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超戦士スターナイツ  作者: 海原ナギサ
心の影編
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第二十四話 千光年先の敵

ご覧頂きありがとうございます

第二十四話 千光年先の敵


第一幕 道中の腹ごしらえ

「同期の集まり、楽しみだね!」

 ミルキィが、上機嫌に足取りを弾ませる。

「はい。皆さんとお会いするの、久しぶりです」

 ウェルも、穏やかな笑みを浮かべていた。

「そういえば、道中でお腹すいちゃうかもしれないから、腹ごしらえに一つ、お弁当持ってきたよ!」

 ミルキィが、嬉しそうに小さな包みを取り出す。

「ミルキィさん、それ、一つじゃなくて三段重ねですよね……」

 クルーンが、苦笑いを浮かべながら突っ込んだ。

 賑やかに会話をしながら進む一行だったが――ふと、進路の先に、見慣れた気配が漂ってきた。

「あ、災厄生命体だ」

 ミルキィが、あっけらかんとそう呟いた。


第二幕 噛ませ犬、再び

「グヒヒヒヒ! 邪魔するなら、まとめて消し飛ばしてやるぜ!」

 現れたのは、いかにも凶悪な面構えの災厄生命体だった。

「僕が、まずは食い止めます!」

 クルーンが、宿り木の杖を構えて前に出る。

「うおおおおっ!」

 果敢に立ち向かうも、敵の一撃はやはり手強く、クルーンは大きく弾き返されてしまった。

「ぐはっ……!」

「クルーン!」

 ウェルが、慌てて駆け寄る。

 一方その頃、戦況をよそに、ミルキィは道中の弁当をすでに三段重ね完食し、幸せそうにお腹をさすっていた。

「んー……幸せぇ……」

「ミ、ミルキィさん! 今、食べてる場合じゃ……」

「んん……ごちそうさま……」

 満腹になったミルキィは、そのままことりと眠りに落ちてしまう。

「や、やっぱり……!」

 ウェルが、頭を抱えた。


第三幕 千光年先の太陽

「グヒヒヒヒ! 寝てるって、随分と余裕だな! だが、俺を舐めるなよ!」

 災厄生命体が、これ見よがしに力を漲らせる。

「俺はな、千光年先の恒星だって、破壊できる実力者なんだぞ!」

 得意げにそう吠える敵に、クルーンとウェルは思わず身構えた。

「そ、そんな……! 一体どれほどの威力を――」

 その時。

「――と、思った?」

 のんびりとした声と共に、寝転んでいたはずのミルキィが、むくりと体を起こした。

「あ、起きたんですか!?」

「んー……なんか、賑やかな声で目が覚めちゃった」

 あくびを一つしながら、ミルキィは眠たげな目のまま、敵の方をぼんやりと見やる。

「千光年先、凄いね」

 ミルキィが、感心したように、それでいて全く緊張感のない声で言った。

「強いのはわかったから――悪いの、やめれる?」

「な……!?」

 災厄生命体は、あまりの温度差に一瞬言葉を失った。

「お、俺は今、とんでもない力を誇示したはずだぞ! なんだその、気の抜けた反応は!」

「だって、そんな力があるなら、他にもっと良い事に使えるんじゃないかなーって」

 ミルキィは、あくび混じりに続ける。

「星を壊すより、美味しいご飯食べてる方が幸せだと思うよ」

「そ、そういう問題じゃ……」

 困惑する敵に向けて、ミルキィはふわりと軽い調子で拳を構えた。

「まあ、いいや。とりあえず――大人しくしてもらうね」

 繰り出された一撃は、これまでの旅で鍛え上げられた力そのままに、しかし驚くほど軽やかに、敵の体を軽く打ち据えた。

「ぐああ!? い、痛くはないが……なんだこの、力の抜けたような、それでいて凄まじい一撃は……!」

「もう、悪い事しないでね。約束だよ」

 ミルキィの、いつもの笑顔がそこにあった。

「わ……わかったよ……。もう、暴れるのはやめる……」

 災厄生命体は、毒気を抜かれたようにそう呟くと、すごすごとその場を去っていった。


第四幕 いつも通りの日常

「ふぅ……。相変わらず、規格外ですね、ミルキィさんは」

 ウェルが、苦笑いを浮かべながら呟いた。

「あはは……ミルキィのそういうところ、ちょっと安心します」

 クルーンも、ようやく肩の力を抜いたように笑う。

「よーし、それじゃ、改めて出発しよっか!」

 ミルキィが、元気よくそう言って歩き出した。

 いつも通りの、賑やかで、少し呑気な戦い。だが、その先で待つ再会が、これまでのような穏やかなものになるとは、まだ誰も知らなかった。

(つづく)


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