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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第7章 ダンジョンと悪魔の子

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第87話 ダンジョンに挑む0歳児


 それからしばらく経った。

 ギャバンを治療した日を境に、退役した軍人の治療をすることが多くなった。

 誰も彼もみな何らかの役職についている人たち。

 もしかしたら、勇者や謎の軍勢への対処として復帰させようとしているのかもしれない。


「おお、イクラウス殿! 感謝しますぞ! これで我が主のために再び働けますわい!」

「よかったです。主もあなたの真心に感謝しているでしょう」

「はっはっは! 尚更頑張らねば! では失礼!」

「お大事に。主のご加護がありますように」


 今日も“聖癒(せいゆ)”を行う。

 これで10日連続だろうか。

 体はすぐに戻るため問題ないが、さすがに疲れが溜まっている。

 今日はゆっくり母様のお胸に包まれて寝ようかな。

 いや今日こそゲオルディクスを見つけて謝らなきゃ……。


「失礼、イクラウス様。入ってもよろしいでしょうか」


 なんて思っていると、いつもの野太い声が聞こえてきた。


「ゴレイヌか? いいぞ」

「実は、イクラウス様にご依頼が入りました」

「ふむ?」


 依頼?

 治療関係ならばゲオルディクスが――今は別の男だが、来るはずだがゴレイヌが来るとは。

 もしかしてまた遠征だろうか。さすがにこのタイミングでそれは引き受けたくない。


「ダンジョンの攻略に、聖子であるイクラウス様の力が必要とのこと」

「何だって?」

「どうやら彼のダンジョンはアンデット種が多いそうで、冒険者の方々も苦戦しているようです」


 あんなに僕が行くことに反対していたのに、ここにきて『行け』とは。

 上の考えることはわからんな。


「ならば別に放っとけばいいのでは? いずれ誰かがことを成すだろう」

「そうかもしれませんが、今回の“遺物”、もしかしたら教会にとって重要なものになる可能性があるとのことで……」

「というと?」

「最下層で手に入る遺物は、往々にしてそのダンジョンの傾向と真逆の性質を秘めているのですよ。今回で言うと“闇”に対して“光”の遺物なのでは、ということです」


 なるほど、教会の権威を強くする可能性があるから僕を使って、ということか。

 そういうことなら、こちらとしても願ってもないチャンスだ。

 ダンジョンに行こう。


「いいだろう。いつだ? 今すぐか?」

「いえ、3日後です」

「僕は今すぐでもいいぞ」

「3日後です。同行する冒険者の方々の準備もあります故」

「……わかった」


 3日後か。

 仕方ないから我慢するが……そうだ、せっかくならいろいろ試してみたいな。

 そのための準備期間だと思えば悪くない。


「そうと決まれば早速準備に取り掛かろう」

「はい!」




 ◇◇◇◇◇◇


 そして3日後。

 教会の門の前には多くの騎士団が集まっていた。

 先頭の方にはギャバンを始め、先日治療を施した騎士たちが立っている。


「聖子様のご出立に!」

「聖子様のご出立に!」

「聖子様のご活躍を!」

「聖子様のご活躍を!」


 右手を胸に当てながらギャバン氏が最初に叫び、他の騎士団が復唱する。

 まるで聖人が聖戦に赴くようなお見送り。

 その中をゴレイヌとロロップに連れられ、馬車の中に入る。


「やけに仰々(ぎょうぎょう)しいな」

「ぴょん!」

「ですな。ギャバン殿が復帰してから訓練も厳しさを増し――おっと、これは聞かなかったことに」


 ゴレイヌはバツの悪そうな顔で頭をかく。

 彼は彼で苦労しているのだろう。騎士団の上の立場の方だからな。

 ギャバン氏たちは部活でしゃしゃり出てくるOBみたいなものなのだろう。


「お出ししろ!」

「はっ!」


 そんなゴレイヌの号令で、馬車が走り出す。

 この後はダンジョンの前で冒険者と合流、そのまま攻略に挑むこととなっている。


「ぴょん! 旦那様、緊張してるぴょん? 私が守るから大丈夫ぴょん♡」

「ききき緊張などしていない! これは武者震いである!」

「ぴょん?」


 嘘である。

 いくら『聖女の守り』があるからと言って、ダンジョン攻略は怖い。

 罠ってなんだ。魔物が沸くってなんだ。

 意味が分からない。


「ぴょん! ほらほら、これ見て安心するぴょん♡」

「おお、例の神鉄ブーツ履いてきたのか」

「違うぴょん。『旦那様大好きラブ蒸れブーツ』ぴょん」

「ラ――蒸れ?」


 いろいろな意味で言いたくない。

 そして仮にもマーリユス様からいただいた神鉄を用いた武器にその名称はだめだと思う。


「ちなみに、『旦那様大好き』っていうのは、私が旦那様を大好きって意味と……も1つあるぴょん♡」

「もう1つの意味?」

「旦那様が私の足大好きって2つの意味ぴょん♡」

「ああ、そう……なんだ。いい名前だね」


 絶対にその名前を言う訳にはいかなくなった。

 聖イルミナス教会聖子が女性の蒸れ足大好きなんて悪評が広まったら、おしまいだ。

 『旦那様』の後に『のことが』か『が』が入るだけで――いやどっちもどっちだ。

 『蒸れ』が入ってる時点で。


「……見えましたぞ。あちらが今回の冒険者の方々である――」


 終始空気に徹していたゴレイヌがいよいよ口を開く。


「『果てなき旅路』様です」

「…………」


 誰だ。


誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日は10時10分頃と21時20分頃に投稿します!

よろしくお願いします!

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