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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第10章 聖女から生まれました

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第147話 希望の子たちと1歳児


 世界中の人々に告げられた、『約束の時』。

 そして母様にだけ告げられた『神敵を討て』。

 今日から10の夜明け後、つまり10日後に教会を攻めろ。

 そういうことだろう。


「しかし、主も急だな。今から10日後とは……同盟各国と連密なやりとりは不可能だぞ」


 グランデシャイン王国王城にて、久しぶりにほぼ全員そろって夕食を囲む。

 王様とミイラさんだけがいないが、2人だけでイチャイチャしてるのかもしれない。


「もう1度主に頼んでみるとか。『何時にどこ集合な!』って」

「それがね……『我は力を貯める』って言ってからうんともすんとも言わなくなっちゃって~……」


 主め。適当な指示だけ出して現場を混乱させて引きこもるとか。

 会社――じゃなくて世界が崩壊するぞ。


「だけど、もはや教会にはまともな戦力は残っていないのでは? オフィ-リアス帝国が反旗を(ひるがえ)したとなれば他の国もそれに続く可能性すらあります。であれば我々の軍だけでこと足りるかと」


 グラリオンの指摘もごもっともである。

 だけど、敵には間違いなくあいつがいる。


「いえ、恐らく教会はまだ未知の戦力を隠し持っています。その中でも要注意なのが1人判明しています」

「なんと。それは一体?」

「ピンク色の髪に悪魔のような角を生やした女性。詳細はわかりませんが、僕よりも強力な闇魔法を使う」

「なっ!? イクラウス様よりもですか!?」

「うん」


 しかし、そんなことよりも大事なこと。

 それは――。


「こいつは帝国のジリアン皇女の殺害に関わっているだけでなく……母様を殺そうとした。こいつだけは、絶対に許さない」

「イクラウス様……」


 あいつだけは僕の手で……殺す。

 母様や主が慈悲をかけようと、僕が絶対に殺る。


「イクラちゃん、気持ちは嬉しいけど……慈悲の心も忘れずにね!」

「はい! 死んだほうがマシだと思わせてから慈悲の手を差し伸べます!」

「それって、要は拷問した後に殺すってことじゃないのか?」


 グラウゼルは相変わらずうるさいやつだ。


「……ともあれ、今は各国が『約束の時』に間に合うように出陣してくれるのを祈るしかないか。我が国の動向だけ使者をたてて知らせよう。返事が間に合わないことを想定して、な」


 グランデシャインからですら通常の移動で5日ほど。

 それが軍を連れての移動となると、準備も含めてギリギリだろう。

 主め、本当に余計なことをしたな。


「主の導きがあらんことを」




 ◇◇◇◇◇◇


 難しい話ばかりだった夕食を終え、部屋に戻る……前に目的の人物を探す。

 すると彼女たちも待っていてくれたようで、すぐに会えた。


「マリン! クゥ! 会いたかった!」

「イクラウスちゃん……! お姉さんも、です……!」


 マリンに抱きしめられる。それどころか抱えられる。

 彼女にこんな力があったとは。


「まったく……マリンのやつも相変わらずだなー! イクラウス様のマザコンとどっこいだぜ!」

「うん。イクラウスちゃん、大好きですから……!」


 ドストレートな愛情表現に、思わずたじろいでしまう。身動き取れないが。

 というか、本当に力が強くなってない?


「マリン? 筋トレでもした?」

「お! よくわかりましたねイクラウス様! 実は私たち、ここで特訓してたんだよー!」

「特訓?」

「そうそう! 兵隊さんに交じって戦いの特訓!」


 まだ10歳そこそこの少女たちが、兵に交じって訓練をしていたと。

 よろしい、グラウゼルに天罰を下そう。


「人類の希望になるべく! そして聖女様を守るため! 日夜魔法少女として力を付けていたのだぁー!」

「です……!」

「2人とも……」


 いいや、これは彼女のたちの自主性だ。僕が口出すことではなかった。感謝こそすれ、文句を言うなど筋違いだ。

 そもそも彼女たちを止めようとしても無駄だろう。無理やり参加しそう。


「ありがとう。2人の特訓の成果、楽しみにしているよ」

「へっへーん! イクラウス様の出番なんてなくなっちゃうかも! この『闇夜照らす漆黒の希望、堕天のクゥ』に任せて☆」


 妙な二つ名まで付いている。

 人類の希望とかけ離れて行ってることは黙っておこう。

 ところで、マリンにも二つ名はあるのだろうか。


「マリンは?」

「……何が、ですか……?」

「二つ名」

「…………ありません」

「何言ってんだよマリン! 『邪を打ち砕く希望の光、天使マリン』だって言ったろー!」

「……あぅ……」


 照れてるマリンもかわいい。

 しかしやはりあったか、二つ名。

 そしてマリンの方が人類の希望にふさわしいことになっている。


「付けてくれた兵士さんがかわいそうだろー! ちゃんと覚えるんだぞ!」

「……うん」

「…………」


 しかも自称じゃなくて、ちゃんと他称だったとは。

 その兵士とはじっくり話し合う必要があるようだ。


「おや、君たちは……」

「あ! 噂をすれば! あの人たちがクゥたちの二つ名を付けてくれて、ついでに特訓してくれた兵士さんだ! おーい!」

「ははは、相変わらず元気だね!」


 グラリオン……!

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日も18時20分頃投稿します!

よろしくお願いします!

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