王子様になりたい!ー筋肉ゴリラたちの特訓
感動の場面から打って変わって、筋肉ゴリラたち登場です
ルナディアに虹がかかる少し前のこと。
ルナディアのボールルームで、元自衛官クルーたちがノビていた。
「…お前ぇ…空挺だったろー。へたばってんじゃねぇよぉ…」
「お前こそ…へたばってんじゃねぇかよぉ…」
「なんで後ろ向きに歩くだけで、こんな難しいんだよ…」
「俺、レンジャー訓練の方が楽だった気がする…」
筋骨隆々の男たちが、床にノビているのをみて、グローリアは笑った。
「皆さん、体感もパワーもありますから、きっと映えるダンスが出来ますよ。リズムに慣れるしかないですね。」
フランツも明るく笑った。
「日本の自衛隊にも、難しいことがあるなんてね。ビックリですよ。ラテンもタンゴもバッチリだったのに。」
グローリアはウィンクしながら付け足した。
「もしかしたら、トキメキが足りないのかも♡ワルツって、お姫様がいたら、王子さまにならなくちゃいけないから、トキメいちゃうと、案外上手になるかもね♡」
その時、筋肉ゴリラたちは思い出した。
そして、全員が同じ顔を浮かべていた。
「「「月乃ちゃん!!」」」
筋肉ゴリラたちは、ムクっと起きあがり、鼻息荒くホールドやポジションの練習を再開したのだった。
「ホールド確認!!」
「背筋伸ばせ!!」
「足踏むなよ!!」
「月乃ちゃんにカッコ悪いとこ見せられるか!!」
そんな筋肉ゴリラたちの様子を、腕を組みながら眺めている男がいた。
「俺なら月乃ちゃんの王子様になれちゃうかもね。」
儀仗隊出身の鷹宮潤である。
顔もよく身長も高く、ダンスのセンスは抜群で、女性社員から届くバレンタインのチョコレートは、毎年山のよう。
ゲストからの人気も当然高い、自衛官出身のクルーの中では王子様だ。
「鷹宮ーっ!!てめぇ、儀仗隊出身だからってバカにしやがって!」
「俺たちの方が、頼もしいんだからな!」
「そーだぞ!ビルの3階から飛び降りて無傷なの俺たちなんだからな!!」
「海自なめんじゃねぇーぞー!毎日甲板ダッシュだからなーっ!」
どうでもいいマウントであるが、本人たちは至ってマジメである。
グローリアとフランツは、日本の自衛隊はこんなにおもしろいのかと、腹を抱えた。
ソブリン出港まで一週間。
筋肉ゴリラもとい、元自衛官クルーたちの戦いは続く。
むさ苦しいったらありゃしません




