12:新しい3人の仲間
朝に書くのがいい
俺がセントラルで出会ったのは男1人女2人の男女からなるパーティだった。
「俺はこのパーティのリーダーをやらせてもらっている『ゴンザくん』と言う者だ。ゴンザと呼んでくれ」
「ゴンザくん?」
確かその名前を聞いたのは少し前のセントラルだった気がする………確か薬草のステータスメッセージに書いてあったような気がする。これも、運命ってやつかもしれない。
(プレイヤーチェック、ゴンザくん レベル73所属チーム鉄塊会)
レベルも高い。ゴンザくんはまわりのプレイヤーよりも一際大きな体格をしていて、それを覆う鎧。そして、その体格に見合う大きな斧を担いでいた。
「他の2人のメンバーを紹介させてもらう。まずは後衛担当の『ルーナ』だ。」
「ルーナです。……よろしくお願いします」
(プレイヤーチェック、ルーナレベル45 所属チームなし)
ルーナは小柄な女性のアバター。ローブに杖という少しシルバに似ている特徴はあるが、髪の毛は金髪のロング。そして、シルバが木の枝のサイズの棒なのに対して、こちらは箒のような長さを持つ巨大な杖だ。明らかに動きにくそうだが、大きいなりの利点があるのだろう。
「そして、こっちが前衛の『ソリティア』だ」
「こんちゃ」
(プレイヤーチェック、ソリティアレベル60所属チームなし)
ソリティアは大きな体格をした赤色の髪をした女性アバターだ。ナイフを2本を腰に挿していて、ワイルドな見た目をしている。鎧もある程度強固そうなものを身につけているが、身軽さを重視していそうだ。
「俺たちはただの中堅プレイヤーと考えてくれ。とりあえず、酒場に行こうか」
酒場にというのは基本食事をするところだが、このゲームでは喋り合いの場所として使われている。酒場の同じ席に座ったものだけが、話ができるという仕組みだ。防音室のようなイメージとして捉えてもらうのがわかりやすいだろう。
「とりあえず、新入りも来たことだし作戦の説明をしよう」
「わかりました」
ゴンザは地図をテーブルの上に出した。それには赤いバツのマークがついていた。
「ダンジョンというものは知っているかい?」
「いえ、わかりません」
「初心者かよ」
対角の席のソリティアが口うるさく非難を浴びせてくる。初心者なことには変わりないがちょっと傷つく。
「初心者を歓迎するのがこのパーティだよ。まぁ、とりあえず説明させてもらう」
ゴンザが言うにはダンジョンというのはフィールド各地にある横向きの時空の裂け目、ゲートの中にあるものらしい。
「ダンジョンの中はいわゆる自動生成って言うやつで中がどうなっているのかも、難易度すら不明だ」
「つまり、未知の領域」
「そうだ。そしてレジェンドアイテムなどのレアアイデアの入手報告が一番多い場所でもある」
つまり、俺たちがするのはダンジョン攻略というわけだ。しかし、俺はダンジョンと言うものに行くためのゲートを見たことがない。
「俺はゲートを見たことがないんですけど」
「そこがこの作戦の一番の問題なんですよ」
ルーナが震えながら口を挟む。
「私が懸念しているのはゲートの出現確率です。ゲートというのは本来レアエネミーよりも低い確率でしか出現しません。見つけたら超ラッキーみたいな代物なんですよゲートって」
「ルーナの意見もわかるが、4人で手分けすれば見つけやすさは単純に4倍。しかも、ダンジョンは再挑戦がクリアするまでできる。ネットの情報から出現地点の場所もわかっている。1つでも見つけたら値千金のチャンスだぞ」
「でも、海底ステージ周回の方がデスするリスクが……」
「それはつまらないし私は却下だ」
何だか少しギスギスした雰囲気になってきた。
「すまないね、この2人プレイスタイルが合わなくて。まぁ、まだ俺たちはダンジョンを1つも見つけられていない。これから数日はダンジョン探しに専念することになるだろう」
そして俺たちは酒場を後にした。
「カエデくんちょっといいかな」
ログアウトしようとするとゴンザに呼び止められた。
「ゴンザさん、何ですか?」
「渡しておきたいものがあるんだ」
そして、俺は地図と石を渡された。酒場で彼が広げていたものだ。
「それには、俺がネットに調べたゲートがあるかもしれない位置が書いてある。」
「石は何ですか?」
「ダンジョンのデータを保存できる『セーブストーン』だ。これをダンジョンのゲートに近づければ、そのゲートが消えても自分の側に出現させれるんだ」
「なるほど」
つまり、ダンジョンっていうのが探すのが第一関門で、攻略自体は何度でもできるわけだ。いくら時間が経とうともいつかは攻略できるかもしれない。
「俺もソリティアも前衛だからな。頑張っていこうぜ!!」
「はい!!」
どうやら俺は親切な人がリーダーのパーティに入れたようだ。
小ネタ エデントラベラーにおける敬語文化について
基本的に初対面では敬語は使用されないが、レベルや装備の差によって自然に敬語が使用される場合がある。序列のあるチームなどで最も多く使用される傾向にある。




