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第八十二話 分かたれたまま

第一幕 直接対峙

「クレド」

 ミルキィが、混乱の中、ようやく、クレドの前に辿り着いた。


「――ミルキィ」

 クレドが、静かに、彼女を見据える。


「もう、こんな争い、やめようよ」


「やめられるわけがない。俺達は、譲れないものを、抱えてるんだ」


 二人の間に、これまでのどんな戦いとも違う、静かな緊張が張り詰めた。


第二幕 譲れない想い

「私は、心を信じてる。それは、これからも、変わらないよ」

 ミルキィが、真っ直ぐに、そう告げた。


「その心が、通じない相手に出会った時――お前は、何を犠牲にするつもりだ」

 クレドの声には、静かな重みがあった。


「俺は、その犠牲を、これ以上、見過ごせない。だから――俺は、力を選ぶ」


「クレド……」


「お前とは、きっと、わかり合えない。少なくとも、今は」


 その言葉には、拒絶と共に、どこか、微かな未練のようなものも、滲んでいた。


「俺達は、これからも、対立する。それでも――お前の事は」


 クレドは、そこで、言葉を止めた。


「……いや、何でもない。行くぞ」


「クレド、待って」

ミルキィが、静かに、その背中に呼びかけた。


「私、まだ諦めてないよ。あなたの事」


「……お前のそういうところが」

クレドは、振り返らないまま、小さく呟いた。


「一番、厄介なんだよ」


第三幕 ミルフィーの一喝

「――もう、いい加減にしなさい!」

 混乱を見かねたミルフィーが、鋭い声で、場を制した。


「邪魔をするな!」

 力派のスターナイツ三人が、苛立たしげに、ミルフィーへと襲いかかる。



「静かに」

 ミルフィーが、静かに、片手を振るう。


「邪魔」

 その一言と共に、三人は、あっさりと弾き飛ばされ、勢いよく地面に沈んだ。


 辺りに、束の間の静寂が訪れる。


 誰もが、その圧倒的な力の差に、言葉を失った。


第四幕 分かたれたまま

「――今日は、これで、終わりにします」

 ミルフィーが、静かに、そう告げた。


「この会合は、決着をつけないまま、終了します。皆さん、それぞれ、頭を冷やしなさい」



 その言葉に、誰も、異論を挟めなかった。



 だが――対立の根そのものは、何一つ、解消されていなかった。


「行くぞ、皆」

 クレドが、静かに、力派のスターナイツ達を引き連れ、その場を後にする。


「クレド……」

 ミルキィは、その背中を、複雑な表情で見送った。



 こうして、スターナイツは、心を信じる者達と、力を信じる者達――二つの陣営に、明確に分かたれたまま、それぞれの道を歩み始める事になった。



 争いの気配は、まだ、静かに燻ったまま。



 銀河の平和を守るはずの者達が、互いに向き合わなければならない、新たな試練の日々が、始まろうとしていた。

(つづく)


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