表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第7章 ダンジョンと悪魔の子

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/94

第85話 事情を聞かれる0歳児


 翌日。

 朝の支度のためにやってきたマリンに声をかける。


「マリンよ、頼みがあるのだが」

「お、おぱんつ……ですか……?」

「違う、靴下だ」


 おぱんつとは。

 まさか毎朝チラチラさせているのは……いや、やめておこう。

 マリンをそんな目で見るのは5年ほど早い。


「靴下を編んで欲しいのだが。頼めるか?」

「まあ! イクラウス様のためなら、喜んで……!」

「僕じゃなくて、ロロップの」

「……はい」


 数分でできると意気込んだが、残念ながらダメだった。

 世の母親がいかに偉大な存在かということを理解しただけだった。

 あとマリン、ロロップのだからって露骨に残念がらないで欲しい。


「糸は用意した。これを使ってくれ」

「これ……イクラウス様……?」

「そうだ」


 マリンにも気づかれてしまっただろうか。

 僕自身で作られた糸でロロップの足を包むと言う変態的行為に。

 しかし当初はやましい意図はなかったのだ。糸だけに。


「わかり、ました。余ったら……私たちの分も作っていい、ですか?」

「ん? それはもちろん……むしろ作っといてくれ。糸も多めに渡しておこう」

「はいっ!」


 言いながら糸を出す。

 どの程度必要かわからないから、とりあえずたくさん出しておく。

 編み物用ということで太めに。


「ああ! ああ! イクラウス様が減っちゃう……!」

「また増える」

「ですが……! ああ、イクラウス様が……」

「糸の見た目ほどは減ってないぞ。とりあえずこれくらいでいいか」


 マリンが抱えられる程度の山盛りの糸。

 この程度なら一食分も食べれば元通りだろう。


「イクラウス様、便利……じゃなかった、すごいですね……!」

「……便利で構わないよ。マリンが個人的に使いたかったら、また出すから言っておくれ」

「で、でも……いいえ、ありがとう、ございます……!」

「うむ」


 遠慮するなを実践しているマリン。

 そういえば彼女の『やりたいこと』は見つかったのだろうか。

 いや、普段から楽しそうにしているから大丈夫か。


「出来上がったら……見てください、ね?」

「もちろん」

「約束、ですからね……?」

「ああ」

「絶対、ですよ……!」

「……うん」


 何をそんなに念押しているのか。

 製作依頼したものの完成品を見ないと言うのはさすがにないと思う。

 こうなると何だか怪しい。


「何を企んで――ん?」


 マリンに問い詰めようとしたところ、何だか外が騒がしいことに気が付いた。

 どうやら誰かが何かを伝えに来た様子。

 もしや勇者たちが来たのだろうか。

 緊張が走る。


「――ダンジョンが――発見――」


 しかしそれは杞憂だったようで、聞こえてきたのはそんな言葉。

 ダンジョンが発見されたということらしい。


「どうやら新しいダンジョンが発見されたようだな」

「ダンジョン、ですか……?」

「ああ、ダンジョンというのはだな……」


 困った、僕も詳しくは知らない。

 聖子である僕は外出を制限させられているし、母様のこともあるからあまり詳しく調べたことがない。

 しかし魔道具より高性能である“遺物”を入手できることは知っている。


「ダンジョンはお宝が眠っている場所だ」

「お宝、ですか……?」

「ああ。魔道具よりすごい力を秘めている道具があるらしい」

「……イクラウス様の作った物の方が、すごいです!」

「あ、うん。ありがとう」


 間髪入れずにそう言ってくれるのは嬉しいが、実際に見てみないとわからない。

 しまったな、グラシェルノが研究していたらしいし見せてもらえばよかった。

 いやこうして入手する機会がやってきたのだ。

 行こう、ダンジョンに。


「よし、ダンジョンに行く! そしてお宝を手に入れるぞ!」

「イクラウス様が、行くのですか?」

「うむ。聖子的権力を発動すれば問題ない。今や主の導きにより、ゲオルディクスあたりが訪ねてくるだろう」


 そんなことを言っていると、本当に部屋の扉がノックされる。

 自分の神の使徒っぷりが恐ろしい。

 もはや自分自身が神そのものではないかとさえ思ってしまう。

 ああ、母様……2人でこの世界をあまねく見守りましょう。


「坊ちゃん、失礼しますよ」

「ゲオルディクスか、待っていた! 行くぞ!」

「はい? どちらへ?」

「当然、ダンジョンだ! まだ見ぬ冒険が! 我らを待っている!」


 しかしこちらの温度とゲオルディクスのそれに差異が生じている。

 心なしかゲオルディクスの笑みも乾いたものに見える。


「ああ、外の騒ぎを聞いたのですね」

「うむ。このタイミングでダンジョンとは。主が僕に行けと言っているようなもの! お前もそう言いに来たのだろう?」

「いえ、私は……」


 『いえ?』

 では、こいつは何しに来たというのだろうか。


「私宛に、鍛冶屋から1白金貨の請求が届きまして」

「…………」

「事情を聞きに来ました」

「…………」

「事情を、聞きに来ました」

「…………」


 主よ、どうか憐れな僕をダンジョンへお導きください。できれば今すぐに。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日からは18時20分頃投稿します!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ