表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それからのクリスタニア〜静かな海に灯はともる  作者: おーがすてぃーぬ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
81/97

ソブリン出港ーキャプテンの背中

ソブリン出港です。

通常、こんなに厳しいスケジュールになることはありません。

アルベルトを見送ったリヒトは、翌日ニューヨークに発つことになった。

移動時間と、クルーの休養時間、ソブリンのスケジュールなど諸々を鑑みて、リヒトが先にニューヨークで調整を行い、その後にヘンリー船長たちがニューヨークに来ることになった。


臨月間近のレイコは、このところどうにも動けなくなっていた。

とにかく体が重い。

ベビーは元気いっぱいだ。


夜は静かにしていてくれるが、寝返りをうつにも一苦労だった。


リヒトがニューヨーク行きのためのパッキングをしていると、レイコがお腹を抱えてやってくる。


「ニューヨーク行く前に、ベビーの名前を決めて欲しいのよ。

何かある?」


リヒトは手を動かしながら言った。


「そうだな。俺の個人的な希望なんだが、男の子ならレオン。女の子なら君が決めてくれ。とはいっても、どっちか分かってるんじゃないのか?」


「知りたい?」


レイコはウフフと笑いながら言った。


「いや…言うな!楽しみがなくなる!」


「女の子なら、ロスウェンにしたいかな。クリスタニアが帰ってきた時だったしね。ベビーが来たの。」


リヒトは少し考えて納得した。


「白薔薇か。BMMらしいな。」


「あなたが最初に抱っこしてくれるように、頑張るわ!」


「船の中で産むつもりか?」


「それはベビー次第よ。だってパパ大好きっ子だもの。」


リヒトとレイコは、この時お腹の子がいいことを思いついた!と一人でニコニコしていたことに気づいていなかった。


リヒトがニューヨークに発つ前日のこと。


晴海本社では、日向キャプテンが支度をし、副長たちとブリーフィングをしていた。


「ニューヨークからは次席とヘンリー船長がクリスタニアクルーを連れて乗ることになっている。

晴海を出てカナダまでノンストップだ。各自準備しておけ。

ゲストとVIPのリストは端末に共有してある。

出港時刻は霧が発生する予報だ。海自出身者は見張りに立ってもらいたい。」


そんな父の様子を見ながら、夏葵はケーキを食べていた。


富士崎社長が、出港前にとエディブルフラワーのケーキを焼いてくれたのだ。


とはいえ、これから着物に着替えなくてはならず、全部食べきれそうにない。


「姉さん、これパパにあげてもいいですか?」


「ソブリンの部屋に冷蔵庫あるぇ。

お部屋に待っていくとよろしぃわ。出港してからしばらくは、食べる暇あれへんさかい。」


夏葵はつまらなそうな顔をした。


そこに着物姿の夏海がやってくる。

太陽のような金色の訪問着に、白薔薇の帯を締めた艶やかな姿は、とても美しい。


「わぁ。夏海さん、すっごく綺麗♡」


「あらぁ?夏海ちゃん、それ陽司坊ちゃんがプレゼントしてくれはったのと違う?」


影千夜は、夏海の髪にある豪華な髪飾りを見た。


「わぁ、簪も白薔薇だー♪」


「これなぁ、随分と前にうちの人がくれたんよ。『夏海は俺だけ思ってればいいんだ!』とか言うてねぇ。うちは飽きるほど毎日思ぅとるのにねぇ。」


「仲良しですねぇ♪」


そこにブリーフィングを終えた二階堂がやってきた。


「そろそろお支度をお願いします!

月乃ちゃん、今夜は霧が出そうだし夜は冷えるから、ソブリンの部屋にあったかいもん用意しといたよ。後で影千夜さんたちと食べてあったまってね。」


「わぁ♡何かなぁ♪二階堂さん、ありがとうございますぅ♪」


そして、日が暮れ始めた頃、ソブリンのレーダーが回り始めた。


ソブリンに、琴の音色が響く。

松の舞台には、制帽を深く被った日向キャプテンがいた。


「スタンバイ。」


その一声と同時に、松の舞台に敬礼を捧げた日向キャプテンの背中は、何かを決めたようにも見えた。

リヒトとレイコのベビーはどっちでしょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ