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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第9章 母様普及の旅

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第122話 筋肉幼女と1歳児


 自称この国の女王である幼女。

 話通りなら20歳の女性らしいのだが。


「実はな! 過日の魔王との戦いにより呪いを受けたのだ!」

「魔王!?」

「うむ! 『呪いの魔王』何とかバーンだ!」


 久しぶりに聞いたが、魔王とは。

 一部は人類に好意的だと言うが、ロッキンバーグとその魔王は戦いになったらしい。

 何とかバーンさん。


「前王率いる我が軍と魔王軍は熾烈(しれつ)な戦いを繰り広げ、両者共に指揮官――つまり前王を失ってしまった。さらに我も敵の呪いでこのありさまよ。まあ戦自体はこちらの勝利であったがな!」

「そんなことが……」


 敵の呪いで姿が幼くなってしまったと。

 闇魔法の一種だろうか。僕にもできるのか?


「見ろ! あそこの肖像画、あれが我の真の姿よ!」


 セレチュ様の小さな指が示す方を見ると、筋肉な王様、筋肉な王妃様の横に20歳くらいの筋肉の女性が描かれている肖像画があった。

 この国はみんな筋肉なのだと理解した。


「なんと勇ましいお姿でございましょう、セレチュティア様。いえ、セレスティア女王陛下」


 甘やかしモードだったタリアさんが急に態度を変えた。それほど筋肉が怖いのだろう。


「そなた、態度が変わりすぎだろう……そもそも何度か会ったことがあるだろうに。前の姿ではあるが」

「そうでちゅねぇ~……いえ、そうですね。確かあれは我が国と同盟を結ぶための会談の時でしたか」


 あ、まじめな話が続くらしい。

 よくあんな態度を取っていた人にキリっとした感じで続けられるな。

 さすがタリアさん。


「うむ。『同盟など軟弱者がすること。自分たち以外全て敵と心得よ』と思っていたが……」

「ですが?」

「守られるのも、悪くはない。イクラウちゅ、お前に足りない筋肉は我が補おうぞ!」


 足りなくて悪かったね。

 しかし僕より先に怒りの声を上げる者がいた。

 アステラとロロップである。


「確かにイクラウス様には筋肉が足りていませんが! 代わりは間に合っております!」

「そうぴょん! 旦那様は筋肉はないけど! 代わりにムニムニほっぺと甘い匂いがあるぴょん!」


 どうやら、僕にも母様譲りの甘い匂いがあるらしい。

 だがそんなに筋肉が足りないと言わなくてもいいだろう。

 しかし僕が怒りの声を上げる前に、とんでもない爆弾を放り投げる者がいた。


「甘い匂いか。確かにイクラウちゅに抱かれている時もいい匂いがちたな!」

「ちょっ……もう少し言い方を――」


 訂正させようとしたが、しかし時すでに遅かった。


「なんと! 既に一夜過ごされておりましたか!」

「まあ! あのセレスティア様が遂に大人に!?」

「戦場と結婚するって訳のわからないことを言っていたセレスティア様が!?」


 宰相と、筋肉メイドさんたちが口々に勝手なことを言っている。

 僕はただ抱っこしていただけなのに。


「そう言われれば……いくら何でも王族の方の肌に触れるのはよくないですね。イクラウス様、迂闊(うかつ)です!」

「ぴょん……敵は狡猾(こうかつ)だったぴょん……」


 僕の味方であるはずのアステラとロロップも白旗を上げたようだ。

 しかしアステラにそう言われるのは釈然(しゃくぜん)としない。


「? うむ! 何度も激しく上下に揺れ、気持ちがいいとは言えなかったがな! イクラウちゅも頑張ってくれた!」

「まあ! まあまあまあ!」

「あんなにちっちゃいのに激しく何度も!?」


 抱っこで揺れていただけだろう。

 普通に考えて、そんなことある訳がない。

 ここの人たちは頭まで筋肉のようだ。


「うむ!」


 しかしこの満足げな笑顔の前では何も言うことができなくなってしまう。

 天使のような悪魔の笑顔とはこういうものか。

 とはいえ天使を愛でるような時間は僕らにはない。


「では早速像の設置をさせていただいてよろしいでしょうか?」

「うむ! 場所はこちらで指定してもいいか?」

「もちろんです!」

「では参るぞ!」


 セレチュ様に手を引かれながら向かったのは、王都入口の反対。山のふもと側だった。


「こっちの方から魔物や先の魔王軍がよく攻めてくる! 我らに勝利を授ける女神像を配置するのにこれ以上の場所はない!」

「すばらしいです」


 遂に母様は偉大でかわいいだけでなく勝利の女神としても認知されるのだ。

 これ以上のことはあるまい。


「『聖女像(フルルーチェ・)降臨(アイドル)』。この地の方々に加護と勝利を!」

「お? おお――おおわぁぁぁぁぁ~~~~!?」


 聖女像に聖魔法を施した後、間もなくセレチュ様の体が光に包まれる。

 その姿が呪いによるものならば元に戻るのだろう。

 少しばかり残念ではあるが、予想通りなので驚きはない。


「ぴょん! セレスが元に戻るぴょん!」

「そんな!? 今のかわいいセレスティア様じゃなくなっちゃうなんて!」

「いやっ! そんなのいや! せっかくかわいいドレスも着てくれたのにぃ!」


 メイドさんたちがまた勝手なことを言っている。

 あのドレスはこのメイドさんが用意したのか。


「ぐぬぬ……ぐぬぬぬぬ! ぬあーーー!!!」


 しかし、かわいらしい雄たけびを上げたセレチュ。

 光が消えた後も姿は幼女のままだった。


「我の真の姿はこれである! イクラウちゅが望んだ姿である!」

「……ぴょん」

「……ええ……」


 まさか『聖なる癒し』を弾くとは……。

 しかし本人がそれでいいならそれでいいや。

 他の人たちも満足そうだし。


「その通りです! セレチュちゃま!」

「セレスティア様! さすがです!」

「かわいかっこいいです!」

「イクラウス様にお似合いですぞ!」


 1人うちのが紛れてるが、気にしないでおこう。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日は21時20分頃に投稿します!

よろしくお願いします!

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日は10時10分頃と21時20分頃に投稿します!

よろしくお願いします!

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