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「た、たしか……俺は……『ソク・クアドルプル』を発動させて……ただコントロールができずに……攻撃を当てることさえできなくて……結果、俺はスキルの反動による人体崩壊で……」
己の手を凝視しながらクソ野郎はぶつぶつを言っている。この反応……自分に何が起きているのか理解できてないようだ。つまりワタシが危惧したとおり、この現象はクソ野郎によるものではなく、第三者によるものだということが確定する。さらにこれが『時間戻し』だとして、マサオ化する前まで戻っているわけではなく、スキル発動前までしか戻ってないってことだ。もしそうなら意味のないことをしたと言える。その理由は、今回のスキルをキャンセルしたとしても、クソ野郎はマサオ化のまま、またコントロールされてクラリスに勝つことなんてできないからである。問題はマサオ化なのだ。マサオ化でいる限り、クソ野郎はクラリスの手のひらで転がされているだけなのだ。もしクラリスを確実に始末するなら、マサオ化前まで戻すほうが良いに決まっている。もしかしたら時間戻しには戻す制限があって、スキル前までしかできなかったってことなのか。それとも戻す制限なんてなく、やろうとしたができなった……とか。この現象を可能の限り考察していると……。
「ウェ……? ウェ……? ウェ……? ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェ、ウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェウェ……」
突然、クソ野郎が奇声を上げ始めた。何が起きているのか理解できないまま目をやると、クソ野郎は白目になって身体全体をガタガタと震わせていた。小刻みだった震えは奇声のスピードと共にだんだんと大きくなっていく。これは時間戻しの反動なのか、それとも第三者によるものなのか、混乱する頭を必死に抑えながら考えていると、ピタッと奇声と震えが止まる。次は何がくる……気構えてその様子をうかがっていると、白目だったクソ野郎、瞳がギョロッと正面に戻ってくる。そして……。
「ふ……ふふ……ふふふ……ふはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ! そういうことですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! これはこれは感謝しますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!! ありがとうございますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
クソ野郎は高らかに叫んだ。わけのわからない発言に呆然としていると、クソ野郎は唐突にクラリスを指さす。
「おまえ終わったぞ。とうとう『あの方々』を怒らせてしまった。ふふふ……たったいま俺は最強となった。お前がいくらコントロールしてこようと、もはや関係ねぇ。一瞬で終わらせる」
不敵な笑みを浮かべながら……クソ野郎はそう言い放った――。




