↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/96

第二十六話 繋がれる想い、そして眠り

ご覧頂きありがとうございます

第一幕 戦闘開始、ウェル奮戦

「ウェル。俺達の、本当の実力を見せてやるよ」

 キャンが、昏い笑みを浮かべながら、一気に間合いを詰めてきた。


「くっ……!」

 ウェルは、とっさに防御の構えを取る。だが、受け止めた拳の重さは、以前の彼が知るキャンとは、まるで別人のようだった。


「速い……! それに、力も桁違いだ……!」


 続けて、レグルスとヴェガも、左右から挟むように攻撃を仕掛けてくる。


「三人がかりとは、正々堂々とは言えませんね」


「正義なんて、もうどうでもいいんだよ」

 ヴェガが、感情の抜け落ちた声でそう告げた。


 ウェルは、鍛え抜かれた技で幾度も攻撃を捌くが、防戦一方の状況が続いていく。

「はぁ……はぁ……。このままじゃ……!」


第二幕 キャンディクルーン、参戦

「ウェルさん、僕も加勢します!」

 クルーンが、杖を構えながら駆け寄る。


「クルーンさん、下がって! 相手は――」


「ここは、僕に力も貸してください!」

 ウェルは一瞬迷ったが、すぐに頷いた。


「わかりました。――闘気付与!」

 ウェルの体から発せられた光が、クルーンの中へと流れ込む。それに応えるように、ホエードから継いだ、あの飴玉のような輝きが、クルーンの全身を包み込んだ。


「いくよ! キャンディクルーンだ!」


「小僧、生意気な力を……!」

 キャンが、忌々しげに舌打ちする。


 クルーンの加勢を得て、ウェルはようやく反撃の糸口を掴み始めた。だが、闇落ちした三人の力は、それでもなお、これまでのどんな敵よりも底知れなかった。


第三幕 空腹の女神、そして脱落

「もう見てられない!」

 ミルキィが、ついに前へと躍り出た。


「ミルキィさん!」


「皆、待たせてごめん! ここは私が――」

 拳を振り上げるミルキィだったが、その瞳に、一瞬の迷いが浮かぶ。


(相手は……同じスターナイツの仲間。全力で殴るなんて――)

 その僅かな躊躇いのまま放たれた一撃は、本来の威力には遠く及ばなかった。


「ぐっ……!」

 キャンが怯みながらも、すぐに体勢を立て直す。


「舐めるなよ……! 手加減、しやがって……!」


「そんな……」

 ミルキィの拳は、確かに通用してはいた。だが、決定打には至らない。


想像以上に強大化した三人を前に、ミルキィの体力も、着実に削られていく。

「ぐ……お腹、空いてきちゃった……」


「ミルキィさん、これを!」

 クルーンが、戦いながらも懐から取り出した小さな包みを差し出す。


「ありがと、クルーン……!」

 戦線を保ちながら、ミルキィは急いでそれを頬張った。


 だが――

「んん……ふぅ、生き返っ……あ」


 満たされた腹に、抗いがたい眠気が押し寄せてくる。

「ま、まずい……。やっぱり、眠くなってきちゃった……」


「ええっ!? 今!?」

 クルーンの悲鳴も虚しく、ミルキィはその場に崩れ落ちるように眠りに落ちてしまった。


「こ、こんな時に……!」


「大丈夫、まだ、僕らがいます!」

 ウェルとクルーンは、眠るミルキィを庇いながら、なおも三人の猛攻を凌ぎ続けた。


第四幕 異変を察知した者

「くっ……! 一体、いつまで持つか……!」

 ウェルが、荒い息のまま、追い詰められていく。

 その時――


「――この気配、まさか」

 瞬時に星の道を駆け抜け、一人の人物が舞い降りた。


「アストラさん!」

 ウェルが、驚きと安堵の混じった声を上げる。


「異常な戦闘力の反応があったので、急いで来ました。……この状況は」

 アストラは、闇に染まった三人の姿を見て、静かに息を呑んだ。


「彼らは、大会で戦ったスターナイツ……。何が、あったんですか」


「わかりません。ですが……様子が、明らかにおかしいんです」

 ウェルが、悔しげにそう答えた。


「キャン、レグルス、ヴェガ……あなた達に、一体何が」

 アストラの静かな問いかけに、キャンは、昏い笑みを浮かべたまま応じた。


「――お前らには、関係ない話だ。だが、ちょうどいい。理論派のスターナイツも、一緒に叩き潰してやるよ」


「……そういうつもりなら、私も」

 アストラは、静かに、しかし確かな決意を持って、構えを取った。


 眠るミルキィを背に、ウェル、クルーン、そしてアストラ――三人の想いが、静かに繋がっていく。


 闇に染まった同期達との戦いは、ここからが、本当の始まりだった。

(つづく)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。