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第六十三話 思い出した理論

第一幕 好感度選手権へ

「――さて、では審査結果と合わせて、住民投票も行いましょうか」

 審査員の一人が、朗らかにそう提案した。


「投票、ですか?」

 クルーンが、首を傾げる。


「ええ。この星雲では、こういう催しがある時、いつも人気投票で盛り上げるのが習わしでして」


「面白そうだね! やろうやろう!」

 ミルキィが、目を輝かせながら賛同した。


 こうして、変身対決は、いつしか、賑やかな好感度選手権へと発展していく。


「地球の守り神さんの、太陽の彫像、素敵ですね!」


「くじら座のホエードさんの、あの図書館の変身、知的で格好良かったです!」


 住民達の声援を受けながら、二人は、照れくさそうに笑い合った。


第二幕 完全復活

 その賑やかな光景を、幼いアストラは、じっと見つめていた。

「みんな……。たのしそう……」


 小さく呟いたその瞬間――アストラの体が、淡い光に包まれた。


「あ……」

 光が収まると、そこには、すっかり元の姿に戻ったアストラが立っていた。


「アストラちゃん!」

 ミルキィが、嬉しそうに駆け寄る。


「私……。戻れたんですね」

 アストラは、少し戸惑いながらも、自分の手を確認するように見つめた。


「はい。皆で、頑張った甲斐がありましたね」

 ホエードが、静かに、しかし満足げにそう告げた。


第三幕 からかいとお約束の返し

「にしても、アストラちゃんの子供の頃、すっごく可愛かったよ!」

 ミルキィが、にこにこしながらそう言った。


「あの膨れっ面、忘れられませんね」

 クルーンも、思い出し笑いを浮かべる。


「それは……もう、関係ありません」

 アストラは、精一杯の無表情を保ちながら、そう返した。


「『わからない! それは今は関係ないもん!』って、涙目になってましたよね」


「その話は、必要ありません」

 アストラの頬が、僅かに赤らんでいく。だが、その表情は、あくまで冷静さを装ったままだった。


「あはは、アストラちゃんでも、そんな顔するんだね!」


「……忘れて、頂けると、助かります」

 その言葉とは裏腹に、周囲からは、温かい笑い声が絶えなかった。


第四幕 賑やかな別れ

「本当に、良い旅でした」

 アストラが、改めて、星雲の景色を見渡しながら呟いた。


「はい。皆さんに、僕の故郷を見てもらえて、嬉しかったです」

 ホエードが、珍しく、はっきりとそう告げた。


「また、遊びに来てね!」

 住民達が、笑顔で手を振る。


「もちろんです! 今度は、皆さんの好感度選手権、もっと本気で挑みますよ!」

 クルーンが、意気込みながらそう答えた。


「あはは、その意気だよ!」

 ミルキィの明るい笑い声が、不規則な星雲の空に、賑やかに響き渡った。


 重い戦いの記憶を、静かに癒すような、穏やかで賑やかな時間だった。


 超戦士スターナイツの旅は、こうして、また一つ、温かな思い出を刻みながら、続いていく。

(第九部・完)


今回はホエードとアストラに焦点を当てたギャグ回でした。

スターナイツ達の、こんなやり取りも面白かったと思って下さったら、星評価とブックマークして頂くと嬉しいです。


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