表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第3章 ヤンデレうさ耳獣人と魔王

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/97

第23話 夜に密会する0歳児


 彼女に害意はないことは確信している。

 しかし護衛長であるゴレイヌとしてはそうもいかないようで、僕を左手で庇うように座りなおす。


「ロロップさん」

「はい、旦那様♡ ぴょん♡」

「僕の名前はイクラウス。ぜひとも名前で呼んで欲しい」

「はい、イクラウスちゃん♡ ぴょん♡」


 そこでなぜ『ちゃん』なのか。

 大教皇が聞いたら彼女の辞書に獣人滅殺の文字が加えられそうだ。


「……お嬢さん、イクラウス様は教会において非常に権威のあるお方。どうか呼び方を弁えていただけますでしょうか」

「ぴょん……」

「……ぬ」


 ないはずの耳が垂れている気がする。

 ゴレイヌもなんだがバツの悪い顔をしている。


「ロロップ。これから彼と暮らすのであれば受け入れなきゃいけないこともあるよ」

「ナナリス……わかったぴょん」


 帽子の人、ナナリスさんの言うことには素直に従うロロップさん。

 しかし聞き捨てならない言葉が聞こえた。


「一緒に暮らす訳では――」

「…………」


 そう言おうとした瞬間。

 ロロップの瞳から光が消えうせた。

 全く色がない。完全に黒、否、虚無。


「暮らす――訳ですから、お互い無理のない呼び方が嬉しいですね! とりあえず……最初の『旦那様』が……いい、かな」

「うんっ♡ 旦那様、大好きぴょん♡」


 まずった……手を出してはいけない相手だった……。

 ゴレイヌも完全に手を引いたようで、馬車の外を眺めている。

 僕を庇う手はそのままだが、小刻みに震え始めていた。


「ふふ。さて、ボクはこれで邪魔者となってしまった訳だが。もしよければこの遠征だけは一緒に過ごしてもらえるとありがたい。今更彼らと行動はできないからね」

「ナナリス……」


 それもそうだろう。

 性別を偽っていたという信頼問題もそうだが、あの2人の中に女性1人というのはライオンに松坂牛を与えるようなものだ。

 それに邪魔者という訳では決してない。


「そんな寂しいことを言わないでください。あなたさえよければ教会の一員として――」

「それはすまないが。ボクは気ままな冒険者でいたいんだ」

「そう、ですか。ですが、ぜひロロップさんにはたまにでも会いに来てくださいね。お客人として歓迎いたしますので」

「ふふ、ありがとう。そうさせてもらうよ」


 教会に対する明確な拒否。

 それは獣人に関係するものか、はたまた別の理由か。

 いずれにせよ、今それを追求するつもりはない。


「イクラウス様、そろそろ野営の準備に入るみたいですよ」

「む、そうか。では今日のところは一先ず別行動としましょう」


 窓の外を眺めていたゴレイヌの声に、自身も窓を覗くために立ち上がる。

 その際にロロップさんにだけ聞こえるよう、耳元でこっそり囁く。


「(後で会いに行く)」

「ぴっ……!」


 夜中こっそり会いに行くということを伝えたかったのだが、うまく伝わっただろうか。

 もちろんやましい理由ではない。

 横目でチラッとロロップさんを見ると……非常に不安になった。


「あっ♡ あっ♡ んっ♡」




 ◇◇◇◇◇◇


 夜も更けたころ。

 よく眠っているであろうゴレイヌの横を潜り抜け、目的のテントへと向かう。決して『強制睡眠(スリプレスト)』は使っていない。少ししか。


 貸してあげた神官用のテント、その入り口をそっとめくると……目的の人物が下着姿のまま正座していた。

 僕と目が合うと、その人は三つ指を付き深々とお辞儀をした。


「母から固く言いつけられていました。こういうことをするのは生涯を共にする相手だけと。旦那様、末永く愛してください……ぴょん♡」


 気を使ったのか、ナナリスはどこかに行ったようだ。いらぬ気を使いやがって。

 しかし男性が多い中での野営地にて、下着姿でいることは非常によろしくない。

 そして彼女は重要なことにも気が付いていないようだ。


「ロロップさん、僕は見た目通りの子どもです。まだそういうことはできません」

「愛は、不可能を可能にするぴょん♡」

「主は言いました。『そういうことは大人になってから致せ』と」

「……………………」


 怖い。顔を見れない。

 そもそも結婚する気などない。

 などと言ったらどんな目に合うかわからない。


「なので今しばらくお待ちを。待っててくれるね、愛しいロロップ」

「はいぴょん♡ ずっと待ってるぴょん♡」


 彼女の髪を撫でながら、果たしてこれでいいのかと自問自答する。

 いや、これでいいはずだ。主は常々仰られる。『汝、人を愛せよ』と。

 ゲオルディクスも愛人の1人や2人囲ってそうだし。


「さて、こうして人目を避けてきたのには訳がある。もちろん、単純にロロップさんに会いたかったのもあるのですが――」

「ロロップと、呼び捨てにしてくださいぴょん♡」

「――ロロップに頼みたいことがあってね」

「……ぴょん?」


 そう、我々は今から……夜を駆ける一筋の星となるのだ。


誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日以降は18時20分頃投稿します。


月~木は18時20分頃

金は21時20分頃

土日は朝と夜に投稿していく予定です。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ