第17話 ジュノと街へ。
何をしようか迷っていたが、前にジュノが「街へ行きたい」と言っていたのを思い出したから街へ行くことにした。
いい気晴らしになるだろう。ジュノもいつも警戒していたら疲れるだろうしね。
街はなぜだか、祭りを迎えた時のようなにぎやかさに圧倒された。
なんか祭りなんてあったっけな?
疑問に思っていると、ジュノが説明してくれた。
「アリアに聞きましたが、神族長がくるとみんな喜ぶんだそうです。だからその間だけ、ここら辺の地域ではお祭りみたいになってるって言ってました。」
まぁ普通そうなるか。自分たちが敬ってる人たちってわけだしね。
っていうか、ジュノのやついつからアリアのこと呼び捨てするようになったんだろう……?
まぁ、少しでも仲良くなってくれたってことでいいのかな?
周りの屋台や店からおいしそうないい匂いがしてきた。その匂いでお腹がすいていることに気づいた。
「ねぇジュノ。おなかすいた……」
「僕もです。あそこの店に行きましょう。」
そう言ってジュノが指差した先には、焼きおにぎりのようなものが売っていた。
この世界には、お米に似た“ナチ”という穀物があった。ここの国の主食は、“クテ”という穀物から作られたパン(あたしの元いた世界と同じ)なのだが、あたしはナチを食べることが多かった。
ご飯もパンも好きだったが、あいつはご飯をよく食べていたから―――。
あんな世界でも、食だけはすごかった。うまかった。
だから、懐かしくて食べたくなるのだ。
そんなこんなで、あたしはナチにぎり焼きを買い、ジュノは近くにあったチョコレートのような甘いお菓子を買っていた。
お腹すいて買ったのがお菓子か……。もうお昼の時間なんだからもうちょっと腹持ちするような食べ物を買おうとか思わなかったんだろうか?
まぁ、人の食生活にどうこう言えるような食生活でないけど……。
でも、やっぱりあとからまた「お腹すいた」って言われてもちょっと困るし、あたしのを一つあげた。
差し出されたあたしのナチにぎり焼きを不思議そうに見つめるジュノ。
「あげる。だからそれ頂戴。」
そう言うと納得したのか、ナチにぎり焼きをとって空いた掌に何個かお菓子を載せてくれる。
それをそのまま口の中に運び、食べながら「ありがとう」とつぶやいた。
お礼をなんて、彼以外に言ったのは何年振りかわからないかったから少し恥ずかしかった。
さっきの「ありがとう」が聞こえていたのかいないのかわからないが、ジュノが笑顔だったので恥ずかしさがなぜかなくなった。
一通り、街を歩くともう日が沈みかけていた。
「もう帰るか…。」
少し惜しい気もするが、これ以上ここにいるわけにもいかない。
日が沈むまでに帰るとコノルに伝えたからだ。これ以上心配も迷惑もかけるわけにはいかない。コノルはあたしにとってもよくしてくれてるから。
「また来ましょう。しばらくはこんな雰囲気だとアリアも言っていたので。」
「今度は3人で来よう。」
「そのほうが、楽しそうですね。」
あたしは「瞬間移動」と唱え自分の部屋に帰った。




