第四十四話 見えない刃
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第一幕 一人目の犠牲
「――皆さん、離れて行動するのは危険です。集まりましょう」
アストラが、警戒しながら一同に呼びかける。だが、その声が届く前に、異変は起きていた。
「トライ、いないぞ!」
ラグルが、辺りを見渡しながら叫ぶ。
「さっきまで、確かに一緒にいたのに……!」
アイルが、青ざめた顔で辺りを探し回る。
しばらくして見つかったのは、会場の裏手で、力なく倒れているトライの姿だった。
「トライ! しっかりしろ!」
「な……何が、起きたんだ……」
トライは、意識朦朧としながらも、なんとか言葉を絞り出す。
「一瞬、だった……。何かに、殴られたと思ったら……。相手の姿は、全く、見えなかった……」
「そんな……!」
ラグルとアイルが、悔しげに顔を歪めた。
第二幕 更なる被害
「クルーンさん! ホエードさんが!」
別の場所から、悲鳴に近い声が響く。
駆けつけると、ホエードもまた、地に伏していた。
「ホエード!」
クルーンが、慌てて駆け寄る。
「……油断、した」
ホエードが、掠れた声で呟いた。
「気配すら、感じなかった……。攻撃が来た瞬間には、もう、体力を根こそぎ奪われていた」
「体力を奪う……。それって、まさか――」
クルーンの脳裏に、嫌な予感がよぎる。
第三幕 疑心暗鬼
「一体、何が起きているんですか……!」
残されたメンバーが、緊迫した面持ちで集まっていた。
「気配すら感じさせず、一撃で戦力を削っていく……。しかも、正体を全く見せない」
アストラが、冷静に状況を分析する。
「もしかして、これって……」
「ヴェガさん達を襲った、あの何者かの仕業、なんですかね……」
クルーンが、震える声で呟いた。
「でも、だとしたら……。姿を消したフォカさんや、ミャオリンさんも心配だ……」
「いや、待てよ」
キャンが、腕を組みながら口を挟む。
「もしかしたら、俺達の中の誰かが、既に――」
「キャン、それ以上は……!」
ウェルが、鋭くそれを制した。
「そんな疑いを、仲間同士でかけ合うのは、一番危険です。今は、とにかく固まって、行動しましょう」
その言葉に、一同は、ひとまず頷いた。だが、拭いきれない不安の色は、誰の顔にも滲んでいた。
第四幕 次なる標的
「――さて。次は、誰にしようか」
闇の中、姿の見えない何かが、一同の様子を、じっと窺っていた。
「地球の守り神……。あの子は、なかなか面白そうだ」
その視線の先には、心配そうに、皆の様子を見守るクルーンの姿があった。
「くれぐれも、油断するなよ、地球の守り神」
その呟きは、誰の耳にも届く事なく、静かに闇の中へと溶けていった。
見えない刃は、確実に、そして着実に、その牙を研ぎ澄ませていた。
話が複雑な部分があるので、今回は読みやすくなるように改行多めにしてます。
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