第九十二話 静かな時間
第一幕 夕暮れの丘
賑やかな一日を終え、二人は、故郷を見下ろせる、静かな丘に腰を下ろしていた。
「今日は……。随分と、恥ずかしい思いをしました」
アストラが、小さく息を吐きながら、そう呟く。
「でも、良い一日でしたね」
ウェルが微笑みながら言葉を返す。
「はい。故郷の皆さんに、会えて――それに」
アストラが、少し言い淀む。
「あなたと、一緒に来られて、良かったです」
「僕も、同じ気持ちです」
夕焼けに染まる、故郷の景色を、二人は、しばし静かに眺めていた。
第二幕 積み重ねた日々
「思えば、色々な事が、ありましたね」
ウェルが、静かに、そう切り出した。
「ゼノンに立ち向かい、初めて共に戦った時。スターナイツ同士の大会で、身内同士の対決をした時」
「はい」
「あなたの言葉に、僕は、何度も救われました」
その言葉に、アストラは、優しく微笑んだ。
「私も、同じです。あなたが隣にいてくれるから、私は、いつも、安心して戦えました」
アストラは空を見あげる。
「アストラさん……」
「支える係、なんて、自分で言ってましたけど……。本当は、いつも、あなたに支えられていた気がします」
その素直な告白に、ウェルは、少し照れくさそうに頬を掻いた。
第三幕 言葉にならない想い
「これからも――」
ウェルが、静かに、言葉を続ける。
「隣に、いてくれますか」
「はい。もちろんです」
アストラが、迷わず、そう答えた。
「これからも、ずっと」
その答えに、ウェルは、心から安堵したように、笑みを浮かべた。
まだ、恋人と呼ぶには至らない。
だが、二人の間には、確かに、これまでよりも、少しだけ近い距離感が、生まれていた。
第四幕 新たな故郷の思い出
「――さて。そろそろ、帰りましょうか」
アストラが、静かに立ち上がった。
「はい。また、次の機会があったら、僕の故郷にも、案内させてください」
「楽しみにしてます」
二人は、並んで、夕暮れの丘を後にした。
賑やかな暴露話も、静かな時間も、全てが、アストラにとって、かけがえのない、故郷の新しい思い出になった。
超戦士スターナイツの物語は、こうして、また一つ、温かな絆を刻みながら、続いていく。
(第十五部・完)




