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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第9章 母様普及の旅

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第127話 小出しにしようとする1歳児


 聖女像の設置を終え、獣人の最前線の集落を後にした僕たち。

 ガルベンの示した方角に向かって歩みを進める。


「うう……虫がたくさん……」

「だらしないですよ、タリア様!」


 泣きそうになりながら進むタリアさんとは異なり、アステラの足取りは軽い。

 僕? 僕はロロップが抱えて離さない。だから足元の不安はないのだが。

 1つ心配してやまないことがある。


「しかし馬車は……シロとクロは大丈夫かな。食べられてはいないだろうか」

「ぴょん!? やっぱり旦那様は馬の方が好きなの!?」

「ロロップの方が好きだけど、心配なものは心配なの」


 この道を進むには馬車では不可能。

 そこにガルベンが責任もって預かると言ってくれたので頼みはしたが……心配である。


「心配いらないよ! 私たち獣人は嘘をつかない! 人間とは違ってね!」

「セキ……お前が言うと説得力がないぞ」


 次の集落への案内はセキがしてくれることになった。

 最初僕らをハメようとしてくれた鳥女。

 よくもまあ何食わぬ顔でついてこれる。


「嘘はついてなかったよ! それにイクラウスのことを気に言ったのも本当だよ!」

「……そうですか」

「チチチ……機嫌なおしてよぉ~。私だって人間怖かったんだからぁ~……」

「…………」


 セキも人間に辛い思いを合わされたことがあるのだろうか。

 だから信用できなかった、と。だけどこうして仲直りのために道案内までしてくれているんだ。

 仕方がないから、僕も歩み寄ろう。


「……わかった。水に流そう」

「チチチ! わーい! これで私たち(つがい)だね!」


 0か100しかないのか。


「イクラウス様の単純さが心配です……」

「ぴょん。私より単純だと思うぴょん!」

「そんなこと……ないだろ?」


 ないよね。

 よしんばあったとしても1歳児。単純なのは仕方のないこと。


「ぴょん!? 魔物の気配!」

「チチチ! 前方に魔物発見! ヘルジャッカル!」


 突然、セキとロロップが同時に声を上げる。

 どうやらこの森、そこかしこに魔物もいるらしい。


「ヘルジャッカル……十数頭の群れで行動、連携して獲物を追い詰める魔物――ヒィ!? 足になんか付いた!?」


 タリアさんがムカデに這われながらも解説してくれた通り、前方から10頭くらい、左右に5頭ずつに分かれた大型犬が現れた。

 どうやら既に彼らの狩りは始まっていたようだ。


「こんなにたくさん!? どうすれば……!」

「ぴょん! 片っ端から――逃げるな卑怯者ぉ!」


 アステラもロロップも、どちらかと言うと1対1向けの戦闘スタイル。

 加えてジャッカルたちは狙いを定められないように立ち回っているらしい。

 ということで、ここは僕が。


「『悪魔潜む(ディアボリック)根城(・フォート)』」

「ギャン!?」

「クゥゥ~ン……」


 敵を弱体化させて縛る『悪魔縛り(ディアボリック)し拘束具(・ジェイル)』。

 その糸を僕を中心に蜘蛛の巣のように張り巡らせ、触れた敵を拘束する広範囲拘束魔法『悪魔潜む(ディアボリック)根城(・フォート)』。


 どんなに素早くても、触れたらおしまいだ。


「へ? 何が起こったの!?」

「さすがイクラウス様です! かっこいいです! ちゅ♡」

「ぴょん♡ さすがぴょん♡ ちゅっ♡」


 何が起こったかわからない様子のセキ。

 彼女に説明してやる義理はない。


「イクラウス様から糸が出るなんて、私も初めて知りました!」

「いと……こうそく……えっち」

「ぴょん! 糸くらい旦那様なら出せるぴょん!」


 しまった、アステラにはまだ言っていなかった。

 というよりも糸を出せる人間に対してそのリアクションで正しいのかと問いたい。

 しかし問うたら困るのは僕なので問わない。


 とはいえ、アステラにもいずれ伝えなければいけないのだ。

 僕の体という生命の神秘。

 ちょいちょい小出しにして様子を伺おう。


「は、ははは! さぁ、せっかくだから魔石の回収しようか! 僕がやるよ!」


 ということで、かねてより考えていた魔石回収法を試してみる。


 まだ生きているジャッカルにとどめを刺しつつ、細胞を体内に送り込み、魔石の場所までたどり着いた細胞を用いて魔石周辺の肉を破壊、そのまま口から運び出す。

 多少内部は傷つくが、時間もかからないし周囲も汚れない。思いつきだがいい方法のようだ。


「まあ! 魔石が独りでに……あれ? これはちっちゃなイクラウス様……?」

「えっ? 極小レベルの僕なのによくわかったね」

「もちろんわかります! 私の中にもいらっしゃいますでしょう?」

「あー……『聖子印聖子』?」

「はい! ふふ、内緒にしていたのがバレてしましましたね!」


 むむ。

 どうやら体のことはバレていたようだ。

 それでも受け入れてくれているのだから、感謝だね。


「えっ、ふくすうにんぷれーもできるってこと? どえっちじゃん」


 こちらも大丈夫……なハズ。

 いやダメか。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日も18時20分頃投稿します!

よろしくお願いします!

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