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聖女から生まれました~母様に代わって聖魔法による慈悲と裁きを施しましょう。闇魔法?つ、使ってないよ?(洗脳魔法発動)~  作者: たゃんてゃん
第8章 王国と戦争

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第115話 神の像を作る1歳児


 聖イルミナス教会ではなく、僕や母様を支持してくれる国や地域に、聖女像を贈る。

 ともすれば主の慈悲を盾に支持を強制しているようなもの。

 果たしてそれはどうか、と思わなくもない。


「それはいいじゃないか! 早速我が同盟国……いや、全ての国に使者を送ろう!」

「え? いいのかな?」

「はぁ? お前が言ったんだろうが」

「でもさ、僕らを認めないとあげないってどうなのかなって。主の教えは平等だし」


 どうしてもこう、胸につっかえるものがある。


「別にいいんじゃないか?」

「グラウゼル……」

「お前らを支持さえすれば与えるのだろう? ならいいではないか。機会は平等に与えている」

「そうだけど……」

「主は、まさか敵対している者にまで慈悲をくれてやるのか? 違うだろう。『困っている友に手を差し出さないなら、それはもう敵だ』」


 それは……ついこの間僕がグラウゼルに言った言葉だ。


「そもそも罵倒しながら全ての慈悲を寄こせだなんて、物乞いのすることだ。主の慈悲はこの聖女像だけではない、そうだろう?」

「……そう、だね。そうだよ。グラウゼル、ありがとう!」


 こいつに言われるのは尺ではあるけども、心のつっかえが取れた気がする。


「イクラちゃん……私からもいいかな~?」

「母様」

「この像、とってもいいと思う! 本当は恥ずかしいけど……でね! 1つだけアドバイスしてもいいかな~?」

「もちろんです! 1つと言わず無限にお願いします!」

「では……こほん」


 恥ずかしそうにしながらも、母様は真剣な顔をする。


「この“魔道具化”も素敵だけどね……この像はイクラちゃんの聖なる魔力がたくさん込められている」

「はい!」

「だからね……難しいことはしなくていいと思うの。聖なる魔法は、奇跡の力。神の力。そこに愛があれば、大丈夫だから……」


 母様の体が神々しく美しく光り輝き、像に触れた。

 すると……聖女像も輝き始めた。

 僕の設置した魔法陣が原因ではない。


「これは……! 像自体が魔法を!?」

「うん♪ きっとその方が効果的だと思う♪」


 それは間違いない。

 小さな魔法陣や魔石よりも大きな物の方が効果は大きいのは当然。

 この像自体が魔法陣、魔石そのものということに。


「さすが母様です! 僕など足元にも及ばない、僕にはこのような芸当できません!」

「うふふ、そんなことはないわ。イクラちゃんにもできるはずよ」


 母様が僕の手を取り、聖女像に当てる。


「守りたい人や、治したい人の顔を思い浮かべて……その人が幸せになりますよう、守られますようにって……」

「はい……」


 思い浮かべるのはもちろん母様。

 それだけじゃない。マリンやロロップ、アステラにクゥ。

 他にもたくさん、関わってきた人たち……。


「……母様、これは……!」

「あら? あらあらあら~?」


 僕の力と、母様の力が聖女像の中で混ざり合い、奇跡を起こす。

 聖女像を包んでいた光が爆発的に大きくなり……やがて……。


「誰?」


 聖女像の顔が変わってしまった。

 見知らぬ女性。1度たりとも見たことがない。

 いや……何だか見覚えがあるような気もするが……何だか思い出したくないような……?


「お、おお……まさに奇跡……!」

「ふわぁ~……」


 グラウゼルやマリンの声に気が付き、周囲を見回してみると僕と母様以外のみんなが(ひざまず)いていた。

 あのロロップですら。


「え? みんなどうして……」

「主……はい、わかりました」


 母様が祈るように目を伏せ、手を組む。

 しゅ? 主?

 しかも何か言ってるの?

 え? 僕には?

 

「…………」

「聖女様、イクラウス様。グランデシャイン王国をイルミナス様の聖地として頂けたこと、心より感謝と喜びを申し上げます」

「貴国がしてくださったことを思えば当然です。私たちもこれにより、いや増して人々のために祈ることができます」


 母様……?


 置いてけぼり……いいや食らいつくぞ。

 つまり、僕と母様のミラクルパワーで変化した像の顔は主であるイルミナス様、そしてたった今みんなに『ここを聖地とする!』って神託を下した。

 そこまではいい。なんとなく理解できた。

 しかし1つだけ全く理解できないことがある。


「おい! おい主! 僕にはどうした!? なぜ僕には何も言わない!」

「イクラちゃん! 主が『まだその時ではない』って……」


 じゃあ、いつなんだよ主! 主!

 しかし母様に文句を言うのも筋違いだし、母様がそう言うならいいや。


 なんて思っていると、今度は城壁の内部が騒がしい。

 そしてタリアさんがすごい速さで走ってきた。


「はぁはぁ……い、今頭の中で不思議な声が……ここを聖地とするって!」

「…………」

「ああ! この像は! 頭に浮かんだイメージと同じ! 主よ……ありがとうございます……!」


 もしかして、世界中のみんなに伝えて、僕にだけ伝えなかったってこと?

 いい加減泣いてもいいだろうか。

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日は10時10分頃と20時20分頃に投稿します!

よろしくお願いします!

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