第27章 適材適所と招待券
学園祭で「体育会系ジャージメイド喫茶」をすることになったシエンたち。
それぞれの担当分野を決めることになったが…?
※投稿時間が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
―2週間後―
「出し物の内容も大方決まって来たな。看板メニューは基本的に、パンケーキと手作り炭酸飲料、セットメニューで市販のビスケット+飲み物を追加で…。
衣装も体操服のジャージを着ればいいし、フリルのエプロンは申請すれば学園御用達のお針子さんが縫ってくれるって。…問題は、キッチンとホールの人選だよな」
その日の放課後も、私たちはロックスを筆頭に、学園祭の出し物について話し合っていた。
「俺たちのクラスは10人しか居ないから、ホールに6人、キッチン3人、残りの1人は受付&会計で、順次キッチンのだれかと交代して休憩を取る。
…っていうシエンの案はすげー良かったぜ。問題は誰をどこに配置するかなんだよな」
私はロックスに褒められて嬉しい気持ちを抑え、
クラスメイトの性格や特徴を考えながら、「リ・サーチ」を進めた。
「今、ちょっと分析してみたんだけど…結果を黒板に書くね」
そういって私は黒板へ近づき、白いチョークでクラスメイトの名前を書いていく。
「これが『リ・サーチ』の分析結果です…どうかな?」
私は黒板にクラス全員分の名前を書き終えた。
「ちょっと待て!なんで俺がホールなんだよ!」ガイルが瞬時に声をあげる。
お約束の展開、アリガトーゴザイマス。
「言っておくけど、今回は魔闘大会で注目を集めた生徒をホール担当にしています。
その方が話題性もあるし、それにガイルは優勝しているでしょう?
君が出ないと、お客で来た生徒から『え~ガイル君いないのぉ?御給仕して欲しかった~』って残念な声が上がること間違いなしです。トーマも、接客するのは難しいかもしれないけど、普段通りでいいから。
接客は必要最低限の基本だけ抑えて、あとはそれぞれ個性を活かしてご奉仕すれば大丈夫!メイド喫茶は個々のキャラクター性が大事なのです」
私は意気揚々と説明をした。
「シエンさん、メイド喫茶の極意を知っていらっしゃる…もしや同志?」
レインが生唾をごくっと飲み干す。
「レインとは話が合いそうだね。
…その話は後にして、これはあくまで私の分析結果だから、修正したほうがいいところは教えて欲しいな。…ガイルの意見はもう聞いたからこれでお終いね」
ガイルが面食らった表情をしているが、構わず放っておくことにした。
それぞれクラスメイト達は自分の担当について、思案しているようだ。
「ちょっといいかな、シエン嬢」
ラインハートが挙手した。
「はい、どうぞ。ラインハート君」
「僕がキッチンなのは何故か、理由を教えてくれないかい?
どちらかと言えば、花形のホールが向いていると思うのだが?」
「それについてだけど、ラインハートがホールに入っちゃうと、ガールズハントに走ってしまうからです。女生徒と接する機会が多いと、それだけ誘惑も増えるからね。
今回は敢えてキッチン担当にしました。あと、ラインハートは美的センスがいいから、料理の盛り付けとか、パンケーキのお絵描きとかを積極的に手伝って欲しいと思います」
私の説明を聞いて、ラインハートはなんとか納得したようだ。
「ふむ…ならば仕方あるまい!僕の美的センスを存分に活用するとしよう!」
ラインハートが席に座った後で、今度はロックスから質問を受けた。
「なあシエン。シンリーとレインの上についている★マークはなんだ?」
「ああ。説明が抜けてたね。これは受付&会計を交代する人にマークを付けたんだけど…シンリー、大丈夫そう?」
私はシンリーの意見を聞いてみた。
「それなんだけどさ…私、会計とか細かい作業、苦手なんだよ」
どうやら私は、同じ女生徒同士なら交代しやすいと安易に考えてしまっていたらしい。
「なら、俺がレインと受付・会計を交代するよ。レインはそれで問題ないか?」
ジャイロが助け舟を出した。彼は中々に頼もしい存在である。
「わ、私はそれで大丈夫です!よろしくお願いします」
これでなんとか話がまとまってきた。
「じゃあ、レインと交代するのは、ジャイロに変更…っと」
私はシンリーの名前の★マークをジャイロに書き換えた。
「他はなにか気になるところはあるか?なければこれで決めちまうけど…これで問題ないヤツは手、挙げて」
ロックスがクラス全員に声をかける。
「ないよー」「異議なし」などと言いながら全員が手を挙げた。ガイルも渋々手を挙げている。
「んじゃ、この黒板の内容を、魔通信機でちょっと写真撮っておくな。
…次に集まる時はメイド喫茶で出す料理のメニューについて話しあうから、
パンケーキの作り方とか美味しい炭酸飲料の作り方とか知ってる奴は案を出してくれ。
んじゃ今日はこれで終わり!みんなお疲れさん!」
それから私達は、喫茶の看板メニュー作成や、料理の試食、接客の練習などに勤しむのだった。
*****
そして学園祭まで残り10日となり、ホームルームの時間に私たちは、
デューイ先生から学園祭の招待券を渡されていた。
「学園祭には学園に所縁のある来賓の方々もご来場される予定だ。
くれぐれも失礼のないように。…ところで、学園祭の準備は問題なく進んでいるのか」
デューイ先生の問いにロックスが答える。
「もちろんっす!メイド喫茶で出す看板メニューの材料も機材も揃えたし、コスチュームも万全っすよ、デューイ先生!」
「…そうか、何かトラブルでも起きて私に泣きついてくるかと思ったが、案外順調に進んでいるのだな」
何故だかデューイ先生は寂しそうな顔をしている。
あれ、先生的に頼ってほしかったのかな。
「だが、気を抜くなお前たち。学園祭まで残り10日。
やるべきことはすべてやりつくせ。私からは以上だ。解散!」
こうしてホームルームは終わり、学園祭の準備活動が終わった後、私は自室のアパートへ戻っていった。
*****
「招待券が5枚…母様と父様とスズナお姉さまに渡すことで3枚消費…残り2枚は誰に渡そうかな」
軽く夕食を食べ終え、自室のアパートでくつろいでいた私は、招待券を誰に渡すかで悩んでいた。
「学園以外で知り合いって言ったら…アパートの大家さんとかかな」
このアパートを借りる際、母と一緒に大家さんに挨拶したことはあった。
いかにも近所のオバサンという立ち振る舞いの方で、おまけに結構噂好きらしい。
「招待券渡して、メイド喫茶を見に来てもらうのは…ちょっとなあ。変な噂が立つのも嫌だし」
とりあえず残り2枚の使い方は一旦保留とし、私は父と母、そしてスズナお姉さま宛てに手紙を書いて、招待券を送付する手筈を整えることにした。
うーん…あと2枚、どうしよう?
このたびは、投稿時間が間に合わず、大変申し訳ございませんでした。
少し、体調不良で寝込んでしまい、いつもの時間に間に合いませんでした。
ここまで読んでくださる読者の皆様、いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。




