第七十三話 命を守る力
第一幕 想いの力
「皆さん、聞いてください!」
劣勢の中、クルーンが、力強く声を張り上げた。
「想いの力を、爆発させて! 自分の守る星の命を思い出し、闘志に変えるんです!」
「星の、命……?」
一人の守り神が、戸惑いながらも、目を閉じ、意識を集中させる。
「僕の、星には……。小さな生き物達が、暮らしていて……」
その脳裏に、守り続けてきた星の、鮮やかな記憶が蘇っていく。
「彼らの、笑顔を……。僕は、守りたい……!」
その瞬間、彼の体が、鮮やかな青いオーラに包まれた。
「こ、これは……! 僕の、守る星の色……!?」
第二幕 覚醒する守り神達
「僕にも……! 出来る、はずだ……!」
別の守り神も、意識を集中させる。彼の体には、深い緑のオーラが宿った。
「私だって……! この星の、皆を守るって、決めたんだから……!」
また一人、オレンジ色の輝きを纏う守り神が現れる。
次々と、それぞれの守り神が、自身の星の色を纏った、確かな力に目覚めていった。
「命のある者は――誰かを守ると決めた時、強くなるんです!」
クルーンが、皆を鼓舞するように、力強く続けた。
「それは、人も同じです。子供を守る為に、野生動物と戦うタヌキも。巣を守る為に、必死に鳴く鳥も――皆、同じなんです!」
その言葉に応えるように、守り神達の力が、次々と満ちていく。
災厄生命体達は、これまでとは打って変わった、確かな抵抗に、たじろぎ始めていた。
第三幕 諦める勇気
激しい戦闘の最中、一人の守り神が、満身創痍になりながらも、なおも立ち上がろうとしていた。
「まだ……。僕は、まだ、戦えます……!」
「――待って」
クルーンが、すぐさま駆け寄り、その体を支えた。
「もう、十分です。ここまで、よく頑張りました」
「でも……! 皆が、まだ戦ってるのに……!」
その悲痛な叫びに、クルーンは、優しく、しかし、はっきりと告げた。
「戦い続ける事が、勇気や強さではありません」
「!」
「時には、諦める事も――勇気であり、強さなんです」
第四幕 悲しみを想う優しさ
「あなたが、いなくなって、悲しむ人の事も……。考えてあげて下さい」
クルーンは、少し迷うような、悲しげな表情で、そう続けた。
その言葉には、多くを語らないながらも、確かな重みが込められていた。
「クルーン、さん……」
守り神は、静かに、涙を滲ませる。
「わかり、ました……。ここは、任せます……」
「はい。あとは、僕達に任せて下さい」
クルーンは、静かに微笑むと、その守り神を、安全な場所へと運んでいった。
仲間を守りながら、皆で力を合わせ、着実に、戦況を押し返していく。
その姿を、物陰から見つめるミルキィの瞳にも、静かな誇らしさが浮かんでいた。
(つづく)




