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80話 ふいうち

80話 ふいうち


「‥‥‥二人が付き合って無いこと」


えーーーーーーーーー‥‥‥。


「あはは、何その顔。まあ、最初から知ってたんだけどさ」


俺が呆気に取られていると、悠木が笑いながらそう言ってきた。


「あ、いや‥‥‥違くて」


ここから誤魔化せる訳ないけど、一応抵抗を‥‥‥。


「そんな誤魔化さなくてもいいからさ。私が二人の秘密を知ってる事、水瀬さんも知ってるし」


「そうなの‥‥‥ね」


なんでその事を知ったんだ知ったんだ悠木は‥‥‥、ってまさか?。


「私ね、お姉ちゃんが看護師しててさ」


あああああ!、忘れていた完全に。今日の事を考えたらしていたらすっかり忘れてしまっていた。


「ルリさん‥‥‥」


「そ、ネタバラシしといたって言ってんだけど?」


「いや、忘れてた。というか悠木に話してたのかよ。だめだろ、そんな大事な事話したら」


元はといえば俺が口を滑らせたのが悪いんだけどさ。まさか悠木のお姉ちゃんだなんて思わなかったし、世間狭すぎだろ。


「まあ、お姉ちゃんも私の幼馴染だとは思って無かったみたいだしね」


「え、そうなの?」


「だって私が転校する前にお姉ちゃんから聞いたんだよ。私が転校する学校に面白い人がいるって。それがたまたま圭太だったの」


「なんだよその偶然の連続」


「しかも、物凄く美人の偽彼女もいるって言われたときは、何言ってんの?、ってなったけど」


「そりゃそうだよな」


「はじめは何か変な特殊詐欺にでも引っかかったのかなって思ってた」


そう言われたら、俺でもそう思うな。なんだよ超美人と偽装カップルって、意味分かんねーよ。


そんな面白い話聞いたら、人に話してしまいたくなるのは分かるんだけども。


ルリさん‥‥‥。


「いやー、世界って狭いね。圭太も軽々と秘密なんか話しちゃだめだよ」


面目ない水瀬さん。入院する場所が悪かった。やっぱり二度と行きませんあの病院は。


「じゃあ、ずっと最初から知ってたって事だよな」


「うん、そうだよ。その相手がどんな人か楽しみだったの」


じゃあなんで今になってその事を俺に伝えてきたんだ?、水瀬さんも知ってるなら俺に隠す必要なんてなかったはずだ。


「というかさ、なんでその事ずっと黙ってたんだよ」


「え~‥‥‥、それは内緒だよ。乙女同士の秘密ってやつ」


「なんだよそれ、気になるじゃんか」


「教えないって言ってるでしょ?、しつこい男はなんとやらだよ」


今になって教えてくれたのには何か意味があるんだろうか。まあ、何聞いても教えてくれなそうだし諦めるか。


「そういえば、水瀬さんを初めて見たときね、何この美少女って思ってさ」


悠木さん、あなたそれ他所で言うと嫌味に聞こえますよ。悠木の方がタイプって言う男子なんて沢山いそうだし。


「こいつが圭太を騙してる悪女かなんて思ったりしたんだっけ。‥‥‥今じゃ立派なライバルって感じなのが面白いよね」


急に水瀬さんの悪口始まったじゃん。俺は水瀬さんの悪口を一緒に言い合ったりなんてしないからな。自分の中で留めてるから。


あ、留めてるのは悪口じゃ無いからね?、褒め言葉に決まってるでしょ。大食いとか、図太いとか、ずる賢いとかだから。


えっ、悪口だろって?、そうかな?、あんまりそういうの分かんないな。


‥‥‥というかライバルって何の事言ってるんだ?


「だから私ね、水瀬さんに譲る気なんて無いから」


「ん?、どうしたんだよ急に。水瀬さんに何を譲るんだよ」


食べ物か?


俺が水瀬さんに何を譲るんだろうと本気で考えていると、咄嗟に悠木が顔を近づけてきた。


「‥‥‥こういうことだよ」


「‥‥‥えっ」


俺はその瞬間、その場で固まった。言葉の通り動けなかった。いや、時が止まったという方が感覚的に近いかもしれない。


「えへへ、恥ずかしいね‥‥‥」


‥‥‥一言で言おう。


俺は悠木にキスをされた。

【まずは、この作品を読んで頂きありがとうございます!】


 「面白かった!」


 「続きを読みたい!」


 「この後どうなるのっ‥‥‥?」


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