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79話 私なりのケジメ

79話 私なりのケジメ


「あのね、私ほんとはね‥‥‥」


なんとか悠木を連れ出して近くの公園まで来た。結構話し込んでたのか、もう外はすっかり夕方だな。ここまでないってくらい夕暮れ時だ。


「悠木、ゆっくりで良いからさ。一回深呼吸してさ」


「そうだよね‥‥‥。ごめん‥‥‥」


「いや、謝らなくていいって。俺の配慮が足りなかっただけだよ」


今の俺‥‥‥めっちゃ出来る男って感じじゃん。ってそんな事言ってる場合じゃないよな。


俺は悠木が泣き止むまで付いていてあげよう。なんたって幼馴染だからな。でもそういえば、小さいころ悠木が泣いてる所なんて見た事がなかったな。


悠木も普通の女の子なんだって思わされた。


◇◇◆◇◇


かなり時間が経った。昼間の暑さも弱まり、街の街灯も少しずつ点きだす頃合いだ。


「うん‥‥‥。圭太が普通に女の子を励ましてるの‥‥‥なんか嫌だね」


「なに言ってんだ、男として普通の事だろうが」


「格好つけじゃん」


やっと泣き止んでくれたか。冗談も言い返してくるようになったし、一安心だな。さっきはもうずっと泣いてるんじゃないかと思ったくらいだったからな。


「今日ほんとはね、ちゃんと謝ろうって思ってたの。でも圭太といると楽しくてちゃんと謝れなくて、そんな自分がダメだなって思えてきちゃって‥‥‥」


そんな事考えてたんだな。てっきり吹っ切れてくれてると思ってたから、全然配慮とか足りてなかったんだろう。


「だから‥‥‥ごめん。謝って済むような話じゃないけど、私なりのケジメだから」


「そんな事気にしてたのか。‥‥‥そんな事って言うのもモラルが足りてないのか?」


「そんなの気にするの圭太らしくないよ。圭太は女の子に気を遣われるタイプだよ」


「そんなモテ男みたいな風に言うなよ、恥ずかしい」


「水瀬さんと付き合っておいてそんな事言ってたら、またみんなに叩かれるよ?」


「はは、そうだな‥‥‥」


水瀬さんと付き合ってるか‥‥‥。この偽りの関係もいつかは終わりを迎えると思ってたけど、なんだかそれは寂しいって思ってる自分がいる。


水瀬さんの本心ってなんなんだろ。俺の事が好きなのか?、でもなにも関わりが無かったんだぞ。


だから、あの時美術室で俺に見られて口封じでって本当に思ってたんだ。でも‥‥‥。


「なにか考え事してる?」


「えっ、違うけど‥‥‥」


「水瀬さんの事でしょ?」


「そんな‥‥‥悠木と居るんだから、水瀬さんの事なんて考えてなんか無いって」


まずい、また機嫌を損ねたら大変な事に‥‥‥。


「へえ~、そうなんだ。普通は彼女なんだから、私の事を優先するのはおかしいよ?」


「って、どうしたんだよ急に‥‥‥。彼女だけど、悠木は幼馴染だろ?」


「幼馴染だけどさ、普通は彼女が居たらさ、女の子と二人で出かけたりしないよ」


急にどうしたんだ悠木のやつ。そんな事気にした事ないだろ悠木も。水瀬さんと付き合ってるって知ってて今日だって誘ってる訳だし。


「まあ、そんな事はさておきさ‥‥‥」


「そんな事より?」


「うん‥‥‥。どうしたんだ?」


「普通彼女の事をそんな事よりなんて言わないよ。‥‥‥普通のカップルだったらの話だけどね」


さっきから水瀬さんの事について執拗に聞いてくる悠木。また水瀬さんがなんかしたのか?、まさか腹いせに水瀬さんが悠木のお昼ご飯を盗んだんじゃ‥‥‥。


「私さ、‥‥‥知ってるよ‥‥‥」


「えっ‥‥‥?」


「‥‥‥二人が付き合って無いこと」

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 「続きを読みたい!」


 「この後どうなるのっ‥‥‥?」


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