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15/18

15:作戦会議

投稿そろそろ遅くなるかもです

 俺は白い部屋にいた。


「やられた……のか」


大人しくペナルティタイムの5分を待つことにした。ハルの時と違ってアイテムが無くなることはない。

 俺はクレドを3割ほど失ってギグルタウンの入り口に立っていた。


「おぉ、いたか」

「ソリティアさん。大丈夫でしたか?」

「まぁ大丈夫だ。すまねぇな。やられちまって、カエデもやられたんだろ?」

「はい。全滅でした」

「だよな。あれは正攻法じゃ倒せない」

「じゃあどうやって倒せば……」

「後で話すさ」

 そのすぐにゴンザさんとルーナに出会った。


「私っ!!もうやめたいんですけど!!」


ルーナが足を震わせて町に響くほどの大声で言う。


「あんな怖いとは流石に聞いていないですよ!!」

「なら、抜けんのか?お前は」

「……それは嫌です」

「じゃあ合理的に行こうぜ」


ソリティアは酒場の方を向いた。


「作戦会議だ!!」


その顔には苛立ちが見えた。

 ゴンザは情報を紙に書き込んでいた。


「俺の鎧が破壊された。復帰には時間がかかる」


たしかに、ゴンザさんの鎧にはヒビが入っている。俺の足装備も同様にヒビが入って防御力がなくなっていた。


「ソリティアさん。あの宝箱には何があったんですか?」


俺が聞くと彼女は少し俯いた。


「剣があった。でも、あれはアイテムじゃない」

「じゃあ装備できないんですか?」

「私には難しいな……ゴンザさん教えてやってくれないか」

「わかった」


ゴンザは強く頷いた。

 ゴンザは酒場でビールを頼んだ。


「このゲームはインベントリ…つまりバッグに入れることのできるアイテムとできないものがある。そして、このビールはアイテムとしてインベントリには入れることができないが掴むこともできるし、飲める」


俺にもわかるようにわかりやすく話してくれている。つまり、宝箱の中の剣は入手できない。敵が落とした剣よりもそこらへんに落ちている石に近いアイテムだと言うことだ。


「入手はできないけど使えると言うのならあれで倒すと言うことですね」

「カエデくんの言う通りだ。俺の斧が効かないと言うのなら、倒す方法は2つしかない」

「ふたつ?」


1つは宝箱の中の剣を使う。じゃあ、2つめは……


「私の杖ですよね…」


ルーナが口を開ける。


「そうだ。レジェンドアイテムを持つ君ならあのワイバーンにも通用するはずだ」

「すいません。ルーナのレジェンドアイテムって何ですか?」

「もうアイツは出してるぜ」


ソリティアが指差しする。それは、ルーナの抱えた杖だった。


「レジェンドアイテム『断罪(パニッシュメント)の杖(ロッド)』。これは所有者のMP(マジックポイント)を全て消費して特大ダメージを与えられてる奥義があります。それには、属性は付与されず、全ての敵に有効な奥義です」

「私は一度見せてもらったがその強さは無法だ。」

「ルーナの杖で倒す。これが2つ目だな」

 2つの作戦。見つかったのはいいことだが、2つとも弱点がある。


「まず、あの剣の入手だ。私はジョブの都合上剣は使えない。というか、開けた瞬間ドラゴンが目を覚ますように作られている。すぐに、潰されちまった」

「そういう仕様のダンジョンなんだろうな」

「…そうだ!!カエデがあの剣を取ればいいじゃないか!!そうすれば、あのワイバーンから攻撃されてもカウンターで凌げるぞ!!」

「いや……やろうとしたんですけど」


俺はカウンターしようと刀を構えたら、あのワイバーンは俺に当たる寸前に振り下ろす手を止めて、何かを手から放出してきた。


「ディレイってやつだな。カウンターブレイドが難しい理由だ」


カウンターブレイドが上級者向けの理由が今わかった気がした。今の俺ではワイバーンの行動派パターンによってはカウンターを決められないだろう。例えば、ブレスなら即死。前のディレイなどの搦手でもタイミングを合わせられるかわからない。


「つまり、カエデくんが剣を手に入れる作戦は博打に近いな…」

「なら、ルーナさんが杖を使うっていうのは?」


ゴンザは首を傾げた。


「ワイバーンに効くのかは博打だが、あの威力なら効くだろう。それよりも…」

「ルーナが足手纏い。だろ?」

「いや、そういうわけじゃないんだが」

「足手纏いでごめんなさい…」


また嫌な雰囲気になった。俺はこういうのが本当に苦手だ。


「どこがどう足手纏いなんですか?」


こういう時は事情を聞いて解決する手立てを考えるしかない。


「ワイバーンまでの道で、全滅しかねないからだ」


たしかに、さっきの攻略で回復アイテムがほぼなくなったし、新調したばかりの腕装備の耐久値もかなり減っている。


「…私の杖には町などのスペースでしかMPを回復できず、別の武器に変えられないと言うデメリットがあります。しかも、私の奥義はMPがマックスでないと使えません。奥義の使用までの時間もかなり消費必要です」


つまり、ダンジョンの中では一度しか使えないわけだ。

「その代わり、ルーナの杖は普通の攻撃でも他のウィザードの5倍以上の出力がある」

「でも、奥義じゃないとあのワイバーンには傷ひとつつかないだろうな」


つまり、ルーナを一度も死なせずに最奥まで行って奥義を時間をかけて撃ってもらう。


「だが、最奥まで行くのが問題だ。アイテムの消費が多い。そうするよりはルーナには安物の杖を持たせた方が良い。私はカエデが剣を持つ作戦にするのに賛成だ。博打でも正攻法に変わりはない」


最奥までの道はソリティアしか倒せる人がいない。俺はワイバーンのブレスをカウンターできないし、ゴンザさんは斧が使えない。奥義を撃つのならルーナは魔法を一度も使ってはならない。


「一体どうすれば……」


俺は少しふざけたことを言ってみた。


「逆にどちらの作戦も並行して行うと言うのはどうですか?」


ゴンザさんが声を上げた。


「たしかに…」

「何言ってるんですか。ゴンザさんは」

「俺も斧以外使えないわけじゃない。火力は例の剣か、ルーナの魔法でいい」

「しかし、ゴンザさんがいないとルーナを守れないでしょう。ただでさえ低レベルのウィザードは豆腐みたいなもんなのに」

「俺がカエデくんとルーナさんを特訓すれば文句はないかい?」

「ダンジョンをクリアできるなら問題ないですけど」


ソリティアは納得したように思えた。綺麗に言いくるめたのだ。とは言っても何を特訓するのだろう。


「これで一旦お開きにしよう。続きはまた明日」


こうして作戦会議が終了し、俺はログアウトした。

 

小ネタ アイテム

 インベントリに収納できるアイテムはフィールドなどに落ちているときに白い枠線のようなエフェクトがかかる。エフェクトがない場合、それをインベントリに入れることはできない。

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