8:手掛かり
時間の使い方を忘れてしまいました。
ロイヤルスコーピオンに体力を削られた俺は地面に這いつくばっていた。回復アイテムは材料である薬草しかなく、まさにあと一撃でももらえば死んでしまうという状況だった。
「トゥルース回復アイテム貰えない?」
「ちょっと待ってろよ」
トゥルースは悩んだあと、アイテムを差し出した。
「……すまん。これしかなかった」
そう言って渡されたのは回復量が少ない木の実だった。
でも、恵んでもらってる側が文句言うわけにはいかないよな。
俺は木の実をもしゃもしゃ貪った。
このゲームは倒した敵のアイテムは床に落ちるようなっている。つまり、先に取ったものが所有権を独占できると言うことだ。地面にはサソリの爪や尾が落ちている。
「このアイテム。あげるよ。俺使わないし」
俺はロイヤルスコーピオンから出たアイテムをトゥルースに差し出した。
「じゃあお言葉に甘えて。このアイテムダーリンさん喜んでくれるかな」
「え?」
今、彼はなんと言ったのだろうか「後輪」とかでも言ったのだろうか。
「ダーリンさん知らない?最強の3人のプレイヤーの1人の」
思いもよらぬことだがトゥルースはダーリンと同じチームに入っていたらしい。
「ダーリンさんと合わせてもらえるか?」
「あの人優しいし、大丈夫だろ」
明日は休みだ。これはあれしかない。
「明日に俺の指定する場所に来てもらえるか?」
――――――――――――――――――――――
俺達前に遥と会ったファミレスにいた。
「私だって暇じゃないんだぞ」
集まったのは遥に真。それに、俺だ。
「つーか、その髪の毛って地毛?」
「母がロシア人だ。それよりも、話とはなんだ?」
俺は意気揚々と答える。
「この俺のクラスメイト「桐山真」は最強プレイヤーダーリンに近づく手掛かりを持っているんです!!」
「ふぅん」
もしかしてあんま興味ない?
「私のほしい手掛かりは、ダーリンの自宅の場所を特定して家に入る方法だ。そこらの高校生が知れる情報じゃない」
「遥さんの言ってること、他人から見たらめっちゃキモいですよ」
確かにめっちゃキモい。
「何笑ってんだカエデは」
「でも、俺ダーリンさんの家入れますよ」
一瞬俺達は黙った。気持ちを整理するためだ。
「真くん。それって本当?」
どうやら、真は数週間前にダーリンとコンタクトを取り、チーム『エデン商会』に入会したらしい。
「ダーリンさんにアイテムを渡して、それが売れたらダーリンさんに利益の3割が入ってバトルとかを一緒に手伝ってくれるって感じ」
つまりチームを助ける代わりにアイテムを渡してもらうってわけだ。ダーリンの実力は不明と言われているらしいが、相当強いのだろう。
「ダーリンに会わせてもらえないか?」
遥が詰め寄る。これは千載一遇のチャンスだった。住んでる町しかわからなかったのが、家の住所から入り方までわかるのだ。
「教えるはいいと思う。ダーリンさんは優しいから。でも、俺は条件を出させてもらう」
「どんな条件だ?」
「俺を仲間に入れてほしい。カエデ達はハルを止めるつもりなんだろ?」
「よく………わかったね」
「遥、どうする?」
「問題ない。レベルの高いプレイヤーは足手纏いにはならない」
こうして、新しい仲間ができた。
小ネタ ゲリラエネミー
フィールドに突然出現する強力なエネミー。2人以上で行動している時に出現する確率が増える。




