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転生した社畜OL~学園ライフを謳歌しようとしたら、ドキドキが止まらないのですが…~  作者: 竜胆マコト


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第19章 夏休み、どうする?赤点にご用心!

魔闘大会が終わり、通常の授業が始まる。

これから夏休みに入る前に期末試験が行われる。


シエンたちは試験勉強の準備を始めるが…?

※内容を一部を修正しました。2026.10.14

魔闘大会も終わって通常授業に戻りつつあった。


しとしと雨の降る6月中旬の1年Sクラスホームルームにて。


「夏季休業期に入る前に期末テストがある。対象教科は全部で5教科だ。各自テストに向けて勉強を怠るな。

それと、1教科でも赤点を取ったものは、約1週間の補習を受けてもらう。連絡事項は以上だ。…解散!」


期末テストかあ。


図書室に各教科の問題集とか何冊かあったけど、早くしないと全部貸出中になっちゃうね。


…必要な部分だけ複合機で印刷しようかな。


私はさっそくテスト対策について思考を巡らせていた。


「うう…どうしよう。僕、テストで赤点取る自信しかない」


いつになくシャーリーが弱気になっており、可愛い猫耳が垂れ下がっている。


「シャーリー、今度一緒に図書室で勉強しようか」


私が提案すると、シンリーも気まずそうに近づいてきた。


「なあ、私も一緒に勉強見てもらえねえか?魔術は得意でも、座学は苦手なんだよ」


「激しく同意にゃー。ベンキョー苦手…」


すると私達の様子を見兼ねたガイルが、こちらへやって来る。


「ハッ、雑魚が。日ごろからコツコツやってりゃ、テスト勉強なんざわざわざしなくてもいいだろうが」


それ出来るの君だけだから。


相変わらず絡み方が雑だよね。言ってることは正しいんだけど。


「とか言って、本当はシエンちゃんと一緒に勉強したいんでしょー?

ガイルは分かりやすく喧嘩売るよねー。もっと素直に言えばいいのにー」


クランベリーがニヤニヤしながらガイルをからかう。


「クラン。おめぇもテスト大丈夫なんか」


「ぐぬぬぬ…痛いところ突くじゃん。ガイルのくせに。…正直、かなりヤバイかも」


「なら、必死に勉強しねえとなぁ?俺が面倒みてやろうかぁ?」


「えー、ガイルと勉強会なんか、絶対ヤダ。僕もシエンちゃんと一緒に勉強するー♪」


そう言ってクランは私に擦り寄り、腕をギュッと掴む。


「うん?勉強会かぁ。一人で三人同時に勉強を見るのは、ちょっと骨が折れるな…ガイル、悪いけど一緒に手伝ってくれない?」


「はぁ?何で俺がお前と一緒に、こいつらの面倒見なきゃならねぇんだよ」


「私、ガイルと一緒に勉強したいなーって思ってたんだけど…ダメかな?」


私は少し上目遣いでガイルを見る。


前に母様直伝『男性へお願いをするときの仕草』を少しだけ教えてもらったので、実際に試してみることにした。


「…!今回だけだからな。日時が決まったら連絡しろ」


「わかった。ありがとう、ガイルが居ると心強いよ」


(クソ…あざとい仕草しやがって。あんな頼み方されたら断れねーだろ)


こうして、私達は期末テストの準備に取り掛かるのだった。


*****


全学年の期末テストが無事に終わり、中央の掲示板に順位表の貼り紙が出されている。


一年生は全5教科の総合点で50位まで順位が発表されるようだ。


私はクランベリーと一緒に成績上位者の貼り紙を見ていた。


「1位はシエンちゃんだね~、さすが!…総合点490点ってすごいね。平均したら1教科マイナス2点しか減点されてないってことだよね」


「実は満点の科目が3つあるんだ。あとの教科はケアレスミスでマイナス5点引かれちゃった。

2位はガイルだね。総合点で480点かぁ。なかなかやるなあ」


私はふとクランのほうを見ると、いつもより元気がないことに気がついた。


「クランさぁ…もしかして赤点取った?」


「ギクッ!う、うん。ごめんね。せっかくシエンちゃんが教えてくれたのに…」


クランベリーの目が少しだけウルウルしている。


「私に負い目を感じる必要はないよ。だけど、補習はちゃんと受けようね?サボったら私、本気で怒るよ」


「も、もしかしてシエンちゃん、今まさに怒ってない?」


クランベリーが焦りながら後ずさりする。もちろん逃す気はない。


「ぜーんぜん、怒ってないよー?あれだけ一緒に勉強したのに、頭に入らないんだったら、まあ、しょーがないよねぇ?」


「ご、ごめんなさい!実はシエンちゃんに教えてもらえるのが嬉しくて、勉強会の時、ほぼ集中力切れちゃってました…」


しょぼくれてクランベリーが素直に謝る。


「やれやれ。そんなことだろうと思ったよ。…補習が終わったら、夏休みにどこか一緒に遊びに行こう、クラン」


「…うん!約束だよ、シエンちゃん」


クランは素直で可愛いな…私にもし弟が居たら、こんな感じなのかな。


「てめえ、本気でシエンと夏休みに遊べると思ってんのか?」


後ろから声が聞こえ、振り向くとガイルがクランベリーに喧嘩を売ってきた。


「ガイル、クランをあまり苛めないで」咄嗟にわたしはクランを庇った。


「おいシエン、騙されんなよ。コイツ、全教科赤点取ってやがる」


「え?」


私の聞き間違いだろうか。…全教科、赤点?


「ええ!ちょっとガイル、なんで知ってるの?」クランベリーは青ざめてしまっている。


「隠し通せると思うな。掲示板の端っこに、赤点補習対象者の貼り紙があった。

5教科全部、お前の名前が書いてあったわ、ボケが」


「ガーン…シエンちゃんには知られたくなかったのに…ショボン」


クランベリーもショックだろうが、私も正直かなりショックである。


赤点補習は1教科につき1週間の補習だ。


5教科赤点だと、約5週間の補習を受けなければならない。


つまり、クランベリーは夏休みのほとんどを、補習を受けて過ごすことになる。


「クラン、や、休み明けに会おうね。だ、大丈夫、時々魔通信機で連絡するから」


遠い目をしながら、私は取り繕うようにクランを励ました。


「うわぁん、みんなして僕を苛めないでよ~」


波乱の幕開けとなったが、こうして私たちの夏休みが始まろうとしていた。


―1年Sクラス教室内―


「さて諸君、明日から夏休みだ。休み中だからといって遊び惚けずに、出された課題をきちんとこなすこと。提出は新学期の登校日、9月1日とする。


なお、提出できなかった者は、ペナルティとして反省文を99枚書いてもらうから覚悟しておけ。また、夏には色々な誘惑も多い。注意事項を記した用紙を配るので、各自必ず目を通すこと。


…ひとつ言い忘れていたが、シャーリー・ベロニカ、シンリー・カムロサザ、クランベリー・スパイラキシス。以上の3名は必ず補習を受けるように。以上、解散!」


デューイ先生が教室から出て行ったあと、各々夏休みの過ごし方について話し合う。


「掲示板で確認はしたけど、そうだったね。シンリーとシャーリーも1教科だけ赤点取っちゃったんだよね…夏休み、どうしよっかな…さっさと実家帰ろうかな」


私はつい本音を呟いてしまった。


いつも遊ぶ2人が居なければ、課題をこなす以外は、正直ほとんどやることがない。


「え、シーちゃん実家に帰っちゃうの?夏休み中は会えないの?」


シャーリーが悲しそうな顔で私見つめる。


「あ、いや、実家に帰るって言っても、1週間くらいだよ。8月の中旬くらいに帰ろうと思っているから、その他の期間はみんなと遊べるよ」


「「よかったぁ~」」


シャーリーとシンリーが私の話を聞いてホッと胸を撫でおろしている。


「おい、シエン。ちょっと面貸せ」


気が付けば私の右隣にガイルが突っ立っていた。


「どうしたの、ガイル」私はガイルに連れられ、教室の端っこへ移動する。


「おまえ、夏休み暇なんだろ」


「うん。実家に帰る以外、特に予定はないよ(『ボッチ乙~』とか言って、からかう気かな)」


「その…打ち上げパーティーで話してた温泉旅行、行かないか。もちろん二人で」


ドキッと私の胸が高鳴った。


「い、いいけど…夏に温泉かぁ。案外、シーズンオフで観光客も少ないかもね」


「そう思って誘った。な、いいだろ?温泉までの行きと帰りの馬車はこっちで用意するから」


そうして半ば強引な流れではあったが、私は7月下旬にガイルと温泉旅行へ行くこととなった。


この時、私はまだ知らなかったのだ。


まさか、あんなことになるなんて。

ここまで読んでくださり、いつもありがとうございます。

これから、ちょっと季節外れな夏休み編が始まります(笑)


ずっと投稿したかった内容がやっとお披露目できて、正直嬉しいです^^

ちょっと「アハン♡」な展開もありますが、R指定までは行きませんのでご安心ください。

次回もお楽しみに♪

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