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「アイツ動いてなかった動いてなかったぁぁぁぁぁぁぁ! それで攻撃くるのおかしいおかしいってぇぇぇぇぇぇぇ! 絶対にぃぃぃぃぃぃぃ絶対にぃぃぃぃぃぃぃズルしてるぅぅぅぅぅぅぅ!!」


 地団駄を踏みながら未だにこんなことを言い続けるクソ野郎。まさに駄々をこねる子供のようだ。だが、今回の発言には正直疑問が残る。マサオ化してるにしても、さすがに精神年齢が下がり過ぎではないかと。もしマサオが同じ目にあったら、とうぜん動揺するだろうし、もちろん戦意も失うだろう。しかしここまで取り乱したこと言うとは思えない。時間戻しが行われる度にクソ野郎の発言が怪しくなっている気がする。これは推測になってしまうが、時間戻しの影響で精神年齢もまた戻されているじゃないかと。だとすると、時間戻しを繰り返せば繰り返すほど、まともに戦うことのできない精神年齢になるかもしれない。もしかしたらクラリスの狙いはコレだったかもしれない。


「話がちがうよぉぉぉぉぉぉぉ! 俺、最強になったんじゃないのかよぉぉぉぉぉぉぉ! それで攻撃を受けるのっておかしいってぇぇぇぇぇぇぇ! ぐすん……うぅ……ほっぺ痛いし……もう嫌だ……早く帰りたい……早く帰りたい……早く帰りたい……うぅ……うぅ……」


 とうとう泣き出してしまったクソ野郎、もう戦いどころではない。第三者はこうなることを考慮していなかったのだろうか。もしこのままクラリスと戦わせるのなら時間戻しは絶対に必要である。しかし次に時間戻しとしたらクソ野郎がどうなってしまうか予想できない。今でコレだ、さすがに時間戻しをするにはリスクが高すぎる。これまで見てきた限り、まともに戦えば間違いなくクソ野郎が勝つだろう。しかしそこまでいってないのが事実だ。これまでの二度の時間戻し、そして二度の動揺、クラリスの身体能力を必要としない攻撃のみだ。そこから読み取るに身体能力だけでいうならクソ野郎の方が上である。クラリスは戦いの直前で上手く止めている。まともに戦えば終わりだってことも、クラリスは重々に理解していた。少し不安になっていたが、クラリスは間違っていなかった。いち早く第三者の存在に気づき、そして時間戻しの特性を理解して、瞬時に今回の作戦を実行した。さすがクラリスである。これならばマサオのことも期待できる。


「ぐすん……ぐすん……もういやぁぁぁぁぁぁぁ! たたかうのいやぁぁぁぁぁぁぁ! もうかえるぅぅぅぅぅぅぅ! いえにかえ――」


 泣きながらそこまで言いかけたところで突然クソ野郎の動きが止まる……時間戻しだ。第三者も賭けに出た。少しでも動揺すれば精神が幼児化する。第三者からすればいかに動揺させず、まともに戦わせることができるかどうかにかかっている。対してクラリスはいかに動揺させるかだ。もうそんな戦いとなってしまった。正直これにはクラリスに分があると思う。今回でこのレベルだ。次はちょっとでも大きな音を出せば驚いて終わりなのではないのだろうか。この勝負に持ち込んだ……クラリスの勝ちだ――。

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