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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第9章 母様普及の旅

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第128話 思わぬ再会をする1歳児


 その後数日かけて森を進んむ。

 道中では多くの魔物が現れ、何度も撃退した。

 途中でいくつかの集落にも案内してもらい、聖女像の設置を行うとともに、魔物のお肉を提供したところ大層喜ばれた。

 これもセキの助言のおかげだ。


「チチチ! そろそろ見えてくるよ」

「やっとね……やっとなのね……遂に野宿生活からおさらばなのね~……!」


 オンなのかオフなのか既にわからないタリアさん。

 間違いなく1番消耗しているのは彼女である。


「アステラは大丈夫?」

「はい! 私の中のイクラウス様が『がんばえー』って応戦してくれていますし!」

「そう……」


 アステラの中にいる小さい僕、略してちぃ僕。

 そんな感じなのね。


「私も……イクラウス様に中に()して貰えば……元気になりますか?」

「…………」


 言い方がね、やましいからさ。

 主と母様に反することはできない。

 あとオンモードでもそういうことを言わないで欲しい。


「チチチ! 着いたよ! 私たちの集落で唯一名前のある場所! 『アニマルランド』!」

「まんまじゃないか」


 何だかふわっとした名前だし。

 殺伐としているよりはマシか。キリングピーポーランドとか。


「チチチ! ここには子どもやけがをしている人も多いから、あまり刺激しないでね!」

「わかった」

「それじゃあ、私は大頭(おおがしら)を呼んでくるー!」


 アニマルランドの入り口まで案内してくれたセキが、僕らを置いて行ってしまった。

 これには門兵らしきゴリラの顔した獣人さんもびっくりしたようで、槍を構えてこちらを警戒している。

 そりゃあ急に人間が現れたら誰だって警戒するだろう。


「……ここで待っていた方がいいでしょうね」

「……ですね」


 その間に周囲を見回す。


 唯一名前がついている集落、『アニマルランド』。

 その守りと領域を示しているのは、丸太を組み合わせた巨大な壁のようだ。

 人類の領域ではほとんどが石造りの城壁であるため、頼りなさが勝つ。

 オーガニックさでいうとこちらの勝ちだが。


「石の壁もオーガニックかと思います」

「僕の心の声と会話しないで」


 しかもどうでもいいことで。

 タリアさんは本当に……不思議と言うかなんというか。


「ミステリアスな女性の方が魅力的でしょう?」

「ミステリアスと言うか、電波的な――だから! 心と会話しないで!」


 まさか心でも読めるんじゃ……。

 だとしたら不味いな……僕には秘密がたくさんある。


「ご安心を、読めませんよ」

「そうなの? よかったぁ」


 そう言うことなら安心だ。

 ほっと息をついていると、セキが飛んでくるのが見えた。


「おーい! 何でそんなとこいるのー? 中に入っておいでよー」

「…………」


 思わずゴリラさんと顔を見合わせてしまう。

 最初に刺激するようなことは控えろって言ったのはセキだろうに。


「……どうぞ」

「……ども」


 ゴリラさんが槍を下げ、門の中へと手で入るように促してくれた。

 門の中を進むと、多くの視線を感じる。

 どうやらここの人たちには僕らの存在に気付かれていたようだ。


「こんにちは!」

「――ッ!?」

「ぴっ!?」


 セキの元へ向かいながら、家の物陰からジッと僕を見ている角が生えた男の子と女の子に声をかけてみる。

 牛の獣人の兄妹だろうか、まだ5歳と3歳くらいの子たちだ。

 大丈夫、敵意は全くないよと思いながら。


「うわぁ~! 人間に話しかけられたぁ~!?」

「たべられちゃう! ミディアムでたべられちゃうよぉ~!?」


 やはり牛の獣人らしい。

 焼き加減はともかく、尻尾を揺らしながら猛烈な勢いで逃げていく様が牛っぽい。


「助けてママぁー!」

「うわぁぁん! レアがいいよぉ~!」


 妹ちゃんの家庭環境が気になるな……。

 それにユッケという手もある。

 お腹が減ってきたが、今は我慢だ。


「おい聞いたか? あの人間の子ども、リブローんとこの子どもを食っちまうってよ」

「やはり人間……(おぞ)ましい」

「じゅるり……あんなかわいい子たちを食べちゃうなんて……」


 残念ながらあの兄妹に声をかけたのは失敗だったようだ。

 住民たちにいらぬ不安を与えてしまったらしい。

 しかし1人だけ僕よりヤバそうなのがいるが。


「ふふ……キミは相変わらずだね、少年。それにロロップ」

「えっ!? あなたは――」

「ナナリス! 久しぶりぴょん!」

「ぐぇ」


 ロロップが僕を抱きかかえたままナナリスに抱き着く。

 2対4つの――片方はとてもささやかだが、やわらかい何かに挟まれて気持ちがいい。しかし息ができない。


「苦しっ――助けっ――」


 大きい方のふくらみを掴み、何とか助けを求める。

 その声に反応したのはナナリスだった。


「……少年、久しぶりだと言うのにいきなり胸を揉むなんて……」

「ぷはっ! す、すみません……! あまりに唐突で急なことに頭が混乱してしまいまして! 決してやましい気持ちではなく、手に触れたのが――」

「はは! そんなに早口で……まるで言い訳してるみたいだよ?」


 主よ、柔らかかったです。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日も18時20分頃投稿します!

よろしくお願いします!

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