第八十八話 賑やかな道中
第一幕 手がかりを探して
「――この星の市場に、まだ在庫があるかもしれないって、聞いたんですけど……」
クルーンが、地図を片手に、そう呟く。
だが、辿り着いた市場では、既に「売り切れ」の札が、寂しく掲げられていた。
「ああ……。また、駄目だったか……」
クレドが、肩を落とす。
「まだまだ! 次、行こう!」
ミルキィが、めげずに、次の場所へと足を向けた。
いくつもの星を巡るも、なかなか、思うようにフルーツは見つからない。
「本当に、あるのか、これ……」
クレドが、疲れた様子で、そう呟いた。
「諦めちゃ駄目だよ! きっと、どこかに――あ!」
第二幕 小さな収穫
ミルキィが、遠くの露店に、目を輝かせる。
「あの……! ギャラクシーフルーツ、まだ、ありますか!?」
「おや、お客さん。運がいいね。ちょうど、最後の三個が、残ってたところだよ」
「やったあ!」
三人は、大喜びで、その最後の果実を手に入れた。
「これで、なんとか、パーティができそうだね」
ミルキィの屈託のない笑顔。
「ああ。皆で分け合えば、十分だろう」
クレドも、安堵の表情を浮かべた。
第三幕 「食べさせてあげるね」
少し休憩をしようと、皆で腰を下ろした時の事だった。
「クレド、はい、あーん」
ミルキィが、悪気なく、フルーツの欠片を差し出した。
「な……! な、なんで、そうなるんだ!?」
クレドが、慌てて、身を引く。
「え、疲れてるみたいだから、食べさせてあげようと思って!」
ミルキィは、不思議そうにクレドを見る。
「や、やめてくれ! 恥ずかしいだろ……!」
クレドの顔が、みるみる赤くなっていく。
「変に、思われたら……。ミルキィだって、嫌だろ……」
「何で? 別に、嫌じゃないけど……」
ミルキィは、きょとんとした顔で、首を傾げた。
「……なんか、ごめん」
その、悪気も自覚もない反応に、クレドは、更に、返す言葉を失ってしまった。
第四幕 賑やかな帰路
「あはは、クレド、顔真っ赤だよ!」
クルーンが、思わず、そう茶化す。
「う、うるさい! 早く、戻るぞ!」
クレドが、動揺を誤魔化すように、足早に歩き出した。
「あ、待ってよー!」
ミルキィが、笑いながら、その後を追いかける。
困難な調達の道のりも、こうして、賑やかな笑い声と共に、無事に終わりを迎えつつあった。
三人は、手に入れた小さな果実を大切に抱えながら、パーティの待つ場所へと、帰路についた。
(つづく)




