↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
90/94

第九十話 故郷への帰還

第一幕 緊張の帰郷

「――ここが、私の故郷です」

 アンドロメダ銀河に降り立ったアストラが、僅かに緊張した面持ちで、そう告げた。



「綺麗な所ですね」

 ウェルが、辺りを見渡しながら、そう呟く。



「あ、あの、変に期待しないでくださいね。特に、何もない、普通の場所ですから」

アストラが目線を逸らし、ウェルに告げる。



「アストラさんが、緊張してるところ、初めて見ました」

ウェルが優しい笑顔で話す。



「そ、そんな事、ないです」

 言葉とは裏腹に、アストラの声は、僅かに上ずっていた。


第二幕 母校にて

「まあ! アストラ、久しぶりね!」

 母校を訪れると、恩師らしき人物が、懐かしそうに駆け寄ってきた。


「お久しぶりです、先生」


「そちらの方は……。もしかして、恋人?」


「ち、違います! 同じスターナイツの、仲間です!」

 アストラが、慌てて否定する。



「あら、そう。それにしても、アストラも、立派になったわねぇ。小さい頃は、あんなに好き嫌いが多くて、困ってたのに」



「せ、先生!」

慌てて会話を止めようとするアストラ。



「虫歯ができた時なんて、大泣きしてねぇ」

悪気のない笑顔で話を続ける先生。



「そ、その話は……!」

 アストラの顔が、みるみる赤くなっていく。



「あはは、アストラさんにも、そんな頃があったんですね」

 ウェルが、微笑ましそうに、その様子を見つめていた。


第三幕 更なる暴露

「そういえば、宿題のデータ、登校中に壊しちゃった事、あったわよねぇ」

先生が顎に指を当てながら呟く。



「そ、それは……!」

視線を逸らすアストラ。



「泣きながら、家に帰ろうとしてたの、覚えてるわ」

優しい笑顔の先生、その笑顔に悪意がないからこそ、アストラは余計に動揺する。



「うう……」


 アストラは、もはや、顔を覆いたい気持ちだった。


「先生、もう、そのくらいで……」



「あら、恥ずかしがらなくても、いいじゃない。可愛かったわよ」

 容赦のない暴露に、アストラは、なす術もなく、ただ縮こまるしかなかった。



「アストラさんの子供時代、なんだか、想像すると微笑ましいです」

 ウェルが、優しく、そうフォローする。



「か、からかわないでください……」

 その反応に、ウェルは、ますます楽しそうに笑うのだった。


第四幕 小さな異変

「――ん?」


 賑やかなやり取りの最中、ウェルが、ふと、遠くの気配に気づいた。


「あれは……」


 街の外れから、住民達の、慌てたような声が聞こえてくる。



「なんだか、騒がしいですね」

二人は気を引き締める。



「様子を、見に行きましょうか」

 アストラが、幾分、話題が逸れた事にほっとしながら、そう提案した。



 だが、その先で待っていたのは――彼女にとって、決して忘れられない、ある"再会"だった。

(つづく)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。