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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第5章 闇魔法と不死者な少女

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第56話 夜の墓地に行く0歳児

 その夜。

 自室にて、事前に呼び出していた者が来るのを感じた。


「来たか、ロロップ」

「はい……既に準備はできています」

「うむ、では早速――」

「はい♡ もう我慢できないぴょん♡」

「のわっ!?」


 ロロップに押し倒される。

 キスもされてしまう。口の周りを――!


「(レストリア! 僕の貞操を守って! いずれ母様に捧げる――)」

「…………」


 無言で呼び出したレストリア、彼女の光に包まれたロロップが落ち着きを取り戻した。

 あとなぜか僕もデコピンされた。


「――はっ!?」

「ロロップよ、今夜呼び出したのはそういうことではない」

「ち、違うんですか……ぴょん」

「もう少し待てと言ってるだろう」


 タイムリミットまで、あと2年。

 しかし今のレストリアとロロップの状況を考えると、発情は聖魔法でどうにかなる可能性があるぞ?

 獣人の救済に――いや、今は別の用事だ。


「神殿の少し北に行ったところ、小高い丘の上に墓地があるのは知っているか?」

「ぴょん? 知らないぴょん!」

「それもそうか。まあ、今日はそこに行く。連れてってくれるか?」

「ぴょん♡ あ、そうだ! 今日買ってもらったお洋服、着て行っていいぴょん?」

「もちろん」




 ◇◇◇◇◇◇


 着替えたロロップとともに墓地へと辿り着く。

 ロロップの足で数分、普通に来ても30分程度の場所だ。


「ぴょん♡ この服、やっぱりかわいいぴょん♡」

「うむ、非常に似合っている」

「ぴょん♡ ぴょん♡」


 ゴスロリ服に自分が身に(まと)っている『悪魔纏い(ディアボリック)し黒衣(・クローク)』。

 まるでお揃いのこの格好、何だか闇の使徒って感じでかっこいい。

 しかしロロップの気に入りよう、本当に買ってよかったな。


「ここで、するぴょん?♡」

「…………」

「確かに誰もいませんけどぉ、初めてはお部屋の中がいいなっ♡ でもでも♡ 旦那様が望むならぴょん♡」

「……いや、さすがに墓地ではしない」


 母様よ主よ、僕に鋼の精神を。

 ロロップに付き合っていると時間が無くなる。

 『悪魔纏い(ディアボリック)し黒衣(・クローク)』を解除し、目的のことを行うとしよう。


「今日はね、とある実験に来たんだ」

「実験?」

「うん。死霊術、ネクロマティックだね」

「それは……」


 ロロップと出会うきっかけとなった、アンデッドの魔王討伐。

 そして奴らに苦しめられる人々を目の当たりにした。

 さすがに思うことがあるのだろう。


「さすが旦那様ぴょん♡ まおーの技を使えるなんて♡」

「お前はもう少し僕を否定してもいいんだぞ?」

「ぴょん♡ 地獄の果てまで一緒ぴょん♡」


 嬉しいけどさ。

 嬉しいけどさぁ。


「教会どころか一般的にも禁忌と言われる技。死者の魂を冒涜している訳だからな」

「ぴょん?」

「だから、ちょっと悪さをしても許してくれそうなここに来たのだ。歴代の聖女や聖人と言われるお優しい方々の眠る墓地に!」

「さすがぴょん♡」


 彼女はわかっているのだろうか。

 さすがに許されるかどうかわからないことをやろうとしていることに。

 せめて拳骨くらいで許してほしい。

 しかしきっと許してくれるだろう。僕には闇魔法の特訓が必要だ。


「ではやるぞ……『死霊術(ネクロマンス)』」


 地中に埋まる骨。

 それに宿る精神、それに(ささや)くように。

 『我に従え、我に従え』と。

 闇の魔法が、地中へと向かっていく。

 少しすると、ボコボコと突き上げて骨――スケルトンが現れた。


「そして……『聖なる癒し』」

「ぴょん? それは聖属性ぴょん?」

「うん。そうなんだけどね」


 クゥとのことでわかったこと。

 それは、アンデッドの邪気をも否定できる、ということ。

 意思など持たぬ、肉体を強制的に操る死霊術。そうではなく、聖属性を混ぜることで本人の魂や意思を強靭なものにすることが可能なのでは。


 その実験でもある。


「まずは……史上最も穏やかと言われた聖女、フランボワーズ様! お願いします!」


 徐々にだが、骨の周りに透けた肉体が形作られていく。

 腰まで伸びた金色のストレートの髪、細められた目、豊満なお胸。

 見るからに包容力に溢れ、聖女様特有の神々しさもあるが……夜中に突然出会ったら漏らしそうだ。弱音を。

 それと、やっぱり怒られるのは怖い。故に“穏やか”。


「――――あれ? こ、ここは……?」

「お初にお目にかかります。私現教会の“聖女代理”イクラウスと申します。突然このような形でお呼び出しして申し訳ありません」


 聖子の説明をするのは後回し。早く要点を伝えなきゃ、敵認定されてしまうかもしれない。

 死霊術で呼び出された聖フランボワーズは晩年の姿ではなく、若いころの姿をしていた。

 穏やかそうな顔でかわいい。

 急な出来事に、目をパチクリさせてるところもかわいい。


「まあまあ、かわいい坊やね~」

「いえあなたの方がおかわいいです」

「ぴょん!」


 ロロップにお尻をつねられた。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日は10時10分頃と21時20分頃に投稿します!

よろしくお願いします!

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