第三部 第二十三話 同期の誘い
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第一幕 見舞いの日
とある星の医療施設。白い光に満ちた一室に、りょうけん座のスターナイツ、キャンの姿があった。
「よう。調子はどうだ」
ベッドに横たわるのは、かつてヴォイド宇宙で重傷を負い、運ばれてきたというスターナイツだった。
「……情けない話だがな。まだ、まともに立てもしない」
力なく笑うその姿に、キャンは何も言えず、ただ静かに見舞いの品を置いた。
「聞いたぜ。あの一帯、とんでもない化け物が出たんだってな」
「ああ……。俺は、始めて自分をここまで惨めに思ったぜ」
重傷のスターナイツは、天井を見つめながら、静かに続けた。
「世の中には、やる気だけじゃ超えられない壁があるって……痛感したよ」
「……」
「聞いた話じゃ、その後、地球に集まってたスターナイツ達がその化け物を倒したんだろう? ……ミルキィ達じゃなかったら、きっと俺達みたいにされちまっただろうな」
その一言が、キャンの胸に、静かに刺さった。
第二幕 燻る想い
施設を後にしたキャンは、しばらく無言のまま、星空を見上げていた。
(俺達みたいに、か……)
脳裏に蘇るのは、大会編でのあの敗北。そして――もっと古い記憶。
(俺とウェルは、確か同期だったよな。スタートラインは、一緒だったはずなのに……)
気づけば、ウェルは銀河でも指折りの実力者、ミルキィに次ぐナンバー2とまで呼ばれるようになっていた。一方、自分は――大会でも、あっさりと三角銀河トリオに敗れ去った。
(アイツは、ナンバー2……。だが、一番じゃない。俺だって、まだ終わっちゃいない)
「――キャン、久しぶりだな」
声をかけてきたのは、しし座銀河のレグルスとヴェガだった。二人もまた、キャンと同期のスターナイツである。
「お前らも、見舞いに来たのか」
「ああ。……にしても、な」
レグルスが、複雑な表情を浮かべる。
「あの一件、正直、他人事とは思えなくてな」
「俺も、同じ気持ちだ」
ヴェガが、珍しく感情の滲む声でそう呟いた。
三人は、しばし無言のまま、重い空気を共有していた。
第三幕 同期の集まり
「――なあ、久しぶりに、同期の集まりでもどうだ?」
キャンが、努めて明るい声で切り出した。
「ウェルも誘って、な」
「ウェルか……。大会以来、会ってなかったな」
レグルスが、少し考えるように腕を組む。
「悪くないと思うぞ。それに――」
ヴェガが、静かに続けた。
「地球みたいに、美味い食い物がある星を見つけたんだ。ナンバー1スターナイツの、ミルキィさんも、ぜひ誘おうじゃないか」
「おお、それはいいな! 皆で美味い飯を食おうぜ!」
キャンが、努めて快活にそう笑った。その内側に渦巻く感情には、まだ自分自身も気づいていないようだった。
――こうして、同期の集まりの誘いが、ウェルの元へと届けられる。
「同期の集まり、ですか」
ウェルは、少し驚いた様子で目を瞬かせた。
「はい! それに、美味しい食べ物もあるらしいので、ミルキィさんもぜひ、って話でした」
「ミルキィさんも……。よし、伝えてみます」
ウェルから話を聞いたミルキィは、途端に目を輝かせた。
「美味しい食べ物! ぜひ行きたい! クルーンも一緒に食事しようよ! 私の奢りでいいから!」
「え、僕もですか!? わ、わかりました!」
クルーンも嬉しそうに頷く。
こうして、賑やかな面々が、同期の集まりへと向かう事になった。
それが、どんな結末に繋がっていくのかも知らないまま――。
(つづく)
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第3部からはヒューマンドラマのようなシリアス回多めになります。一部、2部で作り上げたキャラや世界感を一旦ここで着地させるのが3部になります。
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