第十七話 集結、そして隠しきれないもの
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第一幕 再会、そして無事の報告
「ミルキィー! お姉さーん!」
遠くから聞こえた声に振り返ると、クルーンが元気よく手を振りながら駆け寄ってきた。その後ろには、いつも通り落ち着いた様子のホエードの姿もある。
「クルーン、無事だったんだね!」
「うん! 道中、色々あったけど――ホエードと僕、頑張ったよ!」
クルーンは誇らしげに胸を張ると、思い出したように付け加えた。
「それとね、ホエードが、僕の事『地球の守り神』じゃなくて、『クルーン』って呼んでくれるようになったんだ!」
「へえ! 良かったね!」
ミルキィが、嬉しそうに笑う。
「……別に、大した事じゃない」
ホエードが、いつもの抑揚のない声でそう呟くが、その口元にはほんの僅かな照れが滲んでいた。
「皆さん雰囲気が少し変わりましたね」
ウェルが優しく笑う。
程なくして、もう一組も合流する。
「待たせたな! 我ら三角銀河トリオ、ここに到着だ!」
トライが、いつも通りの調子で高らかに宣言した。
第二幕 小さな成長の報告
「アストラのスターボード、美しさにまだ改善の余地があるが、速さは合格点だったな」
トライが、腕を組みながら講評する。
「具体的には、どの辺りに改善の余地があるのでしょうか?」
アストラが、至って真面目な顔で聞き返した。
「うむ、まず全体のシルエットが――」
「トライ、それ本当に今話す事ですか」
ラグルが、呆れたように口を挟む。
賑やかなやり取りに、ミルキィとクルーンも思わず笑みをこぼした。
「皆、無事に合流できて良かったよ」
ミルキィが、一同を見渡しながら言う。
「はい。ですが――」
アストラが、ふと真剣な表情になり、視線をミルフィーへと向けた。
第三幕 見抜かれた違和感
「ミルフィー様。先程から、少し動きが硬いように見えますが……大丈夫ですか?」
「な……! 何でもないわよ」
ミルフィーが、僅かに動揺した様子で答える。
「実は――この先の探索は、私一人で行こうと思っているの。皆は、ここで待っていて頂戴」
「え、なんで!?」
ミルキィが、驚いた声を上げる。
「危険な場所だからこそ、一人の方が身軽に動けるのよ」
「いえ、その理由には、少し無理があるように思います」
アストラが、冷静に指摘した。
「あなたの動き、明らかに右半身を庇っています。何か、ダメージを負っているのではないですか?」
「!」
図星を突かれ、ミルフィーは一瞬、言葉に詰まった。
「……気のせいよ」
「お姉ちゃん、もしかして、さっきの私の一撃……」
ミルキィが、恐る恐る呟く。
「だ、だから、何でもないと言ってるでしょう!」
ミルフィーが、慌てて声を張り上げた。だが、その声には、いつもの余裕がなかった。
「一人で行くなんて、ダメだよ。お姉ちゃんが本調子じゃないなら、なおさら皆で行こう」
ミルキィが、真っ直ぐにそう告げる。
「私は、規格外の力を持つ最強のスターナイツよ。多少のダメージくらい――」
「隠し事は、あまり得意ではないようですね」
アストラが、静かに、しかしはっきりとそう告げた。
「私達は、共に戦う為にここまで来たんです。一人で背負い込むのは、もうやめにしませんか」
その言葉に、ミルフィーは、しばし黙り込んだ。
「……本当に、あなた達は、揃いも揃って厄介ね」
小さくため息をつきながら、ミルフィーはようやく肩の力を抜いた。
「わかったわ。今回だけは、皆の力を借りるとしましょう」
第四幕 尽きた非常食、そして決意
「よし、それじゃあ、心置きなく進めるね!」
ミルキィが、明るくそう言った、その直後。
「ギュルルルルル……」
「あ」
辺りに響く、聞き慣れた音。
「ミルキィ、まさか……」
クルーンが、恐る恐る尋ねる。
「えへへ……実は、さっきの渾身の一撃で、思ったよりお腹使っちゃって。残りのお弁当、もう食べきっちゃった」
ミルキィは、悪びれもせず、へらりと笑った。
「ええっ!? このタイミングで!?」
「ま、まあ、進みながら何とかなるよ、うん」
「その根拠のない自信、いつも心配になります……」
クルーンが、頭を抱える。
そんな一同のやり取りを見つめながら、ミルフィーは小さく苦笑した。
「本当に、規格外なのはお互い様ね」
だが、その表情には、もう先程までの張り詰めた硬さはなかった。
「さあ、皆。ここから先が、本番よ」
ミルフィーの声を合図に、一行は暗闇の奥――ヴォイド宇宙の深部へと、歩みを進め始めた。
それぞれが、万全とは言えない状態のまま。
それでも、確かな絆を携えて。
(つづく)
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次回からスターナイツ第2部本戦になります。
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