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転生した社畜OL~学園ライフを謳歌しようとしたら、ドキドキが止まらないのですが…~  作者: 竜胆マコト


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第6章 優しいクラスメイトと意地悪な男子生徒

いよいよ1年Sクラスのメンツとご対面です!

緊張した面持ちで教室に入ると、教室の黒板になにやら貼り紙がしてあり…?

入学のしおりを再確認して、1-Sの教室を確認する。


どうやら私の教室はA棟3階の教室のようだ。


少しだけ、プリムラ魔術学園の建物について説明しよう。


プリムラ魔術学園は学年ごとに建物が仕切られており、1年生は北の方角に位置するA棟という建物を使用する。


ちなみに2年生は西のB棟、3年生は南のC棟、4年生は東のD棟を使用するのが規則である。


さらに、4つの棟に囲まれるように建てられている、「分館」という円柱型の建物が存在する。


ここには音楽室、図書室、食堂など学年共通で使われる教室が用意されている。


分館にはA~Dの4つの棟にそれぞれ渡り廊下が設置されているので、どの学年でも分館を往来することができる。


私は重い足取りで、A棟の階段を上がり「1-S」と書かれた教室を見つけた。


学生服を着て教室に入るなんていつぶりだろう。…ガイルはもう中に居るのだろうか。


さっきの出来事について、有ること無いこと他のクラスメイトたちに吹き込んでないだろうか。


というか入学式が始まってから、情報量が多くて頭が混乱している。


こういう時は…私は大きく息を吸い、吸った時よりもゆっくり息を吐いた。


手が震えながらもゆっくりと扉を開ける。


「お、ようこそSクラスへいらっしゃーい!君が最後の子だよー」


底抜けに明るく元気な声に拍子抜けした。


すでに他のクラスメイトも、私を含め全員揃っているようだ。


声の主であるエルフ族の男の子が、こちらに寄ってくる。金髪のショートカットで綺麗なブルーの瞳が愛らしい。


「僕ね、クランベリー・スパイラキシスっていうの!長いから『クラン』って呼んでね!君のお名前は?」


「わ、私はシエン・フロックスと申します…」


「あ、君だね、10位の子!僕は君のちょっと上の9位なんだ。順位表は中央の掲示板で見たけど、この教室の黒板には入学試験の成績の点数まで貼り出されてるんだよ!

ちなみに君は筆記200満点で、僕が実技200満点!満点同士、よろしくね!」


「満点同士…?」


クランベリーは頭の上に?マークを浮かべる私の手を引く。


「これ見て、シエンちゃん!」と言いながら黒板の前まで私を連れてきた。


クランベリーの言う「成績の点数」は教室の黒板に大きく貼り、以下がその内容である。


1位 ガイル・ダイアンサス 筆記190点 実技190点 計380点

2位 トーマ・イベリス 筆記180点 実技190点 計370点

3位 ラインハート・ユーフォルビア 筆記175点 実技180点 計355点

4位 ジャイロ・カンパヌラ 筆記180点 実技160点 計340点

5位 ロックス・ルドベキア 筆記150点 実技180点 計330点

6位 シャーリー・ベロニカ 筆記140点 実技185点 計325点

6位 レイン・メカルドニア 筆記190点 実技135点 計325点

8位 シンリー・カムロサザ 筆記130点 実技190点 計320点

9位 クランベリー・スパイラキシス 筆記115点 実技200点 計315点

10位 シエン・フロックス 筆記200点 実技110点 計310点


「実技200点満点と筆記200点満点…」


私とクランは得意分野に偏りがあるものの、他の上位者の成績を見ると、中々にレベルが高い。


色んな猛者が集められているクラスと言ったところか。


「ハッ。ビリとブービー賞が仲良くおままごとかよ。てめえらの脳みそはお花畑か?」


聞き覚えのある声の方に目をやれば、先ほどのガイル・ダイアンサスが居た。


教室の後方に座ってこちらを睨んでいたが、席から立ち上がりこちらに近寄ってくる。


「あら、筆記でも実技でも1位を取れず、総合点だけでトップに立った君に、そんなことを言われる筋合い、無いと思うのだけど?その点はどうお考えなのかしら」


私は彼に負けじと慇懃無礼に接した。


「ぐ…言うじゃねぇか」


少しずつガイルが近づいてくる。正直言うとかなり怖い。


手と足が震えてしまっているが、なんとか震えを抑えるので精一杯だ。


すると、そっとクランベリーがそっと私の手を握ってくれた。


そしてガイルに気づかれないよう耳打ちをする。


「シエンちゃん。大丈夫だよ。ガイルはきっとね、僕に嫉妬してるんだ♪」


「へ?し、嫉妬…?」


「ヘーキヘーキ!僕に任せて」


なんだか嫌な予感がする。だけどこれ以上応戦すると身が持たない。


とりあえずクランベリーに任せてみよう。


「ねえねえ。ガイルって、シエンちゃんのこと、気になってるんでしょ?」


「はあ⁈べ、別に好きでもなんでもねーし。そ、そんなちんちくりんな奴、俺は興味ない」


「あれぇ?僕は『気になってる』って言ったんだけど。そっかぁ。ガイルはシエンちゃんが『好き』なんだねー。いいねー青春だねぇ」


「…てめぇ、それ以上言ったらぶっ飛ばす」


任せてって…喧嘩確定じゃないかクラン君。


もういいや、関わらないでおこう。


冷めた目で二人のやりとりを見ていると、


近くに居た女子生徒に「こっちへおいで」と手招きされた。


うん?これは行っても大丈夫な奴かな?


とりあえず男子二人は放っておいて、私は女子生徒のほうへ近づいた。


「よ!お前、ガイルに絡まれてもしっかり言い返すなんて、中々やるなぁ。私はシンリー・カムロサザ。シンリーって呼んでくれよ。こいつはシャーリー・ベロニカ」


「おはにょろ~。僕のことはシャーリーって呼んでね。よろしくシーちゃん」


始めに声をかけたシンリーという女子生徒は、ロングの黒髪ストレートにオレンジ色の瞳で、背が高いのが印象的だ。170センチくらいはありそう。


もう一人、僕っ子発言が特徴的で、金髪のショートボブヘアにダークグレーの瞳をした獣人族の女子生徒がシャーリーのようだ。


「ほ、本当に、すごいです。ガイルさんは一番最初にこの教室に入って、他のクラスメイトに色々と絡んできました。


ですがシエンさんほど優雅な返しをしたクラスメイトは、他に居ないと思います。

あ、私はレイン・メカルドニアと申します。よろしくです、シエンさん」


すこしオドオドしながら自己紹介した女子生徒は、黒髪のポニーテイルに紫色の瞳をしたエルフ族の子だった。


眼鏡をかけているが、外したら相当可愛らしいに違いない。


「いえ、正直私も緊張のあまり手足が震えていました。クランがフォローしてくれなかったら、その場で倒れていたかもしれません」


「ったく、ガイルの奴。入学式でみんな緊張してるっつーのに、火に油注ぐような真似しやがって」


シンリーが苦虫を嚙み潰したような表情をしている。


私だけじゃなかったんだ…。というか、あいつはみんなに喧嘩売ってたのか。


よほどすることがなくて暇だったのかな。


すると、一人の美男子がこちらにスルリと近寄って来た。


「全くだよ!彼の行動は美しくない!こんなに可憐な乙女たちが、生まれたての雛鳥のように囁き合っているというのに。おっと失礼。僕はラインハート・ユーフォルビア。よろしくね、シエンさん」


「よ、よろしくお願いします。な、なかなか個性豊かな方ですね」


お互い自己紹介し合い、話しあっていると教室の扉がガラっと開いた。


「おい、お前たち。入学式のアナウンスでは、『自分の席について待機せよ』と命じられたはずだが?何を理由に立ち話しをしている!」


鋭い眼光とただならぬオーラを纏いながら、鬼人の男性教師が教室に入って来た。


私たちはそれぞれ、急いで自分の名前が書かれた席に座る。


よく見ると入学試験の時に私がリ・サーチした(酒飲みの)無精ひげの教師だった。


もしかして、この先生が担任…?


うわぁ、もう私の学園生活が滅茶苦茶だよ…。


「私はこのSクラスの担任のデューイ・トリトニアだ。貴様らは入学試験上位10名の選ばれし者たちである。


だが、選ばれし者だからといって、私は貴様らを贔屓など断じてしない。徹底的に指導してやるから覚悟しろ!」


怖い。普通に怖い。何この鬼教師。


もしかして私が暴露したことを根に持ってる?


「では、出席を取る。トーマ・イベリス、シンリー・カムロサザ、


ジャイロ・カンパヌラ、クランベリー・スパイラキシス、


ガイル・ダイアンサス、シエン・フロックス、


シャーリー・ベロニカ、レイン・メカルドニア、


ラインハート・ユーフォルビア、ロックス・ルドベキア」


デューイ先生に呼ばれた順に皆「ハイ」と返事をしていく。


「全員揃っているな…本日はオリエンテーションだ。入学のしおりに沿って、騒ぎを起こさないよう、今日一日過ごすこと。…分かったら返事をしろ」


「「「はーい」」」」


「…まあいい。私は専門の授業とホームルーム以外は貴様らに接触することは少ない。だが、質問があれば相談に来い。以上だ。解散!」


デューイ先生って、ああ見えて意外と優しいのかな。


いや、油断は禁物だ。特に私は先生の恨みを買ってるし。


「なあ、シエン。オリエンテーションまで時間あるし、一緒に校内周ろうぜ。シャーリーも行くだろ?」


シンリーに声を掛けられ、なんだか嬉しくなり顔に熱が集中する。


「アイアイサー!僕も行くよー。シーちゃんも一緒に行こ?」


「…うん!」


入学して初めての友達だ…‼ちょっと嬉しい。


「わ、私は図書室に用がありますので、また後ほど…」


レインはおずおずと私たちに話しかける。レインに対して少しだけ、私は親近感を感じた。


前世の自分とレインを重ね合わせ、優しく声をかける。


「全然いいよ。また後で会おうね!」


そして私たちは、ゆっくり校内を巡ることにした。


*****


「ありゃりゃ。女子たち行っちゃったなあ。ガイル、追わなくていいのか?」


ガイルに声をかけたのはロックス・ルドベキアという男子生徒だ。


シエンと同じSクラスで種族は狼男。

狼の耳と尻尾に、銀色の短髪に赤い瞳が特徴的だ。


制服の学ランは前ボタンを留めずに着用し、黒色のタンクトップをインナーとして着ている。


「別にどうでもいい。…俺は少し寝る。昼になったら食堂へ向かうから、お前も適当にぶらついとけ」


「へいへい。相変わらず冷たい男だねぇ。…女子たちに愛想つかされんなよー」


「なっ…」


ロックスに一言文句を言ってやろうかと思ったが、


あっという間に当の本人はどこかへ行ってしまったようだ。


「くそっ…アイツ言いたいことだけ言って、どっか行きやがった…俺は別に」


ふとガイルの頭の中でシエンの顔が浮かんだ。


「別に悪くはないが…好きかどうかは、まだ良くわからん」


下手に考えるのは止めよう。


女に惚れて沼落ちなんてしたら、ダイアンサス家の名折れだ。


恋をするなら俺が「惚れる」のではなく、相手に「惚れさせて」やりたい。


ガイルの思考はここで尽き、彼の思考は深い眠りへと誘われるのだった。


この時、まだ私は知らなかった。


まさか、あんなことが起きるなんて。



ここまで読んでくださり、いつもありがとうございます!

本当は順位表も画像生成しようか悩みましたが、時間が足りず断念しました。


ちなみにシエンの実技110点は、デューイ先生の辛口評価です。

「リ・サーチ」で試験日前日にお酒を吞んでいたことを明かさなければ、

150点くらいは取れてたかもしれません。という、裏設定アリです。


次回はオリエンテーションとして、ある行事が始まります!

お楽しみに♪

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