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第四十二話 銀河グルメ配信

第一幕 招待

「――という事で、マゼラン星雲で開催される、銀河規模の料理番組に、皆さんをご招待したいんです!」

 地球にやってきた、テンション高めの運営スタッフが、そう告げた。



「料理番組!?」

 ミルキィの目が、途端に輝いた。


「腕利きの料理人が銀河中から集まる、豪華な配信企画でして。ぜひ、ゲストとして出演していただきたく」


「僕も、腕を振るっていいんですか!?」

 クルーンが、勢い込んで身を乗り出す。


「はい、もちろんです!」


「よーし、気合入れて作るぞー!」

 こうして、一行はマゼラン星雲へと向かう事になった。


第二幕 配信者達

 会場に到着すると、既に多くの料理人や配信者達で賑わっていた。


「――このアタシ、ミャオリンが、今日のグルメ配信、絶対トップ取ってやるんだから」

 ひときわ目立つ、小悪魔的な雰囲気の若い女性配信者が、鏡を見ながら不敵に微笑んでいた。


「他の配信者なんて、蹴落としてでもね。友達? そんなの、勝った後に作ればいいのよ」


「あの人、すごい野心家ですね……」

 クルーンが、思わず苦笑いを浮かべる。


 その傍らでは、見覚えのある顔ぶれが、少し離れた場所で言葉を交わしていた。


「――俺達も、強くなりたいよなあ」

 ヴェガが、ぽつりと呟く。


「ああ。正義の心は捨てないが、力を諦めた訳じゃない」

 レグルスが、静かに頷いた。


「なあ……。もし、また力に飲まれるような事があったら、お前はどうする?」


「……わからない」

 レグルスが、しばし沈黙した後、静かに答えた。


「だが、俺達はスターナイツだ」


 その会話を、少し離れた場所から見ていたクルーンが、思わず不安げな表情を浮かべる。

(な、なんだか、意味深な感じ……。大丈夫かな……)


第三幕 取材青年

「あの、少しお話、聞かせてもらえますか?」

 眼鏡をかけた、小柄な青年が、クルーン達に声をかけてきた。首から小型のカメラを下げ、片手には端末を持っている。


「僕、フォカといいます。フリーの取材記者をしていて。皆さんの事、色々お聞きしたくて」


「はい、いいですよ!」

 ミルキィが、快く応じる。


「ミルキィさんは最強だと伺いましたが……。パンチしか使わないんですね」


「うん、それだけで十分だからね!」


「なるほど……。ちなみに、少し気になっている事があるんですが」

 フォカが、メモを取りながら、さりげなく尋ねる。


「昔、マゼラン星雲を壊滅の危機に陥れた生命体と、死闘を繰り広げた戦士がいたと聞いたんですが……。その戦士って、誰なんでしょう。そして――その生命体は、今、どうなってるんでしょうね」


「え、詳しくは、僕達もあまり……」

 クルーンが、首を傾げる。


「そうですか。……気になりますね」

 フォカは、メモに何かを書き込みながら、静かに微笑んだ。


第四幕 美味しい罠

「――さあ、皆さん、料理をお楽しみください!」

 豪華な料理の数々が、次々と振る舞われていく。


「んー! 美味しい!」

 ミルキィが、目を輝かせながら頬張る。


「これ、なんだか、いい香りがしますね……」

 クルーンが、ふと差し出された一品に首を傾げた。


「あ、それは、こちらのシェフ特製の――」

 説明する声を聞きながら、クルーンは、その香りに、ほんの少しの眠気を覚えた。


「んん……。なんだか、眠く……」


「クルーンさん、大丈夫ですか?」


「あ、あはは、大丈夫です。ちょっと、食べ過ぎちゃったかも」

 クルーンは、それ以上深く気に留める事なく、料理を楽しみ続けた。


 賑やかな配信会場の裏で、静かに何かが動き始めていた事に、まだ誰も気づいていなかった。

(つづく)


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