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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第3章 ヤンデレうさ耳獣人と魔王

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第20話 通貨偽造する0歳児


 ゴレイヌとともに神殿の外へと向かう。

 神殿の正面は時折市民を集めて演説が行われるほど広い場所となっている。

 既に出立の準備は整っていたようで、そこには大勢の神聖騎士団と十数台の馬車が待機していた。


「昨夜遅く急報が入りましてな。後はイクラウス様を参加させるかどうか決めるだけだったのですよ」

「そうか。できれば参加したくなかったのだが」

「不安なのはわかります。私も最後まで反対しましたので」


 ゴレイヌに馬車へと乗せられながらそんな会話を交わす。

 筋肉チョビ髭のいかつい男であるが、心優しいのも彼の魅力の1つだ。


「出発しますよ」


 いくつかの馬車の後ろ、ちょうど真ん中になるような配置で自分たちの馬車が動き出す。

 これからおよそ3日かけて移動、休憩を挟んで参戦するという。

 つまり、再び母様の元へ戻るのは1週間はかかるだろう。


「主よ……母様とマリンをお守りください」

「イクラウス様……」


 まあ、神の力を乞うまでもないのだが。

 我が力をもってすれば。




 ◇◇◇◇◇◇


 翌日。


 昨日に続いて馬車での移動である。

 持ってきていた伝記『聖マルグリッドその強固な信仰』も3週目だ。

 電車どころか自転車すらないこの世界、1番不便なのは移動かもしれないな。


「イクラウス様、本日より衛兵志願の冒険者たちと行動を共にします」

「うん?」

「各国及び冒険者の支援が必要なほどサンディバーグの戦況はよろしくないということです」

「そうか……」


 魔物。それを率いる魔王。

 国や民の命を脅かす人類の敵。


「イクラウス様には彼らの士気を高めるため、彼らの乗る馬車に慰問(いもん)していただくことになっております」

「慰問?」

「左様。これから死地に向かう彼らに、どうか神の導きがあることをお示しいただきたい。ということですな」


 なるほどな。

 これも聖子――いや、聖女代理としての役割なのだろう。

 であれば断る理由もない。


「おや、話をすれば。どうやら先頭の方は既に合流を開始していますよ」


 馬車から身を乗り出してみると、まるでファスナーが閉じるようにうまいこと合流しているのが見えた。

 事前に打ち合わせもなくよくできるものだ。

 それとも割とよくある行動なのだろうか。


「合流が完了したら、私とともに馬で向かいましょう」

「わかった」


 それから小一時間ほど。

 当初より倍ほどになった集団の動きも落ち着いた頃にゴレイヌとともに先頭へと向かう。


「もし。少々挨拶をさせていただきたく。こちら聖イルミナス教会が聖子、イクラウス様である」

「む? おぉ! わざわざすみません! 中にどうぞ!」


 ゴレイヌよりも大きな男が代表して応えてくれる。

 どうやら以前にも経験したことがあるようだ。つまり、母様と会ったことがあるということ。

 少しだけ嫉妬してしまう――母様、醜い僕をお許しください。


「初めまして。聖女フルルーチェが最も愛している愛息子のイクラウスです。母様は僕のことが大好きなのです」

「おお? おぉ……そうなのかい?」

「はい。偉大にして慈悲深い母様が――いてっ」


 なんだ? 何かが額を小突いた気がする……?

 そして正気に戻った気がする。


「ど、どうした?」

「……いえ、失礼しました。皆様はこれから戦地に向かう、そうですね」

「まぁそうだが……」

「ご安心ください。皆様の勝利は確定しております。偉大なる主と、母様が見守っておりますから」

「……そうだな」

「ふふ、嘘だと思うならこちらの特別な、素敵な女性が描かれた銅貨をお持ちください。それさえ持っていればこの戦いで皆様が傷つくことはないでしょう」

「ん? どういうことだ? 金をくれるんならありがたくもらうが……」

「目印です。それを持っていれば私――母様の慈悲、つまり『聖女の守り』があなた方を悪しき刃からお守りするでしょう」


 これがイクラウス流対冒険者士気向上説法である。

 ありがたいお話も結構だが、冒険者の方々には信仰心よりも実利で励ました方がいいと思ったのだ。


 銅貨は――厳密には銅ですらないが、僕の細胞でできている。ついでに母様の似顔絵も刻まれている。

 母様の素晴らしさを広められる、みんなを守れる、事後はこっそり消滅する。無駄のない、いい手だと確信している。


「何だって!?」

「まじかよ! 敵の攻撃を防いでくれるって!?」

「すごっ……それが本当ならアンデッドなんか余裕じゃない?」

「何それ!? 遠隔魔法ってこと!? 遺物……じゃないわよね。どうなってるの!?」


 うむ、とても喜んでくれているようだ。

 遺物とは……要はダンジョン産の魔道具らしい。詳しくは知らないが……。


「それでは、皆様の行く先に主と母様のご加護があらんことを」

「ああ! 聖子様、ありがとよ!」

「ありがとね、聖子様!」


 うんうん、成果は上々。この調子で頑張ろう。

 『慰問、思ってたのと違うんだけど』という顔をしているゴレイヌとともに次の馬車へと向かった。

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