表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファイティングガール!  作者: Jack…
大学二年
78/102

スコットだって苦悩しているのさ

全く・・・ジョージも真っ当なことを言ってくれるぜ・・・


ただ、今回ばかりはあっちに正当性があるのも事実だろう。

あの連中もそういうパイロットなら危険な任務でも安く使えるだろう?って考えたからだ。


そんな万能なパイロットが安いわけないだろう。


やつらの言っていることも滅茶苦茶なんだ。業務の内容が滅茶苦茶だからな。

まとめると、古典機に乗れて、最新のアビオニクスにも対応でき、度胸があって、臨機応変なパイロットだ。可能であれば個人での戦闘能力も高いに越したことはない。


ほら、こう言われれば、古参、中堅問わず、例え大規模な空軍だとしても、その中でも「あの人なら・・・」とか数人が挙がるのが精々という条件なのが分かるだろう。

まあ、古参だったら偉くなりすぎていて、今更前線に出ることはないし、中堅でも個人での戦闘能力という点では、空軍は大体満たさないのが普通だ。


オレも彼女に直接会ったのは、ほんの数回、合計でも一時間もないが、まあ、殺せるんなら大丈夫だろうな。というのがオレの感覚だ。

握手も手袋越しだったが、しっかりと力と殺気を入れて来た。

・・・普通の人間は本当にイザという時になっても他人を殺せないもんだし、こんな殺気も出してこない・・・まあ、直感だからアテになるかは別として・・・


さて、タフな交渉を開始するか。ここからは「チャーリー」と名乗る。

ブラボー、チャーリー、ジョンあたりはほぼ、偽名な世界だよ。


           ・・・


チャーリーから、ジョンドゥ。


「ジョンドゥだ。例の女子パイロットだが・・・女子で大丈夫か?」


見た目は女子だが、性格やパワーは女子だと思わないほうがいい。


「どういうことだ?」


彼女は、グリーンベレーの成れの果てがローカルギャングで用心棒をしていた、ってヤツと戦ったことがある。


「ほう・・・ジャンキーだったとしても中々には強いだろうな。ヤラれちまったのか?」


そうだ。元グリーンベレーが翌朝、凍死体で発見されたそうだ。真冬だったからな。


「え・・・勝ったのか?」


生死という意味では勝ちだな。死んでないんだから。

そして、ローカルギャングは死んだんだから負けだな。


「まあ、その定義に反論はしないが・・・自称だとしてもそれなりに強かったんだろう?」


そう聞いてはいるが、オレも会ったわけではないんでね。


「女子のほうには会っているのか?」


もちろん。握手にしっかり殺気を込めてきた。しくじったら殺られるかもな、とは思ったよ。


「でかいのか?」


定義にもよるが女子で6ftより高いんだからデカいんだろうな。


「300lbsくらい有りそうなやつか?」


ああ、違う違う。そういう体型じゃない。シルエットは女子だ。ただ、鍛えれば200lbsと言われても違和感はないな。6ft3in、200lbsなら男女とも筋トレすれば普通だろう?

最後に見たときは200はなかったと思う。180lbsならあっても驚かないが・・・


「6ft3inか・・・まあ、それでハードボディなら180lbsでもおかしくはないか・・・」


ヘンな気は起こすなよ?

つい最近もサンノゼでPMC の訓練に参加したみたいだが、襲って来た男がいて、そこの会社の社長が、遺族への手紙を書くハメになった。


「危険な女だな・・・」


暴力には暴力で対応するってだけで、こっちがマトモなら危険性は無いんだよ。


「そうなのか?」


そうだ。それより、彼女への依頼内容を変更したほうがいい。

正直、彼女にフェリー任務だけを頼むのはもったいないんだ。


「どういうことだ?」


彼女は・・・飛行機、パイロットとしてだけではなく、大体全ての項目について天才的だ。

語学だって、バスク語を含むほぼ全てのヨーロッパ語がわかるし、アラビア語もヘブライ語もわかる。このわかるってのが、普通に読み書きするだけでなく自然に会話できるってレベルだ。

まあ、切り替えの時の何十秒かはもう一度会話し直しが入るがな。


「ああ、例のラジオか。一時期は聞いていた。確かに多言語だけではなく内容も高度だったな」


で、お前んとこの、L-100モドキ、T56から、AE2100に換装するらしいな?


「ブツは届いている」


で、ペラも交換だって?


「それでなければ、折角の高出力化と低燃費化ができないからな」


でも、元々のL-100に、C-130用の装備を追加して、C-130相当にしたところはそのままなんだよな?


「まあ、動かすんならなんとかなるよ。ウチの整備班でもな」


ただ、AE2100の性能が出せるかな?


「痛いところを突くなあ。まあ、動かすだけならどうにかなるよ」


オーバーホールを兼ねてるとはいえ、それじゃロールスが泣くだろ?


「そうだけど、どうしろっていうんだよ。ウチの整備のジジイ連中じゃ、Garmin のアビオニクス統合だってめちゃくちゃ苦労してんだよ。安定しないしな」


彼女に丸投げしろ!!


「・・・はあ!!なんだって!!いくら天才でも素人に軍用機の整備なんかできるわけないだろ!!」


メカはな。エレクトロニクスやコンピューターはわからんぞ?

結局、Garmin 統合が苦しいんだって、油圧計とかがアナログメーターだからだろう?


「まあ・・・それはあるが・・・」


お前、電食って理解してるか?


「なんだそれは・・・」


整備担当でないにしろ、調達を担当するやつがソレではなぁ・・・


「うるさい!!説明しろ!!」


アルミと鋼鉄が触れあっているところに犠牲防食、Zincってのがないと、アルミが溶けるんだよ。電気が流れてるとな。


「L-100の表皮に電気なんか流れないだろ!!」


今までも流れていたハズだし、Garmin とかでさらに流れるようになったはずだ?


「どういうことだ!?」


今までだって、電気系統はあっただろ?スターターみたいな強力なやつは、赤と黒の二本、または緑を含めて三本の電線で直接供給していたんだろうが、追加の電装は適当にそのヘンにGNDという線をボルト止めしているだけだろ?


「よく知ってるな・・・」


それはそれが普通だからだ。ただな、そこからも今じゃ結構な電流が流れちまう。その上な?


「なんだ?」


ノイズが電子機器に乗りまくる。たぶん、それが不安定の原因だ。


「・・・マジか・・・直せるのか?」


彼女ならな。$2M用意しろ。


「・・・ふざけるなよ!!!」


あのなあ、彼女が一人で直すわけじゃないんだ。彼女は優秀なパイロットだが、Owner Companyの社長でもあるんだ。まあ、社長(President)というより司令官(Commander)だがな。半分が人件費として、100人×$10000って高いって金額じゃないだろ?

それに、裏があるにしろ、AE2100 が4機にカーボンファイバー系複合素材のプロペラ4枚、諸々のアビエーション。中古でも$100Mは行くだろう?

そこから見たら微細な経費じゃないのかな。


「だからと言って!!」


彼女がそこに行ってから、それを作るんなら、そっちの整備班の手に追えるマニュアルを作ってくれるぞ?

定期交換部品のリストや手順書、重要パーツのリスト。何をどれくらいストックしておくべきか、なんかも含めてな。

つまり、運用が楽になるだけで元は取れるだろうし、安定運用期間が伸びることで$2Mなんて一瞬で・・・とは言わないが数年で元が取れちまう。

AE2100を、一基落としちまったらいくらかかるんだろうな?


「・・・・・・」


それにどうせストレッチボディのまま、無理に軍用装備を付けてんだろ?

そういうボディーバランスの調整なんかもお願いしちまえばいい。


「・・・後払いでないと説得できないぞ?」


全額後払いは無理だが、初期投資分や資材代は毎月の請求書払い、付加価値分は最終後払いなら可能だと思うぞ。

あと裏切ったり、支払いを渋ったりするなよ?絶対何か仕掛けてるからな?

それから、5年後とか7年後に$1Mでアップデートの提案があれば、受けるかどうかはともかく、上に相談しろよ?オレとしては受けることをお勧めする。


「守秘は大丈夫なのか?」


それは問題ない。彼女の会社は政府系の仕事もよくしている。


「軍関係は?」


まあ、日本は軍関係の仕事はなかなか難しいんで、してないと思うぞ。ただ、別の難しい・・・税務関係の仕事はしている。


「税務か・・・確かにな。こちらでも調べさせてもらう。あと・・・出資者に相談しないと流石に決められる額じゃない」


当然そこは分かっている。


「お前のほうの取り分はどれくらいのつもりなんだ?」


5%だな。紹介しておいて紹介料を取らないというわけには行かない。


「外か?内か?」


外のつもりだが内だとしてもなんとか調整するか、オレが泣くかってところだな。


「舌先三寸でいい儲けだな」


そうでもない。失敗したらオレだって消される覚悟はある。

『彼女なら99%以上大丈夫』でなければ、こんな無茶な紹介はしない。


「100じゃないんだな」


100なんて無いのはお互い知っているだろう?


「まあそりゃそうだ。ジョンドゥからチャーリー。Connection Closed. Out」


あっさり切りやがった。

まあ、『秘匿回線』が完全に秘匿かどうかなんて分からんもんな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ