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転生した社畜OL~学園ライフを謳歌しようとしたら、ドキドキが止まらないのですが…~  作者: 竜胆マコト


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第12章 麗しき女生徒と不穏な影

第1部で無事にスターを獲得し、シエンは第2部の闘いへ出場することとなった。

第2部へ出場するのは12名の生徒たち。


そして昼休憩に1年Sクラスの女子たちでお昼を食べていると、とある人物が近づいてきて…?


※小説内の画像はCanvaを使って作成しています。

※内容を一部修正しました。2026.10.11

私はシャーリー、シンリー、レインと一緒に学食でお昼を食べることにした。


「本当に、お二人ともすごいです!スターを獲得して第2部の挑戦権を得るだなんて。

これでSクラスからは6名の選出ですね」


「でも正直な話し、スターが見つからなくて結構焦ったよ。シャーリーはどうだった?」


私は他のフィールドの様子が気になり、シャーリーに話を振ってみた。


「僕も中々見つかんなかったよー。どうも魔獣と戦ったりしないと、手に入らないっぽいねー」


「やっぱそうだよな。私も魔獣を倒したけど、Aフィールドは時間が経つにつれて魔獣の数が増えるから、キリがなかったし、スターも全然見つからなかったよ」


「第2部はトーナメント戦らしいですが、12名でトーナメントってできるのでしょうか」


レインの発言にどこからか返事をする声が聞こえた。


「あら、もちろん出来ますわよ」


聞いたことの無い声に、私達は一斉に振り向いた。


金髪に大き目の三つ編みをした、グラマラスで妖艶な女生徒が立っている。


「12名のうち、4名は不戦勝で戦えるらしいですわ。

まあ、私も噂で聞いただけなので、本当かどうかは分からりませんけど。


あら、自己紹介が遅れましたわ。私はリリー・オリエントと申します。

Bフィールドでスターを見つけましたので、次の第2部に出場いたしますのよ。

よろしくね、シャーリーさん、シエンさん」


「ええ、よろしくお願いします、リリーさん。お手柔らかに」


私は能面のような微笑を浮かべて、私はリリーに対抗した。


彼女が去っていったあと、レインが小刻みに震えていた。


「あ、あの女…あの人は恐ろしい人です。

第1部で一緒に居たラインハートさんが、一瞬で彼女の毒牙にやられました」


「ラインハートが?…それは多分、魔術というより、ハニートラップ的な…」


「シエンさん、もしリリーさんと対戦することになったら…絶対、絶対勝ってくださいね!」


レインがギュっと私の手を掴んで懇願する。


「う、うん。もし対戦することになったら、ね」


「つーか、あの女、宣戦布告してきたってことは、よほど自信があるんだろうな」


シンリーを見ると、いつでも殴り掛かれるように拳を構えていたようだ。


「暴力はダメだよ、シンリー。でも、そうだね。注意したほうがいい相手だね」


不穏な空気をよそに、シャーリーは呑気に「ふああ」と欠伸をしている。


*****


「それでは、体育館にお集りの皆様、大変お待たせしました!

これより、第2部のトーナメント戦を開催いたします。

司会は私ナタリアと、解説はフォックス学園長先生でお届けいたします」


いよいよこれから、第2部が始まろうとしていた。


「今回も空間転移でフィールドへ移動しますが、その前に第2部の説明を行います。

ルールは至ってシンプル。

これより12名の選手の皆さんに体術および魔術を使って戦い合っていただきます。

まず、フィールドには黒い枠線が引いてありますが、線を越えると場外となり負けです。


さらに「参った」と相手に宣言させた場合、自分の勝ちが確定します。

ただし、ここで注意がひとつだけ!


相手の命を奪うような攻撃をした場合は失格となります。

教師陣でも、『これはやり過ぎ』と判断した場合は、試合を即刻中断させますので、ご了承ください。

では、対戦用のフィールドへ、今回は観客席の皆様もご一緒に転移させていただきます。

5、4、3、2、1…」


そして私たちは対戦用フィールドへと連れてこられた。


対戦用フィールドはコロシアムを想起させるような建物の造りである。


闘技場には私を含め第1部で勝ち残った、12名の生徒が立っている。


「それではお待ちかねの、トーナメント戦の対戦表をオープンします!」


挿絵(By みてみん)


「今回のトーナメント戦ではAフィールドでスターを獲得した4名の選手を不戦勝とします。

不戦勝の選手は以下の4名です。

Aクラス、ソウテツ・リシマキアとリッキー・コチレドン。

Sクラスは、ロックス・ルドベキアとトーマ・イベリスです。


…おっとここで運営側から、追加のルールが入りました!


『今回の魔闘大会では金属性の魔術を使うことは禁ずる』とあります。

学園長先生、このルール追加について、どう思われますか?」


「そうですね、これは殺傷力の高い魔術を禁止するという意味でしょう。

誤解しないで欲しいのですが、これは一人の生徒を不利に追い込むためのルールではありません」


「なるほど。たしかに、刃物や銃器で戦いは、あまりにも危険すぎますからね。

選手の皆さん、なるべく怪我をしないよう闘ってください!


それでは第一試合、Bクラス、カイン・ルドベキア 対 Sクラス、ガイル・ダイアンサス!

両者とも、闘技場にお入りください」


ナタリア先生のアナウンスで、他10人の選手は下がり、第一試合の2名が残る。


*****


観客席では出場者以外のSクラスのメンバーも観戦していた。


「なあ、カイン・ルドベキアって、ひょっとしてロックスの親戚か?」


シンリーの質問にレインが答える。


「いえ、おそらくカインさんは、ロックスさんの双子の弟です」


「あいつ、弟がいたのか!」


「…学園内の噂で聞いたことがあります。『ロックスさんには性格も見た目も、正反対の弟がいる』と…まさか本当だとは」


「だが、相手が悪かったかもな」ジャイロがすかさずフォローする。


「…そうだな。なんてったて相手は、うちの期待のエース、ガイルだからな」


ガイルに対して喧嘩を売ることの多いシンリーだが、実力は認めているようだ。


「しかし、これはワンサイド・ゲームで終わってしまうのではないか?うーん、実に残念!」


ラインハートも一緒に観戦しているが、あまり興味がなさそうだ。


*****


「それでは、審判役のデューイ先生、試合開始の合図をお願いします」


闘技場にはピリついた空気が流れる。


「それでは構えて。…用意、はじめ!」


デューイ先生が白旗を上げ、試合が始まる。


*****


―数十分前―。


選手控室は男子と女子で分かれており、さらに男子はクラス毎に分けられていた。


実は試合が始まる数分前に、ガイルはロックスからある話しを聞かされていた。


「お前が一回戦で対戦する相手だけど…カインには気を付けてくれ」


「言われなくとも分かっとるわ、アホが。てめえとは昔からの付き合いだからな。

弟だからって容赦はしねえぞ」


「ま、分かってんならいいけどさ…アイツ、学園に入学してから更に俺を避けるようになってさ、前より雰囲気も暗いし、周りからも疎まれてるみたいなんだ」


「知らねーよ。兄弟喧嘩のゴタゴタに俺を巻き込むな。まあ、一発ぶん殴れば目も覚めるだろ」


「…それが一番怖いんだって。お手柔らかに頼むよ。」


―そして現在に至る―。


「用意、はじめ!」


試合開始の合図と共に、ガイルは先手必勝と言わんばかりに、火炎魔術で俺(=カイン・ルドベキア)に攻撃してくる。


奴は金属性だが、元は火魔術を得意とする。


「久しぶりだなカイン。お前が得意な影遊び、見せてみろよ」


「…!ガイル。馴れ馴れしく俺を呼ぶな!俺の魔術が遊びなんかじゃないって、証明してやる!」


(気に入らない…本当にこの『ガイル・ダイアンサス』はムカつく。

子どもの頃から俺の兄貴の隣に居やがって、偉そうな口をきく。この闘いで絶対、一泡吹かせてやる!)


するとその時、ガイルの火魔術の火球が、鬼のような速さで俺へ目がけて飛んできた。


瞬時に攻撃を避けるが、顔面スレスレに火球が飛んできて、サイドの髪の毛がチリっと焼けてしまう。


(だけど、影さえあれば、いくらだって不意打ちができる…今に見てろ、ガイル!

俺の方が兄貴の隣にふさわしいって証明してみせる)


ちなみに俺の特殊スキルの名は「影人形(シャドウ・ドール)」といって、対象者の影に自在に入り込み、不意打ち攻撃ができる技だ。


だが、俺はある異変に気づいた。


「…あ、あれ…?影が…」


先ほどからガイルが、俺へ目がけて容赦なく火球を放っているせいで、影が全く見当たらない。


「そんな、そんな馬鹿な…(ダメだ、避けるので精一杯…!)」


「おらぁ、どうした!手も足も出ねえか!」


ひと際ドンっと大きい火炎攻撃をガイルが放ち、回避に間に合わず俺は直撃を喰らい、体ごと吹っ飛んでしまった。


「…がはっ!!」


受け身が取れず、俺は倒れ込んでしまった。だが、ガイルはとどめの一撃を出さない。


(ふ、馬鹿な奴。ここで俺を仕留めておけば、負けずに済んだものを…)


「おーっと、これはカイン選手!フィールドの枠から飛び出してしまいました!」


「え…?」


見ると、俺の体はフィールドの黒枠から大きくはみ出していた。


「勝者、ガイル・ダイアンサス!」


デューイ先生がガイル側に旗を振り上げた。


「くそ…認めない、認めない、俺はお前の存在を認めないからな、ガイル・ダイアンサス。

勝負の負けは認めても、お前だけは…」


「別に認めなくてもいーぜ?」


「へ?」


「お前が何を拗らせてんのかは知らねーが、競争相手がいるのはいいことだ。

お前さえ良ければ、いつでも相手してやるよ」


ぽかんっとするカインに背を向けて、ガイルは闘技場を後にした。


(やっぱり、ガイル・ダイアンサスは嫌いだ。

でも、さっきよりも気持ちが清々しいのは、なんでだろう)


*****


選手の控室に戻る道すがら、ガイルは「はぁ…」と溜息をついていた。


「やっぱ面倒くせぇなカインの奴。アイツの兄貴は過保護だし、本人は歪んでやがるし。

おまけに本当は自分の兄貴が好きなくせに、思いっきり拗らせやがって」


こうして、一回戦は無事(?)に終わったのだった。


そしていよいよ、第二回戦で私は、リリーと対峙する。


ここまで読んでくださり、いつもありがとうございます。

例により、Canvaの画質がぼやけているかと思いますが、暖かい目で見ていただけると助かります。

12人のトーナメント表を作るのは骨が折れました…( T_T; )


そしていよいよ始まりました、魔闘大会第2部の第一回戦!

これから新キャラもどんどん登場してまいりますので、お楽しみに♪

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