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(幕間)81話 彼が待つ裏で

(幕間)81話 彼が待つ裏で


悠木が圭太たちの通う学校に転校してきた日の放課後。圭太の知らぬところで起きた出来事のお話だ。


「今日はうちのクラスに新しい仲間も増えてみんなソワソワする気分は分かるけど、日頃の授業とかはちゃんと受けろよ~。朝日奈もこの学校に来たばかりだから、明日からはみんなもっと朝日奈の事をサポートしてやるんだぞ~」


圭太達の担任が今日転校してきた悠木の事に触れる。すると黙っていないのがクラスの連中だ。


「牧野~しっかりサポートしてやれよー」


「浮気はするなよ~」


「お前が一番ソワソワしてるんじゃないの~?」


皆が口を揃えて圭太を煽る。


「そうだぞ牧野~浮気はだめだぞー」


担任までも圭太を煽っていた。圭太はそれに不服そうな表情をしている。


だが水瀬は、心ここにあらずといった顔をしていた。


「はいそこまで、みんなあんまり牧野をいじめるなよ~。じゃあ、気をつけて帰れよー」


ホームルームが終わり、圭太は早々と教室を後にする。


そして、いつもだったら水瀬も時間をずらして圭太といつも待ち合わせをしている校門に向かうのだが‥‥‥。


今日は違った。


「はあ‥‥‥、行くしかないわよね」


水瀬がポケットから小さいメモ用紙を取り出す。そこには、放課後第三校舎の裏に来て、と書かれていた。


第三校舎とは、水瀬の私有スペースと化した美術室のある校舎だ。その校舎には人が滅多に立ち寄らない。


その為、水瀬が牧野と付き合っていると知られる前はよくその場所に呼び出されていた。そして告白をされるのが定番の流れだった。


そして、本日は久しぶりの呼び出し。牧野と付き合っていると皆が知ってからは流石に告白する輩はいなかったのだ。


まさかまた告白されるなんて思ってもいなかった水瀬。いつの間にか机の中にそのメモ用紙は入れられていた。


「今はそれどころじゃないのに‥‥‥」


そう、水瀬の頭の中は本日転校してきた女子生徒の事で頭がいっぱいだった。


「牧野くん‥‥‥、すぐ行くから」


第三校舎に向かう途中、校門がちらっと見えた水瀬。牧野が水瀬を待っている様子が見えた。この時間の校門は人通りが多いが、牧野の事が一瞬で分かったようだ。


「それにしても朝日奈さんはなんで‥‥‥」


今から告白をしてくるであろう相手には悪いが、水瀬は悠木の事しか頭にない様子だ。


そして、足取りは重く水瀬は校舎裏へと向かった。


◇◇◆◇◇


水瀬が校舎裏で一人待っていると、足音が聞こえてくる。


「慣れないわね‥‥‥」


いくら沢山の告白を受けてきた水瀬とはいえ、未だに告白を受けるのは慣れない様だ。牧野がいる分、前よりは断りやすいようだが。


あえて後ろを向き、気が付いていないふりをする水瀬。


そして、その人物は現れた。


「ああ、水瀬さん待った?」


その時水瀬は戸惑った。なんと、女の子の声がしたのだ。


まさかそういう人は初めてだったので余計緊張が走る水瀬。勇気を出して振り向きその声に応える。


「いえ、全然ですよ‥‥‥えっ」


「いやーごめんね?、私が呼んだのにさ」


「朝日奈さん‥‥‥」


そうそこに居たのは朝日奈悠木その人であった。水瀬が今一番警戒しているであろう女子生徒がそこにいた。


「休み時間の話の続きをしたくてさ~」


水瀬と悠木の誰も知らない秘密の女子会が今始まった。

※時系列的には33話の時のお話です。


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