85話 お兄ちゃん‥‥‥きもいよ
85話 お兄ちゃん‥‥‥きもいよ
「悠ちゃんも大胆だよね~。お兄ちゃんは杏葉さんと付き合ってるのにさ」
知らなかったのか、というかそこを喋って無かったのか悠木は。
‥‥‥そこは悠木的にはいいのか?
それに麗奈もどう思ってたんだよ。俺が麗奈の立場だったら気まずくてしょうがないけど。
じゃあ悠木の言ってた人って誰なんだという疑問も浮かんでくる。
「私も聞かされた時はびっくりだったよね。彼女が居ても好きだなんて、なんか良いなー。本当にお兄ちゃんの事好きなんだって感じ」
そういうのに理解があるタイプだったか麗奈は。尚更将来が不安になって来た。略奪愛でしか満足できなくなったりしたら‥‥‥。
「私としては悠ちゃんを応援したい気持ちもあるけど、杏葉さんの事も大事だし。どうすればいいの~って感じだよ」
俺が一番どうすればいいのーって感じだよ。水瀬さんにこの事がバレたらどうなることか。
「まあ、悠ちゃんの事なんだかんだ応援する様な事もしちゃったんだけどね」
この前の行事の前に悠木の事聞いてみたり、俺の水着を提供したりしてたのはそういうことか。
しかも、今日出かける時も悠木の名前を出したらやけにあっさり外出させてくれたっけ。
「でも杏葉さんとお兄ちゃんが分かれてほしいなんて事は無いんだよ?、杏葉さんの事も大好きだし、なんならお姉ちゃんって呼びたいくらいだし」
「気が早いだろ流石に」
にしても麗奈の行動は矛盾しすぎだろう。悠木の事も昔からの仲だし、水瀬さんの事も大事だって気持ちは分かるけど。
「最近の悠ちゃん辛そうだったんだからね?、今日告白したって事はそういうのも解決したって事だよね?」
「まあ、一応な‥‥‥」
俺のせいであんな気に病んでたら、心が痛いからな。そこについては良かったんだけど。
「ちなみにお兄ちゃん‥‥‥」
「なんだよ‥‥‥」
急に顔が真剣になる麗奈。
「返事はどうしたの?」
‥‥‥ついに来たか。
「まだしてない‥‥‥」
「お兄ちゃん‥‥‥」
「どうした‥‥‥」
「二人を悲しませるような事をしたら許さないからね」
「はい、善処します」
「‥‥‥よろしい」
◇◇◆◇◇
‥‥‥ってこの状況で二人を悲しませないなんて出来るか?
というか今はまだ分からない事が多すぎるよな。水瀬さんに本当の気持ちも聞けてないし、自分がどう思ってるかも‥‥‥。
‥‥‥ダメだ。
今日はもう寝よう。ずっと考えてたら朝になってしまう。
早く寝ないと身長が伸びないからな。身長180センチくらいになって女の子にモテるんだ。
「‥‥‥ってもうモテてるじゃ~ん俺」
‥‥‥ってやばいな、自分ながら何言ってんだ。こんなとこ誰かに見られてたら‥‥‥。
嫌な予感がしたのでドアの方を見てみる。部屋の電気を消していた為、廊下の明かりが部屋に差し込んでいる事に気が付いた。
‥‥‥ドアの隙間から部屋に戻ったはずの麗奈がこちらを見ていた。
「お兄ちゃん‥‥‥きもいよ」
よし、今日はいい夢が見れそうだ。
そして俺は瞼を瞑り、枕に顔を埋めたのであった。
◇◇◆◇◇
‥‥‥翌日は枕のカバーを取り換えた。
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