにしませんとね」
エリオット「マーフィーと纏めて思い知らせてやろう」
スタンリー「縁を切ろう」
その気持ちだけで心が温かくなる。
大切に思ってくれる人たちがこんなにいてくれるのだから、わたしは幸せだ。
ブルックス侯爵家来襲とその後の騒ぎでかなり疲れたわたしがやっと夜着に着替えベッドに入ろうとすると扉の外から声をかけられた。
「ロージー様、もうお休みになられましたか?」
申し訳無さそうにアンナが小さな声で呼びかけている。
「起きてるよ。
何かあった?」
「失礼します」とアンナが神妙な顔付きで入室する。
「お疲れのところ申し訳ありません。
実は孤児院の子どもが門前で騒いでおりまして、通常でしたら孤児院へ送り返すのですが、その子が気になる事を叫んでいたようで
家令のチューダーさんの一存で中に招き入れました」
「孤児院の子ども?
その子が何か?」
アンナは言いにくそうに口籠もる。
「ええ、その、」
「ええと、どう言っていたのか教えてくれる?」
「それが、その、妹を返せと言うのです。
ろ、ロージー様に連れて行かれたと」
へ?
全く身に覚えが無いのだけど。
またまた、大事件勃発?
それも幼女誘拐の疑い。
「ともかくその子に会ってみます。
アンナ、着替えを手伝って」
アンナに手伝って貰い普段着のドレスに着替え、足早にその子を通したという使用人たちの休憩室に向かう。
「流石に客間には通せませんので。
それからチューダーさんがエリオット様にもお知らせに行っております」
使用人たちの休憩室は厨房近くのかなり広いスペースで、使用人たちは此処で食事をしたり休憩したりしているそうだ。
休憩室の入り口から中へ入ると入り口に背を向けて赤毛の男の子が椅子に座っていた。
向かいでウィルが何やら困った顔付きで話を聞いていた。
「ロージー様」
ウィルがわたしに気付いて声をかけた途端だった。
男の子は弾かれたように立ち上がり、一気に駆け寄って来た。
そして小さな拳でわたしのお腹を叩きながら叫んだ。
「ルーをかえせよ!
あんたがつれていったのはわかってるんだ!
かえしてよ!
ルーはどこにいるんだよ!」
男の子はわんわん泣きながらわたしを殴っている。
まだ7、8歳位だろうから、それほど痛いわけではないけれど、滂沱の涙に心が痛くなる。
「落ち着いて。
きちんと話をしましょう。
あなたは孤児院にいた子よね。
あの時一緒にいた赤毛の女の子があなたの妹さん?
その子が何処かに連れて行かれたの?」
男の子は一瞬泣き止み憎々しげにわたしを睨み付けた。
「あんたがルーをつれていったんだ。
ルーのまえにもふたりつれていかれた。
みんなあんたがこじいんへきてからいなくなった!」
「待って!ルーちゃんの他にもいなくなった子どもがいるの?」
「そんなふうにしらないふりをしたって、ちゃんときいたんだ!エリオットさまのこんやくしゃのロージーがみんなをつれていったって!」
「誰に聞いたの?」
「ヘルミナだよ!
あいつ、みんなにいじわるしてばかりのいやなやつだけど。
ルーをつれていくときおしえてくれた。
ロージーというおんなのめいれいだって。
ルーをどこかにうるんだって」
ヘルミナ?
「ゴーレイ子爵令嬢だよ、ロージー」
エリオットの声に振り向くと腕組みをしたわたしの三銃士が怖い顔をして立っていた。
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