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<クリスマス:第一部番外編>俺たちのクリスマス物語〜秘密のお隣サンタさん〜

主人公アダムたちが10〜11歳ぐらいの時のお話です。

 あれは、クリスマス前日だっただろうか――ニボルさんが突然、俺の家へ挨拶にやってきた。


「アダムくん、研究活動中にごめんね。どうしても前もって伝えておきたいことがあるんだ……」


 真剣な顔つきのニボルさんに、俺は思わず姿勢を正した。きっとサラに関する重大な話に違いない。

 だが、次に飛び出した言葉は予想を裏切るもので……まさかのイベントに関する話だったのだ。


「明日って、クリスマスだろう? サラちゃんはサンタさんがいると信じている。それで……今日の夜、僕はサンタさんのコスプレをして、彼女が寝ている間にプレゼントを置く予定だ。変質者だと勘違いされないよう、事前に言おうと思って来たんだ!」


 その真剣な表情に、俺は思わず吹き出してしまった。


「いや、ニボルさん、それ……完全に怪しいやつだろ!」


 そうツッコミを入れつつも、どこか温かい気持ちになった。


 だって、サンタさんがいるなんて……11歳になっても信じているなんて、どれだけ純粋なんだ……。

 サラの無邪気さが、なんだか愛おしく思えてきた。


「大丈夫ですよ、お気になさらず。何をプレゼントするんですか?」

「ウサギの手袋だよ。サラちゃんはここ数ヶ月、パソコンでずっと『ウサギの手袋 サンタさん 来てくれる?』とか『ウサギの手袋 かわいい サンタさんお願い』って検索していたみたい。今はサンタさんに向けて、手紙を書いているところなんだ」


 なんて面白い検索内容なんだ。

 検索している内に、サンタさんの正体に気付きそうだけど……素直なサラのことだから、まだ気づいていないのかもしれない。


「手袋いいですね。んじゃあ、サンタ活動頑張ってください!」

「ありがとう〜」


 

 そして、翌日。

 俺は目を覚まして、カーテンを開けた。

 すると……なぜか窓の近くにプレゼントが置いてあった。


(えっ、誰が置いたんだ?!)


 淡い色で包装されたかわいい袋を手に取ってみると、中には駒込ピペットが入っていた。

 さらに、小さな手紙も添えられている。


『アダムくん、いつもありがとう。末長くよろしくね』


 その文字を読みながら、思わず笑みがこぼれた。


(もしかして、ニボルさんが用意してくれたのか――?)

 

 まさか、自分がプレゼントをもらう側になるとは思ってもいなかった。

 

 ポカーンとしている間に、隣の家からサラが駆け寄ってきた。

 

 満面の笑顔だ――どうやら、彼女の家にもサンタさんが訪れたらしい。


「アダムさん! おはよー! うちにもサンタさんが来たんだよ! 部屋にね、サンタさんの帽子が落ちてたの! サンタさん、すごく頑張ったんだね! 嬉しいよー!」


 サラは嬉しさのあまり、ぴょんぴょん跳ね回っている。その姿はまるで、元気いっぱいのウサギみたいだ。

 俺は、お隣サンタさんの気遣いに感謝しつつ、彼女の興奮に合わせて相槌を打った。


「あぁ、最高のサンタさんだよ……」

「えへへ〜! この帽子は来年、サンタさんが来た時に返そう!」


(早い! もう来年の話をしている……)


 

 そんな感じで、俺と彼女は、この後ニボルさんの家でクリスマスパーティを楽しむ予定だ――俺の大好物、焼きたてのクッキーを頬張りながら。


(ニボルサンタさん……ありがとう!)

<余談>

メリークリスマス!

クリスマスはケーキ派ですか? それともクッキー派?

アンズ「私はアイスケーキだったよ!」

ケイ「アタシはチキンよ!」

アンズ(意外! それは主食ッ!)

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