78話 なに泣かせてんだよ!
78話 なに泣かせてんだよ!
特大マンゴーパフェも完食し、二人で談笑をしていた。下らない事を沢山話した。
でも、それが一番楽しい。なんて言ったって幼馴染だしな。昔から性別が変わってたけども。
なんか気まずいとか言ってた自分が馬鹿みたいだ。
‥‥‥正確には性別は変わってないですよ。
「それにしても、圭太が元気そうで良かった。‥‥‥改めて、ありがとう。私を助けてくれて」
あの時俺は、構えて飛び降りたからまだ助かったけど、あのまま悠木が落ちてたらどうなってたかは分からないだろうな。それを考えると、怪我なんて‥‥‥ってもうあんな目には合いたくは無いけどな。
それでも良かったと本心で思えていた。
「全然、あんな怪我大したことないって。気にするなよ」
‥‥‥はい、見栄を張りましたよ。いいじゃん、あんな男らしい事したんだから。
俺がそう言うと悠木が俯きながら、俺に喋りかけてくる。
「そうだよね‥‥‥。ほんとに‥‥‥ありがと‥‥‥」
ん?
‥‥‥ってあれ、これ泣きそうな感じじゃないですか。急すぎない?
まずい、ここで悠木が泣くと完全に俺が悪人だ。どうにか悠木を慰めないと。
「あの~、本当に気にするなよ?、確かにケガはしんどかったけど、悠木が無事でほんとに嬉しかったんだよ。だからそんな落ち込まなくていいし、考えこまなくていいんだよ」
「そうだよね‥‥‥、やっぱり怪我はしんどかったんだ‥‥‥」
「いやそれは言葉の綾ってやつで‥‥‥。ほんとに気にするなよ?、ほらこの通り元気ピンピンだしさ。逆に死にかけるっていう貴重な体験できたし。なんかカッコいいだろ?」
「言葉の綾って‥‥‥絶対そういう使い方じゃないよね‥‥‥。あと私のせいで圭太が死にかけた~!」
うえ~んと遂に泣き出した悠木。
情緒不安定すぎない?、さっきまで普通に話してたよね?
まずいお店の人がみんなこっち見てる。そして俺への視線が凄い。
そこのヤンキーチックなお姉さんが「なに泣かせてんだよ!」、って顔でこっち見てる。
「あーー、私のせいで~!」
どうしよ‥‥‥、一回落ち着かせないと。
悠木の雰囲気的にもう吹っ切れてるのかと思ったに。俺の配慮が足りなかったんだろうけどさ。
「悠木ほら、もう傷もすっかり治ってるしさ。病院の先生も回復力が異常だって言ってたんだぞ?、異常な回復力ってなんか特殊能力みたいでカッコいいよな。俺もバトルヒーリング自慢でもしようかなー‥‥‥」
「私のせいで圭太が特殊能力発現しちゃった‥‥‥」
だめだ、泣き止みそうにない。今は何を言っても無駄だな、冗談も通じないし。特殊能力発現しちゃったってなんだよそれ。
「悠木、一回お店出よう。ほらいこうぜ」
そして俺は会計を済ませ、悠木を半ば引きずりながら店を出た。
店中から刺されるような目線を浴びて俺のHPはゼロだ。バトルヒーリングスキルなんて無かった。




