↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
73/98

第七十三話 命を守る力

第一幕 想いの力

「皆さん、聞いてください!」

 劣勢の中、クルーンが、力強く声を張り上げた。


「想いの力を、爆発させて! 自分の守る星の命を思い出し、闘志に変えるんです!」


「星の、命……?」


 一人の守り神が、戸惑いながらも、目を閉じ、意識を集中させる。


「僕の、星には……。小さな生き物達が、暮らしていて……」


 その脳裏に、守り続けてきた星の、鮮やかな記憶が蘇っていく。


「彼らの、笑顔を……。僕は、守りたい……!」


 その瞬間、彼の体が、鮮やかな青いオーラに包まれた。


「こ、これは……! 僕の、守る星の色……!?」


第二幕 覚醒する守り神達

「僕にも……! 出来る、はずだ……!」

 別の守り神も、意識を集中させる。彼の体には、深い緑のオーラが宿った。


「私だって……! この星の、皆を守るって、決めたんだから……!」

 また一人、オレンジ色の輝きを纏う守り神が現れる。


 次々と、それぞれの守り神が、自身の星の色を纏った、確かな力に目覚めていった。


「命のある者は――誰かを守ると決めた時、強くなるんです!」

 クルーンが、皆を鼓舞するように、力強く続けた。


「それは、人も同じです。子供を守る為に、野生動物と戦うタヌキも。巣を守る為に、必死に鳴く鳥も――皆、同じなんです!」


 その言葉に応えるように、守り神達の力が、次々と満ちていく。


 災厄生命体達は、これまでとは打って変わった、確かな抵抗に、たじろぎ始めていた。


第三幕 諦める勇気

 激しい戦闘の最中、一人の守り神が、満身創痍になりながらも、なおも立ち上がろうとしていた。


「まだ……。僕は、まだ、戦えます……!」


「――待って」

 クルーンが、すぐさま駆け寄り、その体を支えた。


「もう、十分です。ここまで、よく頑張りました」


「でも……! 皆が、まだ戦ってるのに……!」


 その悲痛な叫びに、クルーンは、優しく、しかし、はっきりと告げた。


「戦い続ける事が、勇気や強さではありません」


「!」


「時には、諦める事も――勇気であり、強さなんです」


第四幕 悲しみを想う優しさ

「あなたが、いなくなって、悲しむ人の事も……。考えてあげて下さい」

 クルーンは、少し迷うような、悲しげな表情で、そう続けた。


 その言葉には、多くを語らないながらも、確かな重みが込められていた。


「クルーン、さん……」

 守り神は、静かに、涙を滲ませる。


「わかり、ました……。ここは、任せます……」


「はい。あとは、僕達に任せて下さい」

 クルーンは、静かに微笑むと、その守り神を、安全な場所へと運んでいった。


 仲間を守りながら、皆で力を合わせ、着実に、戦況を押し返していく。


 その姿を、物陰から見つめるミルキィの瞳にも、静かな誇らしさが浮かんでいた。

(つづく)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。