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18.わたしの三銃士

ブクマ、評価、いいねをありがとうございます。

とても励みになります。

これからもよろしくお願い致します。

 

 スタンリーが公爵家にやって来て一週間、また少し心に余裕が出来たようだ。

 だってわたしの三銃士が揃ったのだから。

 エリオット、スタンリー、デュラン。

 3人は小さい時からわたしを守ってくれていた。

 だから勝手に心の中で『わたしの三銃士』なんて呼んでいたけど。

 3人からしたらわたしはペットの犬みたいなものかもしれない。

 それに大人になるにつれ、みんな素敵なイケメン街道真っしぐらで、何だか取り残され感が大きかった。

 特にエリオットは公爵家嫡男で完璧な男。

 いつかお似合いの令嬢に巡り合い幸せになるんだろうなと思っていた。

 ジェンキンス公爵家はおじ様もおばさまも政略結婚よりもエリオットの幸せが1番という素晴らしい方々だから。

 そもそも権力財力有り過ぎて下手な政略結婚は王家を脅かしそうだから。


 そんな3人が側で守ってくれているだけで、存外の幸せを感じるのだ。



 だが、幸せに浸ってばかりはいられなくなった。


「ロージー様、大変です。

 ブルックス侯爵家の皆様が揃っておいでになっております」

 侍女のアンナが慌ただしく敵の来訪を告げる。

 ヨリにもよって、本日に限っておじ様、おばさま、エリオットが外出中。

 ジェンキンス公爵家は出払っている。

 スタンリーも先程シモンズ子爵家が経営する王都の商会に出かけたので、デュランだけが頼みの綱だ。


 デュランは慌ててわたしの部屋に駆け込んで来た。

「ロージー、どうする会うのか?」

 正直会いたくは無い。

 そんな気持ちもあり、ブルックス侯爵家への来訪を先延ばしにして来たのも事実だから。


「来てしまったものは仕方ないし」

「全く先触れも無く揃いも揃って非常識だな。ずっと放置していたくせに」

「それだけ切羽詰まっていると言う事かも。

 拉致されたらどうしよう」

「そんな事させるか!

 公爵家の私兵も何人か配備させるから、心配するな。

 大体、公爵家から拉致するほどバカじゃないだろう」

「…」

 バカだからわたしを好色伯爵の愛人にしようなんて企んだりするんじゃないかな。


「だが、今日は陛下や王太子殿下も出席される定例会議でおじ上とエリオットは不在。

 おば上は親友のマリンカ侯爵夫人の月一のお茶会で留守だ。

 どちらも周知の行事だからわざわざ公爵家の留守を狙って来たのは間違いないよな」


 それほどの執着を見せるならもっと前にして欲しかった。

 生まれた時、シモンズ子爵家で育った時。

 シモンズ子爵家の家族に囲まれて本当に幸せだったけれど、それでもどうして実の家族は便りひとつ寄越さないのかと、どれほど悲しく思った事だろう。

 何か愛されない理由でもあるのかと悩んだ時もあった。

 そんなわたしにシモンズ子爵家の家族は実の家族以上の愛を注いでくれた。

 どんなに有り難かった事か。

 どんなに救われた事か。

 そして、ジェンキンス公爵家のおじ様、おばさま、エリオットがその愛情の輪に加わってくださり、わたしはブルックス侯爵家の楔から解き放たれた。


「きちんと三行半を叩きつける!

 デュラン、援護頼みます!」

 決意に燃えるわたしに呆気に取られていたデュランだがやがて不思議そうに首を傾げた。

「三行半て何だ?」


 そう言えば三行半は夫への離縁状か。

 まぁ、放置した家との絶縁だから似たようなものよね。

「絶縁状の事だよ」

「へぇ、初めて聞いた」

 知っていたらこっちがビックリだよ。

「花便りなら知ってるけどな。

 別れる時は白いゼラニウムの花びらを封筒に入れて相手に送るんだ」

「そ、そうなんだ。

 デュラン、やけに詳しい。

 もしかしたら」

「ロージー!やめてくれ〜!

 俺を何だと思っているんだよ。

 絶対誤解してるだろう!

 俺は一途な男なの」

 デュラン、顔真っ赤。

「ごめん、デュラン。

 だってデュランカッコいいし、優しいし、強いし、絶対モテるでしょ?

 だから、エリオットみたいに追っかけてくる令嬢がいそうだなぁと思ったの」

 ちょっとシュンとなり、下を向いていたけど、デュランが動かないのでそっと視線を上げると、何か涙目なのにキラキラ輝くデュランがいた。


「そうか、そうか。

 ロージーは俺がカッコいいと。

 そうか、優しいか〜。

 そうか、強いか〜。

 絶対モテるか〜。

 ロージーはそう思ってたんだ〜」

 デュランの意識が何処かに飛んでいる。


「デュラン、デュラン、しっかりして」

 心配になりデュランの両手を握ると、デュランはハッと我に返り、わたしの両手をぎゅぎゅっと握り返す。


「ロージー、よく覚えておいて。

 俺にとって一番大切な女の子はロージーだから」

 キラキラとした榛色のキレイな瞳を見つめ、わたしはうん、と頷いた。






お読みいただきありがとうございます。

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