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第七十話 果実を巡る大混戦

第一幕 次々と現れる者達

「お姉ちゃん、ズルい! そうやって、いつも!」


「なら、あんたは会合に出席できるの!? ロクな意見も言えないでしょうに」



 姉妹喧嘩が、本格的に勃発してしまった。



「あ、あの……。フルーツが欲しいのでしたら、お二人でどうぞ……。全部、どうぞ……」

 銀河連合の上層部が、怯えながらそう提案する。


「ありがとう! じゃ、私から頂くね!」

 ミルキィが、フルーツに手を伸ばした。


「あ、待って……!」

 止めようとするミルフィーを、上層部の一人がなだめようとする。


「まあまあ……。大活躍してくださってる妹さんですから……」


「あなたは、黙ってて下さい」

 ミルフィーに一喝され、上層部はしょんぼりと縮こまった。


「遠慮なく、頂くね!」


 ミルキィが、ギャラクシーフルーツに齧りついた、その瞬間。


「痛い! 待って下さい、僕ですよ!」

 なんと、フルーツに変身していたホエードだった。


第二幕 膨れ上がる参戦者

「ええっ!? でも、本当はホエードも、フルーツ食べたいんじゃ……?」


「僕も、食べてみたい気持ちはあるよ」

 ホエードが、照れくさそうに答える。


「じゃあ、一緒に食べようよ!」



「勝手に決めないで……!」

 怒りの形相のミルフィーが、こちらを睨みつけた、その時。



「私も、フルーツを貰う権利があります」

 アストラが、静かに会合の場へと現れた。


「皆さんが頑張ってるのはわかります。リーダーとしての責務もわかります。ですが、私だけ伝令の仕事に追われている中、皆がフルーツを食べるというのは、如何な扱いでしょうか」


 その表情は平穏だったが、言葉には確かな不満が滲んでいた。


「実は我々も、会合の噂を聞きつけて来ていたんだが。フルーツを独り占めとは、美しさに欠ける」

 なんと、三角銀河トリオまでもが、現れていた。


「ヴォイド宇宙での会合と聞いて、まさかと思ったら、やはりな」

 颯爽と現れたロランが、静かに呟く。


「うおおおおお! 燃えて来たぜえええ! これは、スターナイツと手合わせできる、格好の理由じゃねえか!」

 ゼラが、一人、目を輝かせていた。


第三幕 後戻りできない混乱

「お前も、フルーツ目当てだろ! させねえぜ!」


 ボゴッ!


 ゼラが、勢い余って、偶然隣にいたヴェガとレグルスに、拳を叩き込んでしまう。


「ぶっ……!」


「うぐ!」


 吹き飛ぶ二人。



「おい、そんな事したら、もう後戻りできないぞ」

 ロランが、冷静に、しかし諦めたようにそう告げた。


「いいんだよ! 全員かかってこい!」


 ゼラのその一言で、事態は、完全に手のつけられない方向へと転がり始めた。



「勝負だよ、お姉ちゃん! そんな格好じゃ、まともに動けないでしょ!」


「本当、バカな妹ね!」


 ミルキィが飛びかかり、ミルフィーが動きにくそうにしながらも、それをいなす。


「ああ……。なんて事に……!」

 クルーンが、涙目で、その光景を眺めていた。


「ホエードさん、すまねえな……。でも、やりますか」

 突如、隣から声が響く。


「え?」

 呆気に取られるホエードの前に、申し訳なさそうに拳を構えるキャンの姿があった。


「いきましょう、ウェル!」

 アストラが、星団を呼び寄せる。


「あなた方には、恨みもないのですが……。アストラの気持ちも、わかりますので」

 ウェルも、構えを取り、共闘の姿勢を見せた。


第四幕 クルーンの叫び

「なんで、皆集まって来ちゃったんですか! やめましょうよぉ!」

 クルーンが、涙目で必死に訴える。


「あ、あなた、スターナイツ級の力を持っていましたよね。争いを止めて下さいよ」

 銀河連合の上層部が、藁にもすがる思いで、クルーンに懇願した。


「む、無理ですよ! 僕だって、こんな状況、どうしたらいいか……!」


 辺り一帯を巻き込んだ、ギャラクシーフルーツを巡る大混戦。



 美味しい果実一つが、これほどまでの騒動を引き起こすとは、誰も予想していなかった。


 ヴォイド宇宙の会合の間に、賑やかすぎる悲鳴と、笑い声にも似た怒号が、いつまでも響き渡っていた。


そして、いよいよミルキィをはじめとした戦士達の争いは最高潮へと達する。

(つづく)



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