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それからのクリスタニア〜静かな海に灯はともる  作者: おーがすてぃーぬ


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光の許し—雪夜に結ばれた誓い

だいぶお待たせしてしまいました。

本業が忙しく、どうにも疲労困憊でした。


クリストファーとエヴェリーナは…

どうぞ、ご覧ください。

オスロの病院に搬送されたエヴェリーナは、夜明け前に目を覚ました。


(そうだ……散歩に行くと言って教会に行って、そのまま気を失ったんだわ……)


だが、なぜ病院にいるのだろう。


状況が掴めずにいると、ベッド脇のソファーで、クリストファーが眠っていた。


体を起こそうにも、点滴の針が刺さったままな上、体は鉛のように重かった。


(……気づかれた……!!)


自分が妊娠したことを告げれば、クリストファーにとっては負担にしかならないだろう。


それに、彼はきっと、この子を拒むに違いない——。


エヴェリーナは愕然とした。


少しだけ身体を起こし、思考がまとまらないまま窓の外へ目を向けた。



「何をしている。休んでいろ」


振り向くと、クリストファーが起きていた。


エヴェリーナは目を合わせることも出来ず、俯いた。


「クリストファー様……私……」


「知っている。なぜ黙っていた」


 冷たくも温かくもない、いつもの口調だった。


「あなたはいずれ、DMCへ帰る身です。そんなあなたの負担になるつもりなどありませんでした」


 シーツをぎゅっと握りしめる。


「それなのに……離れたくないと思ってしまうなんて……」


クリストファーは静かに答えた。


「俺はDMCのすべての役職と権限を放棄した」


 エヴェリーナが息を呑む。


「お前と生きることを決めたからだ」


「何ですって……?」


「俺は、お前がいなければ何も出来ない。それに気づいた」


 その言葉は、驚くほど穏やかだった。


「お前を見つけたのはリュスピールだ。光の矢が、光を見つけたんだ」


 短く息を吐く。


「それなら……俺の光は、おそらくお前なんだろう。俺が光を見つけられるとは、夢にも思っていなかったがな」


 自嘲するような声音だった。


「クリストファー様……」


「俺は不完全だ。だが、俺の子をお前が身籠ったのなら——お前が言うように、俺にも光を受け取ることが許されたのだろう」


 クリストファーは静かに立ち上がり、エヴェリーナのベッドへ腰掛けた。


「すまなかった。俺がお前の分も、Preceptを守ってやる。だから今は休んでいろ」


 そう言って、そっと彼女の腹部へ手を添える。


 エヴェリーナの大きな青い瞳に、みるみる涙が浮かんだ。


「私が……この子を産むことを許してください…」


 声が震えていた。


「私一人でも、必ずこの子を守りますから……どうか……」


 クリストファーは、わずかに眉を寄せた。


「エヴェリーナ。誰が一人で育てろと言った。」


 そのまま腹部へ手を当て、小さく呟く。


「この子は……アストリッドだ」


「え……?」


「エヴェリーナ」


 クリストファーは真っ直ぐ彼女を見つめた。


「魔王と呼ばれた罪深い俺だが……俺がお前の夫になることを許してくれ」


「クリストファー様……」


 ノルウェーには、まだ雪が降り続いていた。


 雲の隙間から覗いた月光が、舞い落ちる雪を羽のように見せたことを——それを祝福だと知る者は、誰もいなかった。


 その頃、DMC新総帥マーカス・ブラッドフォードの寝室の扉が、何度も激しく叩かた。


「社長!! 大変です! リディア夫人が……!!」


まだ夜も明けきらない時間。


息子が幸せな未来を選んだことを知らないまま、

母は1人眠りについたのだった。


クリストファーがエヴェリーナと生きることを決めた時、クリストファーの母リディアは、それを知らないまま旅立ちました。


分かり合えるかもしれなかった親子が、その機会を永遠に失ったのです。クリストファーは果たして。

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