第八十七話 困難な調達
第一幕 罰の第一歩
「――さて。約束通り、ギャラクシーフルーツを、調達してもらいましょうか」
ミルフィーが、涼やかな声で、そう告げた。
「わかりました。必ず、調達してきます」
クレドが、真剣な表情で、そう答える。
「私も、手伝うよ!」
ミルキィが、元気よく、そう申し出た。
「ただし――」
ミルフィーが、静かに、付け加えた。
「あの会合で、フルーツは、ほとんど出尽くしてしまったの。今、まともに手に入る場所は、限られてるわ」
「え……」
ミルキィの顔が、途端に曇る。
第二幕 シビアな現実
「ヴォイド宇宙の農場も、今年の生産分は、もう底をついてる。次の収穫までは、しばらく時間がかかるはずよ」
ミルフィーが、淡々と、状況を説明する。
「そんな……。じゃあ、どうすれば……」
「探せば、まだ、僅かに流通しているルートはあるはずよ。でも――決して、簡単な道のりじゃないわ」
その言葉には、これまでの、どこか緩さを感じさせるミルフィーとは違う、厳格な現実が滲んでいた。
「あなた達には、それを、自分達の力で見つけてもらいます」
「お姉ちゃん、厳しい……」
ミルキィがいじけたように呟く
「これは、罰なのよ。厳しくて、当然でしょう」
ミルフィーは、そう言い切ると、静かに微笑んだ。
第三幕 姉のずるさ
「――それと、もう一つ」
ミルフィーが、思い出したように、付け加える。
「フルーツの数が限られるなら、当然、私の分は、しっかり確保させてもらうわ」
「ええっ!?」
ミルキィは目を見開き驚く。
「なんなら、私が全部食べても、いいくらいよ」
「そ、それじゃ、パーティにならないよ! というか、私の分、減らそうとしてない!?」
慌てて抗議するミルキィ。
「あら、バレたかしら」
ミルフィーが、悪びれもせず笑う。
「お姉ちゃん、絶対、確信犯だ……!」
悔しそうに姉を見る。
クレドは、その姉妹のやり取りを見ながら、思わず、小さく笑いを漏らしていた。
第四幕 調達への旅
「よし、それじゃあ、皆で頑張って探そう!」
ミルキィが、気持ちを切り替えるように、そう宣言した。
「僕も、お手伝いします!」
クルーンも、意気込んで、そう続く。
「俺も、必ず見つけ出す」
クレドが、静かに、しかし力強く頷いた。
こうして、一同は、限られたギャラクシーフルーツを求めて、銀河のあちこちを巡る、賑やかな旅に出る事になった。
重い対立を乗り越えた先の、久しぶりの、楽しい騒動の始まりだった。
(つづく)




