第四十五話 宿敵、再び
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第一幕 姿を現すフェクト
星域の奥、かつて封印されていた場所に、異様な気配が渦巻いていた。
黒い靄が、ゆっくりと人型を象っていく。もはや、それが誰だったのか、判別する術は残されていなかった。ただ一つ確かなのは、そこに宿るのが、全く別の意志であるという事だった。
「――ようやく、ここまで来たか」
声が、静かに響く。
「私は、フェクト。マゼラン星雲に渦巻いていた、あらゆる負の感情から生まれた者だ」
その姿は、輪郭も定まらぬ黒い靄に、無数の昏い瞳が浮かんでいるかのようだった。
「フェクト……! お前は、あの日の……!」
駆けつけたゼラが、拳を握りしめながら、目を見開いた。
第二幕 宿敵、ロゼランの覚醒
「久しいな、マゼラン星雲の戦士よ」
フェクトが、ゆっくりと振り返る。
「お前は……! あの時、俺達が命がけで封印した奴……!」
ゼラの声に、明確な戦慄が滲む。
「ロラン! 聞こえるか! アイツだ、アイツが戻ってきやがった!」
「――ああ」
どこからともなく、ロランの声が響く。かつて一つだった魂は、離れていても、この宿敵の気配だけは瞬時に感じ取っていた。
「行くぞ、ゼラ」
「おう!」
二人の姿が、光に包まれる。
「再び沈めよう。俺達は――ロゼランだ」
青いライトメイルを纏う、聖騎士のような姿が、フェクトの前に立ちはだかった。
第三幕 死闘
「懐かしいな。あの時と、同じ姿だ」
フェクトが、愉悦を滲ませながら呟く。
「今度は、あの時のようにはいかない!」
ロゼランの拳が、猛烈な速さでフェクトへと迫る。
その一撃は、確かに以前よりも鋭さを増していた。かつての死闘を経て、そして今、再び相まみえる強さを持って。
「くっ……! なかなかやるじゃないか」
フェクトが、初めて、僅かに焦りを見せる。
「これで、決める!」
ロゼランが、全身全霊の一撃を放とうとした、その瞬間。
「――甘いな」
フェクトの黒い靄が、不意にロゼランの体を包み込むように広がった。
第四幕 呑み込まれるロラン
「な……!」
「ぐああああっ!」
悲鳴と共に、ロゼランの姿が、二つに引き裂かれるように分裂する。
「ロラン!」
地に伏したゼラが、悲痛な声を上げる。
だが、そこにロランの姿はなかった。
「ロランは、頂いた」
フェクトの黒い靄の奥に、もう一つの意識が、確かに取り込まれていく感覚があった。
「て、てめえ……! ロランを、返せ!」
ゼラが、必死に立ち上がろうとする。
「まあ、慌てるな。まだ、殺しはしない。まだ――使い道が、あるのでね」
フェクトは、そう告げると、ゆっくりとゼラへと向き直った。
「さて、一人になった君は、私をどこまで楽しませてくれるかな。」
単独となったゼラを前に、フェクトの黒い靄が、じわりと不気味に蠢いていた。
今回は、ゼラとロランのコンビだからこその王道戦闘回です。もともとこういった熱血少年戦士のような話を描きたくて、ゼラとロランを思いつきました。
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