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16/18

16:海底ステージ周回の為に

眠い

――数時間前――

(シルバ・バンドレッド視点)


 このゲームには海のステージがある。アップデートで追加されたやり込み要素の1つだ。私のレベルは35程度。少し足りないがプライヤースキルで何とかなるだろう。

 海底ステージに行くためには海の底に耐えられるようになるアイテムが必要だ。私が行くのはセントラルから分岐すること『ミストタウン』だ。

 ミストタウンは霧に視界が覆われる町だ。その視界の悪さと高低差のせいか初見で落下死することが多く、初心者から上級者までがきらうフィールドだ。

 まず、必要なのがここらへんのフィールドの木から出る樹液だ。


「発見!!」


これはすぐに見つかる。なにしろ、木はでかいからな。あとは『マッドネスフロッピーのガマ油』だけだ。

 このフィールドを数分歩いた所にある池がある。


ゲコゲコ


私はこのエリアが嫌いだ。何故なら私はカエルが嫌いだから。


「うっわ」


池に浮く蓮の葉全てに赤と黒のカエルがびっしりと張り付いている。


「風魔法『ジェット!!』」


カエルが一気に薙ぎ倒されて細切れになる。それと同時に黄色い油が舞い散る。


「キッタネェ」


私は瓶の中に黄色い油を注ぎ入れた。


「さて、さっさと深海に行くか」


深海ステージの推奨レベルは65ほど。どうにかなるな。

 私はある程度のアイテムを集めたあとレントラルに戻ろうとしていた。私は徐々に異変に気がついた。


「何でこんなに目が見えないんだ?」


霧が濃くなっている……異変の証拠だ。


ガサガサ


音で感知するのは基本テクニックだ。


「後ろだ」


 私は後ろにステップを踏んだ。襲ってきたのは蛇だった。


(レアエネミー、フォグフロッグスネーク)


それはでかい蛇だった。


「こいつは…戦ったことがないな」


 魔法での戦闘においてはどの属性が効くか考えなければならない。逆に考えると斬撃や打撃武器と違いない、有効部位を狙う必要がない。


「雷魔法『エレクトリック!!』」


「ギリ…ギリ」


少し痺れた程度か…


 尻尾での攻撃をかわして、再び攻撃を加える。 


「炎魔法『ボルケニスト!!』」


 受けた時の反応は変わらない。一番威力が高い魔法なのに。


「風魔法『ジェット!!』」


その風は豆鉄砲にすらならなかった。


「弱点がないのか」


私の持つ魔法では弱点がなかった。これはデスポーンで町に帰るか。いや、それは私のプライドに反する。


「足掻いてから死んでやるよ」


『エレクトリック』

『ドグマ』


大蛇が口を大きく開けた。捕食体勢だ。


「やられたかな…」


ガキィ!!


目の前にいたのは大蛇ではなかった。大きな鎧と斧を持った男だった。


(プレイヤーチェック、ゴンザくん レベル73所属チーム鉄塊会)


「ゴンザくん!?」


なんかみたことあるような名前だ。


「大丈夫ですか!!」

「あっ、はい!!」


ちょうど運良く助けが来てくれた。よかった。


「このモンスター弱点がありません。打撃か斬撃で頭を狙ってください」

「了解した」


ゴンザは斧にMPを流し込んだ。それにより、高い跳躍力を得る。


『アースブレイカー!!』


自由落下と斧のダメージによりフォグフロッグスネークの額にヒビが入った。

レベル73でこれほどとは…思ったよりずっと上澄みのプレイヤーだ。

 これなら、私の持つサブジョブ。ファイターが使える。壊れた部位へのダメージ倍率上昇に加え、スキル『ストレートフラッシュ』の火力は異常だ。


「そしてそのスキルをスタミナを全消費でダメージを底上げできる!!」


杖をしまいただ己の拳のみを構えた。


『ロイヤルストレートフラッシュ!!』


大蛇は吹き飛び頭破裂した。

 援軍が無ければ勝つことはできなかった。やっぱり、奇跡がないとソロはきついな。


「ありがとうございます。ゴンザくんさんアイテムは貰っていってください」

「じゃあお言葉に甘えて…」


ゴンザくんはアイテムを拾い始めた。


「深海攻略ですね」

「何でわかったんですか?」

「ここに来るのは基本ガマ油狙いですし」


確かにそうだ。


「じゃあ、ゴンザくんさんも深海狙いですか?」

「俺はダンジョンを見つけようとしてまして」

「こんな視界の悪いミストタウン周辺で探すんですか?

「仲間と分担したらここを探すことになっちゃって…」


ダンジョン探しチーム。すごく非効率的だ。


「そうだ。あなたもレアアイテム狙いですか?」

「そうですけど」

「一緒のパーティに入りませんか?」


何だこいついきなりナンパか?と私は思ったが彼なりの優しさだろう。


「私今(・)だ(・)け(・)ソロって決めているんで」

「わかりました」


ピコン


ゴンザに通知がくる。


「え!!」


急に彼はアイテムを取る手を早めた。


「では、これで失礼します」

「はい。さようなら」


やけに急いでいたな、ダンジョンでも見つかったのか?まぁ、いいか。私もさっさとレジェンドの為に海底周回するか。



小ネタ モンスターの部位について

 モンスターの部位には耐久値が絶対されていて、破壊される所に追撃を入れるとダメージに倍率がのる。


小ネタ スタミナ

 魔法系以外のスキルやダッシュで使用されるパラメータ。自動で快復する。

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