第五十五話 消えた生命
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第五十五話 消えた生命
第一幕 異変
「――ミルフィー様、大変です」
アストラが、緊迫した面持ちで報告に駆け込んできた。
「巨大銀河の一つから、生命反応が忽然と消えました」
「……何ですって?」
ミルフィーの表情が、一瞬で険しくなる。
「不審に思った、付近を担当するスターナイツ達が調査に向かったのですが……」
「向かったのですが?」
「――全員、消息を絶ちました」
その報告に、その場の空気が、一気に張り詰めた。
「――もう一つ、気になる情報があります」
アストラが、静かに、端末の記録を呼び出した。
「消息を絶つ直前、一つの銀河から、奇妙な通信が、傍受されていました」
再生された音声には、ノイズ混じりの、抑揚のない声が記録されていた。
『――解析、完了。弱小文明の排除は、既に完了している。次は、貴方達、超文明の番だ』
「この声……」
クルーンが、思わず、身を強張らせた。
「まるで、機械のような……。それに、随分と、一方的な物言いですね」
「関連性は、まだわかりません。ですが――」
アストラの表情に、静かな緊張が滲む。
「この銀河の異変と、無関係とは、思えません」
第二幕 沈黙する銀河
「行くしかないよね」
ミルキィが、静かに、しかし確かな決意を持ってそう告げた。
「僕も、行きます」
クルーンが、頷く。
「私も、同行します。状況の分析が必要になるはずです」
アストラも、静かに構えを取った。
「僕も、行こう」
ホエードも、淡々とそう告げる。
「四人で行くのね……。くれぐれも、油断しないで」
ミルフィーの言葉には、これまでにない不安の色が滲んでいた。
四人は、すぐさま、消息不明となった巨大銀河へと向かった。
第三幕 異様な静寂
辿り着いた銀河は、一見、何事もないかのように、美しい星々が輝いていた。
「星は……。壊れて、ないみたいだね」
ミルキィが、辺りを見渡しながら呟く。
「はい。ですが――」
アストラが、静かに続けた。
「生命反応が、一切ありません。どの星にも」
「そんな……!」
クルーンが、青ざめた顔で、辺りを見回す。
美しい星々の輝きとは裏腹に、そこには、深い静寂だけが広がっていた。
「これほどの規模の生命を、一体、どうやって……」
ホエードが、険しい表情で呟いた。
第四幕 最初の襲撃者
「!」
突如、遠くの惑星から、鋭い砲撃が飛来した。
「危ない!」
ミルキィが、とっさに一同を庇うように前へ出る。
「今の攻撃……。惑星そのものから、撃ってきています!」
アストラが、驚愕の声を上げた。
見れば、無機質な機械の質感を纏った惑星が、砲台のような構造物を突き出し、こちらを狙っていた。
「あれは、生命体じゃない……。まるで、機械の要塞だ」
ホエードが、冷静に分析する。
「一体、この銀河で……。何が、起きてるの……」
ミルキィが、静かに拳を構えた。
見えない何かが、この銀河全体を、静かに支配しつつある――その予感だけが、確かに漂っていた。
(つづく)




